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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今僕は脳の「視床下部」という部位に注目している。
大脳のほぼ中心に位置し、外からの刺激、ストレス、感覚を含め、すべての情報が集まり、ここから脳下垂体、自律神経系へと指令が出され、全身のホルモン、神経の調整をつかさどっている。 いわば、エアポートの管制塔のようなものだ。 当然ながら食欲とか、睡眠のコントロールもここで行われる。 コンピューターならCPUに相当すると言えるだろうか。 人体は生命維持のために様々な工夫を凝らしている。 損傷、摩耗に対しての修復機能、失われた組織の再生、なかでも日々活躍しているのは、バランスの回復機能である。 僕はこれをヨットの「復元力」に例えたい。 ヨットはどんなに傾いても、もとに一人で戻る。そうなるよう重心が設定されているからだ。たとえいったんセールが海に使っても、これを「チン(沈)」するというが、「復元」つまり立ち直ることは可能である。本当に沈没するのは、船室が水浸しになったときだけである。 人体でも通常のストレスには「復元力」で回復するが、それを超えた時、ヨットなら「チン」に当たるのが「発病」で、「沈没」は「死」ということになろうか。 この「復元力」の中枢が「視床下部」にあるのではないかと僕は考えている。 加齢により当然この「復元力」も衰えるはずで、この「視床下部」を活性化するのが今後の抗加齢の命題の一つではなかろうか。 そんな話を聞きつけたある企業の方が、“それ、本当でっか?じゃ、わっちにそのサプリを創らせてください”とおっしゃった。 やはりビジネスマンは目の付け所が違う。 でも、これはまだ仮説の段階で、サプリ等まだ先の話だと申し上げた。 そこで神経内科の専門家にお伺いすると、すでに「視床下部」の一部の機能に関与する物質は発見されているという。 オレキシンと言って「視床下部」の辺縁の細胞から分泌されそうだ。 するとオレキシンの分泌を促進するサプリを見つけなければ。 よし、明日から取り掛かろう。 やれやれ吾輩も、「起業の罠」にはまってしまったようだ。
by n_shioya
| 2009-06-20 22:04
| アンチエイジング
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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