|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
イヤー今日はおったまげた。
ショックだった。 まだ信じられない。 今度出版する本の打ち合わせで、編集長とライターの女性が見えた。 最後の仕上げで、男性ホルモンの項のチェックである。 “ところで”と編集長が問いかける. “なんで男だけに前立腺のがんが発生するのですか?”編集長は中年の男性である。 “だって、無いものに癌ができるわけがないでしょうが。” “えっ!すると私の体には前立腺がないのですか。”驚きの声を上げたのは女性のライターである。 たまげたのはこちらの方だ。 “女性にも前立腺があると思ってらしったのですか?” “もちろん。そうじゃないのですか?” 僕はおもわず両手を挙げて降参のポーズをとった。 そして隣の部屋の事務局に行って、美女軍団の面々に問いかけた。 “自分に前立腺があると思っている人、手をあげて!” なんと全員が手を挙げたではないか。 しかも怪訝そうである、なんでそんな当たり前のことを聞くのかといった感じである。 “女性に前立腺があるかと聞くことは、男性に子宮がありますかと尋ねるのと同じことなんですよ。”というと、初耳だというようにきょとんとしている。 もし男性に“子宮を持ってるか”と聞いたら全員“ノー!”と言うだろう。今の御時世、持ちたいと思っている人は一人、二人いるかもしれぬが。 医者と一般人との間には、これほどのギャップがあるのかと唖然とした。 啓蒙とはどこから始めればよいのか、あまりの落差に呆然としてしまった。 “分かり切ったことでもまず丁寧に説明するのがコツですよ。” かつて仲のよい記者から諭されたことを改めて思い出した。 さて、女性の読者の皆さん。初めの質問に手を挙げてしまったでしょうか?
by n_shioya
| 2009-05-20 22:34
| 医療全般
|
Comments(12)
Commented
by
ruhiginoue at 2009-05-20 23:18
癌ではなく前立腺肥大と言えば間違えなかったかもしれません。
性転換手術をすると、かかる病気も変わって、男性から女性になったら婦人科の病気になってしまい、保険証は男性なので婦人科にかかれず自費になってしまうなど問題が起きてました。 法律では性染色体が尊重されて形成外科手術の進歩をなかなか認めませんが、モロッコへ行ってマラ消すなんて言われていたのが今では埼玉医大でも出来るなど法整備を通り越して医学が既成事実を作ってしまうことは、いかがなものでしょうかとも思います。もちろん不妊治療とか臓器移植まで含め法改正を待ってはいられませんが。
0
Commented
by
カンナ
at 2009-05-20 23:59
x
医者と一般人とくくらないで欲しいです。一般人ですが、そのくらい知っていますよ。その編集長とライターは、相当バカだし、美女軍団は(本当に美女なら)顔で選ばれたと言われても仕方ないです。
Commented
at 2009-05-21 00:17
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
きのこ組
at 2009-05-21 06:54
x
私も知ってました。でも20歳代のころは知らなかったと思います。
日本の社会は、医者以外は病名や、病気のことを深く知る必要がない 傾向があると思います。それはやはり、アジアに根強い”医者は神様”の信心のせいかもしれませんね。
Commented
by
icelandia at 2009-05-21 12:40
カンで答えが導ける質問です。女性の前立腺の病気は聞いたことがないので、あぁ、無いんだろうなぁ、と。
でも、男性の乳がんのように、ほとんど聞いたことがない場合もあるので、ひっかけ問題なのかと思ってイエスと答えたんじゃないかな〜〜。「実は女性には発達しないため機能していない前立腺のようなものが数ミリあるんですよ」な〜んて?!
Commented
at 2009-05-23 08:07
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
n_shioya at 2009-05-23 22:26
ruhiginoueさん:
アンケートと同じで、質問の仕方も問題があったかもしれません。
Commented
by
n_shioya at 2009-05-23 22:29
カンナさん:
どうも美女軍団は頭が働きすぎて、僕の質問を深読みしすぎたのかもしれません。
Commented
by
n_shioya at 2009-05-23 22:31
Commented
by
n_shioya at 2009-05-23 22:31
Commented
by
御隠居@横町
at 2009-05-24 21:33
x
Commented
by
q_xx at 2009-05-26 13:06
私は、このような、知識の有無で驚くのは先生のような教養ある方らしくないと思います。前立腺の形状/働きを説明した上で、自分にあると思うか質問をしたなら兎も角、そうでない場合は、たまたま人生経験の中でその単語と周辺知識に触れたかの差異ではないでしょうか。それはそれで大事なことですが、教養のある方は知識の多寡よりも考える力を重視するものでしょうから、義務教育あるいは高校教育くらいまでで誰もが学習する知識以外に関しては、相手が知らなくても驚かないものだと思っています。
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||