12月17日
朝からジャガイモとニンジンのカレーを作る。BGMは教授、坂本教授だって大好きな俺だが、カレー作るんだったらロングヘアー教授だろってんで、

程なくしてレコード回り出す。うーむ、ピッタリだ。カレーを食べたい心持ち、その作業、全てにフィットする。カレーを作って食べるのもブルースもロックンロールも、日々の生活の中で魂を、地上から浮き上がらせる方法なのだ。つまり、間違いなく現実、そして俺の味方だ。本物のロックンローラーやブルースマンて、地上から5cmだけ浮いてるんだぜ。ホントだよ。きっと天使か、それとも悪魔なんだろうな。でも、そんなのどっちでもEよ、俺の味方なんだから。玉ねぎやニンニクを炒めて、トマトも入れて煮込むのだから、不味いはずがない。鼻の穴を抜けて食欲そのものに突き刺さる匂い。美味い。ニューオリンズのロングヘアー教授、本職はギャンブラーだって。人生だって丸ごと賭けて、倍以上に膨れあがったそれを楽しみ尽くしたに違いない。カレーが好きだったかどーだかは知らないけれど酒はたらふく飲んだんだろうな。ああ、俺のカレーが出来たじゃないか。冷めないうちにいただこう。お、丁度レコードが終わってしまったな。もう一度A面に戻ってもよいが。うむ。

リー・ドーシーにしよう。ターンテーブルに皿をセットし、回す。テーブルにカレー皿をセットし、いただきます。美味い。こんなにFUNKYだったっけなリー・ドーシー。しかし、このカレーは美味い。いや、リー・ドーシーFUNKY過ぎないか。『A Lover Was Born』、素敵にFUNKY過ぎるぞ、この曲は。これはバックのミーターズの仕業か。そして、この旨味はニンニクとトマトの仕業か。玉ねぎだって頑張っているよ。ジャガイモやニンジンもきっと大喜びなはずさ。で、リー・ドーシー。確か昔はボクサーだったんだっけ。そーいや、ボ・ディドリーもボクサーだったんだよなぁ。ボ・ディドリーの『Hong Kong Mississippi』って曲が、ヤケクソな感じで好きな事を思い出した。タイトルからしてヤケクソでEな。今日のカレーもノリノリだ。ごちそうさんで、やしやしやし、だ。地上から5cm浮いた気分のまんまで、出かけ、歌い、ハーモニカを吹いて過ごしてみれば、明日はライブだ渋谷だAXだ。
明日もひとつ、一番新しい音をどでかく鳴らしてやり合おう。
Funk-a-lismo!
コヤマシュウ