![]() スタンリータレンタインはケニーバレルの<ミッドナイトブルー>ではじめて出逢いました。 父親のCD、当時は一枚3200円したと思います、を借りて聴いて、最初はなんだJazzってよりブルースじゃないかなんて思ったのを覚えてます。 そんな僕でもミッドナイトブルーというタイトルの素晴らしさやケニーバレルのトーンの奥深い悲しみや願いに気づくのにはそう時間はかかりませんでした。 僕ぐらいの感性にも十分にそれを知らしめる名盤だったってわけだね。 そのアルバムでケニーバレルに勝るとも劣らぬ、まさに<ミッドナイトブルー>を体現するアルトサックス。それがスタンリータレンタインでした。 雪深い会津の夜はその時だけ摩天楼のセンチメンタルな夜に変わって、スタンリータレンタインは「坊や、ブルースに見つかったらもう降参しかないんだぜ」と僕に片目をつぶってみせるのでした。 そのスタンリータレンタインのリーダー作 スタンリータレンタインはやっぱり都会の夜をブルースで表現します。 恋人たちは相変わらずヘヴィな問題を抱えてるし、ビジネスマンの見上げる空はいつも晴れてるわけではないのです。 スタンリータレンタインはそんな人々の夜を、ただただ憂鬱で悲しいものから、ちょっとほろ苦くて味わい深いものに変えてくれる、そんなブルースをプレイしてくれてるのです。 そしてこのアルバムにはもう一人の主役がいます。 このアルバムのオルガンを弾いているスタンリータレンタインの奥さん、シャーリースコットです。 シャーリースコットは素晴らしい女性オルガンプレイヤーです。 このアルバムでもなくてはならないプレイを常にしていて、その演奏はミッドナイトブルースに朝が来る予感を感じさせてくれます。 やっぱりこうでなくちゃね。 憂鬱は味わい深いものに ブルースは夜中の炭酸水とともに 片目をつぶって 坊や、ブルースに見つかったらもう降参しかないんだぜ。 |
by samboblog
| 2010-12-27 12:50
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