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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
傷を早くきれいに治す
今日は傷を早くキレイに治す薬の話。

傷を治すのは本人が持つ、自然の治癒能力で、我々医者にできることは最低、その邪魔をしないことで、それを助けるのが湿潤療法であり、キズパワーパッドはそのために家庭用に開発された、創傷被覆材であるとは繰り返し述べてきた。

ではもっと積極的に傷を早くキレイに治す薬剤はないか。
傷を治す細胞やそれが分泌する化学物質、成長因子と呼んでいるが、それをもっと与えればいいのではないか。
細胞を増やすのは「再生医療」の世界で、これからの発展が期待される分野だが、とりあえずは「成長因子」をバイオで大量生産することはここ20年ほどの研究課題だった。
その走りが今日の学会のランチョンセミナーで話題となった、フィブラストである。

フィブラストの成分であるbFGFを大腸菌を使って造り出したのは、アメリカのカルバイオというベンチャーだが、治験に成功し商品化に持って行けたのはその特許を買った日本の科研製薬である。

皮肉なことにアメリカでは治験が通らなかった。
実はこの物質には効果を発揮する適正濃度の山があり、日本では運よくそのピークの濃度を選んだが、アメリカではその倍の濃度を使用したため、却って効果が出にくかったということがあとでわかった。
アメリカでこの開発にあたった友人のマーティン・ロブソン教授は、いまだに会うたびにそのことを悔しがっている。

傷を早くきれいに治す_b0084241_2214221.jpgランチョン・セミナーでは産業大学の安田準教授と、長崎大学の秋田講師がそれぞれのお立場から、フィブラストのありがたさを提示してくださった。
ちなみに秋田講師は、3年先の「第4回世界創傷治癒学会」の事務局長を務める、若手の形成外科のホープの一人である。

ここまで読まれると、それならその「成長因子」とやらを、化粧品の成分に加えたらと考えられるかもしれないが、すでにある種の「成長因子」でそのような試みは始まっている。
ただ、一般論としては化粧品レベルの濃度ではあまり効果が期待できず、濃度を上げれば医薬品となり、コストの面や副作用など、いろいろ問題を生ずるので、そう簡単な問題ではない。
by n_shioya | 2009-04-24 22:33 | キズのケア | Comments(3)
Commented by icelandia at 2009-04-24 22:55
素晴らしい話ですね。傷は小さなものから大きなまで様々で、傷のいい思い出というのは無く、キレイに直ってくれればそれが一番です。跡形もなく無くなってほしい傷の方が多いですよね。研究者の方々のご苦労と努力にひたすら感謝です。
学会、本当にお疲れ様でした。週末はゆっくりと休養できますよね?ぜひそうしてください。横浜はちょうどツツジが満開で素敵です。楽しく散歩ができますように!
Commented by n_shioya at 2009-04-25 23:18
icelandiaさん:
今日はゆっくり休養しました。
明日からは朝の散歩も再開します。
ところで傷跡を残さないのをスカーレスヒーリングと呼び、形成外科医の夢でもあります。
再生医療の進歩で、これも射程距離に入ってきたようです。
Commented by だんぷ at 2009-04-26 23:08 x
小さい頃に読んだ漫画の近未来21世紀の表現がそのまま現実になったようで
ちょっと変な気分になります


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