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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
留学時代に知り合った仲間の一人で和辻哲郎の「風土」に心酔した男から、ぜひ読むよう勧められたことがある。
勿論その存在はしってはいたが読むチャンスを逸していただけである。 が、アメリカでは手に入らなかったので、帰国後すぐ入手して読み始めると、なるほどと感心させられた。 風土をモンスーン(日本を含む)、砂漠、牧場に分け、それぞれの風土と文化、思想の関連を追及した名著であることを実感した。 1920年代の短期のヨーロッパ留学で、これほどの鋭い分析ができるのは驚きだった。 また、彼の記す当時の日本人の思考形態、ライフスタイルが、僕が帰国した1964年の在り様と、本質的には何も差異がないのに、愕然となったのも記憶に新しい。 その留学時代の仲間が、“つまらん本を出したのでとりあえず・・・”と言って一冊送ってくれた。「残照」という題の半生記である。 これがなかなかの名作である。最近読んだ本の中では、群を抜いて読み応えがあったと言いたい。 “あとがき”にあるように、 「日ごろ、自分の周辺に起きていることの中で、自身に大きな影響を与えたと思われることを中心に書き連ねた。単なる自叙伝や自分史に陥るのを避けるため、できる限り普遍的な事項をとりあげ、それに私なりの考察を加えてまとめたつもりである」 という重厚な内容と文体である。 具体的な内容を別にすれば、和辻哲郎の未発表の自伝が発見されたといっても通用しそうな出来栄えである。 ちなみにその友人は帰国後母校の外科教室に戻り、やがてその主任教授として活躍、現在は名誉教授として悠々自適の生活?を送っている。 “単なる自叙伝や自分史”すら書き得ない、“軽薄短小”を旨とする男にとっては、“頂門の一針”でもあった。
by n_shioya
| 2009-08-20 23:02
| コーヒーブレーク
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Comments(3)
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香川東洋男
at 2009-08-21 09:46
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塩谷先生、ご無沙汰しています。エステテック機構でご一緒した香川です。今日、紹介のあった「残照」をぜひ読みたいのですが、発行社、著者を教えていただければ嬉しいのですが。ひょっとして、自費出版なのでしょうか?
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n_shioya at 2009-08-21 11:13
香川東洋男さん:
いやぁーお懐かしいですね。機構もどうなったのでしょうか。 著者は飯田太(ふとし)先生で、自費出版かどうかは分かりませんが、編集は信濃毎日新聞社となっています。 TEL:026-236-3377 竹村嬢には時たま学会でお会いします。
Commented
at 2009-08-21 16:20
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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