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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
目の中で最も重要なのは網膜である。
丁度カメラの様にレンズを通して入った光が映像を結ぶ、つまりフィルムの様な役目をしている。 その中でも中心部の黄斑と呼ばれる小さな円形の部位で、最もシャープに映像を結ぶ。 通常は網膜の中でもその部分が多少凹んでいるが、僕の右目では底が盛り上がっていることが検査で分かった。そしてその下に水がたまっている。網膜剥離である、一番肝心な部分の。 そもそもの原因は動脈硬化で、かたくなった動脈に静脈が圧迫され、循環が悪くなり、うっ血して流域に浮腫を生ずる。それが黄斑の上部に発生し、水分が重力で下方に移動し、黄斑の裏側にたまって黄斑を持ち上げたのが今の状態といえる。 普通に景色を見ている分にはそれほど障害はないが、本を読むのがつらい。 字を読むときは黄斑部に頼っていることを今回は実感した。 正常な左目の映像に、右眼のぼやけた青ざめた像が重なり合って、邪魔なことおびただしい。 さてどうするか。 昨日の造影剤を点滴しての撮影の結果、浮腫のある部位の静脈から多少の漏れが続いていることが分かった。 最終的には手術ということも考えなければならないようだが、ます、ステロイド注入を試みることとなった。これで炎症反応を抑え、浮腫の引きを期待するわけである。 ただ、ステロイドで眼圧が高まることがあるという。そのテストとしてまず2週間ステロイド剤の点眼を行い、もし副作用が無いようならステロイド注射を試す。同時に静脈からの漏れをとめるためにレーザー治療も行う。 以上が昨日の検査結果に基づく当面の治療方針である。 果たしてこの治療が功を奏するか、又後遺症は残らないか、いまあれこれ心配しても始まらないが、長期戦の覚悟は必要のようだ。 ひたすら早い回復を祈るだけである。 僕にとって本のない人生は考えられないので。
by n_shioya
| 2010-05-08 22:25
| 老年病
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Comments(2)
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このところの先生のブログを拝見していて、目のことが、かなりストレスになっていらっしゃるなと心配しておりました。
私は、近眼がかなり進み、老眼の年頃のくせに、老眼鏡はかろうじてなくても近くのものは見えるくせに、2,3メートル先のものも見えにくくなってきました。ひとえに仕事とプライベートとで、コンピューターを見つめすぎている為かと思われます。 いずれにしても、目の大切さを私も痛感する昨今です。 塩谷先生の目の治療、成功しますように。 早く回復しますように。 心よりお祈りしております。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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