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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
朝から雨模様で外に出ると肌寒い。
一日、家に籠ってテレビを見たり、本を読んだり。 芥川賞作家の「辺見庸」を取り上げた一時間番組で、“秋葉原事件とケータイ依存症の関係」”が論ぜられていた。 現代社会がいかに病んでいるか、その危機意識が欠如していることが最大の危機であり、その理由は危機がオブラートに包まれて、人々はその中を見ようとしないとか、非常に鋭い分析であった。 知識ともならない情報の氾濫。またその知識を知恵に昇華させる暇を与えられない現代人の悲劇。 エーゲ海の落日を眺めながら、哲学を築きあげたギリシャ人。またその遺産をさらに発展させたローマ人。 豊かな思索の時間に恵まれた古代が懐かしくなり、キケローの「老年について」をひも解いた。 古代ローマの政治家・文人大カトーが文武に秀でた二人の若者を自宅に招き自らの到達した境地から老いと死と生について語る、という形をとった対話編である。 議論は次の前提から始まる。 「さて、わしの理解するところ、老年が惨めなものと思われる理由は四つ見出される。第一に、老年は公の活動から遠ざけるから。第二に、老年は肉体を弱くするから。第三に老年はほとんどの快楽を奪い去るから。第四に、老年は死から遠く離れていないから。もしよければ、これらの理由の一つ一つがどの程度、またどのような意味で正当かを、検討してみようではないか。」 なんじゃない、これまさにアンチエイジングの命題ではないか。 しばらくはゆっくりと彼の論旨を楽しませてもらおう。 だが、いつもながらギリシャ・ローマの文化には圧倒される。 欧米の大学教育で、古典が最重視されるのも所以ないことではない。
by n_shioya
| 2009-03-01 22:49
| アンチエイジング
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Comments(5)
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船長
at 2009-03-01 23:34
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あらら・・・
第一第二は主婦が年とともに焦りを感じる理由じゃありませんか 女子は早いうちからこの惨めさを飼いならすから ヤケに元気な中高年になるのかも・・・ なーんて言うと主婦業にまじめに燃えている方には怒られそうですな ・・・ただ、若き日にバリバリ働いたことがある方は 一度はこんな焦りを感じたことがあるかもしれません 知識を知恵に・・・以前にその違いも分からない様子の子供(大人も!)を 見るにつけ、「考えること」を教えるのが教育であり、家庭なのだと痛感します そう思えば、焦りを感じている暇はなさそうです
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kyoma
at 2009-03-02 21:27
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最近、時々コメントさせていただいております。
私は30代女性ですが、親世代を見ていて日本社会を見ていて、 なぜこうも”若くなかったら人生は終わりだ”的な風潮が強いのでしょうか?先進国の中でも日本はロリコン社会な気がします。ハリウッドスターにおいても30代40代以降でも十分トップの地位を得ているのに、日本のスターといえばドンドン低年齢化してい良くない傾向だと憂慮しています。 なぜって・・・少しは”年を取るほど得をする、楽しみが増える”社会でないと、生きる気力が失われるからです。いくらアンチエイジングといって足掻いていみても人間は否応なく年を取る、いずれ死ぬ。 アンチエイングは人間の本能かもしれませんが、やっぱり年を取ることに価値を見出すことも急ピッチで薦めて行かないと、ある一定の年齢を超えると鬱になってしまう気がします。 という私も、アンチエイジングに躍起になっておりますがw 勝手な意見を語って恐縮ですが、そうは思われませんでしょうか?
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n_shioya at 2009-03-02 22:17
船長さん:
なんでも修業、と感謝して割り切りましょう。
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n_shioya at 2009-03-02 22:20
kyomaさん:
コメントありがとうございます。 要は人は矛盾に満ちた生き物で、まずそれを許容することでしょうね。 そして、どちらにも極端に走らず、どちらも否定せず、折り合いをつけていくことでしょうか。 年取って一ついいことは、そのような複眼視とゆとりが持てるようになることです。
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jiumei
at 2009-03-02 22:39
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夫が年金を頂ける権利を得た時 すごくホットしました、
今は退職した夫の年金暮らしで失業の心配もありません。 現役の時は家族の為に退職してからは社会の為に汗を流しましょうと考えます。 親を見送り、子供を社会人にして夫婦二人の生活は24時間自分時間と至福の贅沢です。 先生の本題からは離れてしました。 老年はまだ先の話とたかをくくっているから言えることでしょうが。 今はささやかでも 心も体も時間も生活の糧も自由を感謝したいです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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