|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
実は昨日、福岡山王病院の礼賛を書くときに一寸躊躇した。この医療費高騰の時代に何を能天気な、と云われそうだったからである。
ただ僕の真意は別のところにある。 まず、入院生活はもっと快適であるべきという考えだ。病気や手術だけでも十分こたえるのに、病院環境が耳目では踏んだり蹴ったりで、病気も悪くなろうというものだ。 又、現在の日本の制度では、昨日取り上げた差額はあくまで室料だけの問題で、治療は全く平等にうけられる。 アメニティを望む方が、懐具合に応じて選択肢があると考えてほしい。 肝心なことは今の保険制度では、医療費は国家が設定し、医療提供側が必要、適正な治療費を請求できないという、不思議な定めになっている。 したがって現行の制度では、良質な、最新の治療をすればするほど、赤字になるのが実情である。 しかもご承知のように差額徴収や混合診療は原則として認められない。 唯一差額徴収ができるのが室料で、それによって何とか収支のバランスを取っているのが現状だ。 こうして最低限必要な医療、(厚労省が唱えているような理想的なものではない)が被保険者全員に、かろうじて保証さえている。 つまり結果的に室料差額といのは、収入に応じたスライディング・スケールの治療費負担と言えないこともなく、そこでは治療は平等に保障されているが、アメニティは各人の懐具合に応じてという、ある意味で合理的な制度ともいえる。 暴論だろうか?
by n_shioya
| 2009-05-11 22:00
| 医療崩壊
|
Comments(5)
Commented
by
ruhiginoue at 2009-05-12 08:35
そのように豪華な設備を追求して「脳内革命」の先生が経営している病院は潰れてしまい困ったのは患者でした。
医療以外の設備に凝るのは、技術に自信が無いのを誤魔化すためだと知人の歯医者が言ってましたが、歯医者だけでしょうか。美容クリニックなどエステとみまがうところが多いのですが。 何をもって快適かは、患者の価値観にもより、例えば形成外科発祥の地の病院では決まった患者着があることで、個性を剥奪され人格を否定されたように感じる人もいて、病院の母体が母体なうえ患者着が縞模様のためまるで囚人服だと嘆いていたりしました。そんなことへの配慮がまず必要ではないでしょうか。 収入に応じて差をつけるのは保険徴収のときで、医療の恩恵を受けるさいはその当時の水準において平等であるべきではないでしょうか。医療は、他の財やサービスの提供と対価の支払いによる契約関係とは異なりますから。「命だけは平等だ」という某医師の言葉は、単に彼が離島出身だったから地域格差を無くせというだけではなく、もっと広い意味になるはずだと思います。
0
Commented
by
変態医師
at 2009-05-12 11:49
x
投資した分だけ「元を取ろうとする」のはビジネスの鉄則です。それは当然のことながら差額ベッド代程度では到底でまかなえるものではありません。(一泊100万円位とれば別でしょうけど)他で回収する必要があります。その「他」がどこになるかが問題だと思います。「豪華な病室」で無邪気に喜んでいる患者達は本当に贅沢な医療を受けているのでしょうか?先生はそんな事は先刻御承知で旗を振られているわけですから、釈迦に説法ですね。
本当に良い医療、贅沢な医療とは全く別のものです。賢いお金の使い方というのはあるのです。ただ本当の贅沢な医療はビジネスにはなりませんよね。だから商売人が寄ってこないわけです(笑)。
Commented
at 2009-05-12 22:25
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
n_shioya at 2009-05-12 23:20
Commented
by
n_shioya at 2009-05-12 23:23
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||