
第二話 「ゆかいな仲間達」
そう 俺達はやんちゃだった。 そして音楽が何より好きだった。
世界最古の寺院 法隆寺の傍らに建つ平凡な田舎の小学校
斑鳩小学校。
その中でも俺達の6年4組は特にFunckyな猛者の集まり。
朝は無意味に早く(明け方)に集いグラウンドでバスケット練習、、、
いや 正確にいうと
「スラムダンク」練習である。
それぞれのキャラになりきって 「フンフン フフフン!!」
「自ら打つ!」「いったん戻してまたダンク!?」
「バスケが、、、したいです」
などと口走りながら アツい青春の1コマを演じた後
教室に入り(忍び込み)
そこからはメインイベントの音楽鑑賞会
こっそり持ち来んだヘボいCDデッキで
持ち寄ったCDをプレイし 熱いトークを繰り広げる。
斑鳩一うまい中華料理屋「オリンピック」のヤンチャ息子 イワオは
大のZARDファンで 小学6年にして既に熱烈な彼女のファンである。
「やっぱ ZARDやわ〜 めらマブ(古い)やって〜!!」
といいつつ机にコンパスで「ZARD」と彫る
(こ こいつマジやな、、、)
「今宵はわたくしと一緒に踊りましょう♪ って歌詞 めらエロない?
どこで? ベッドの上で、、、? うほほほっ☆」
この程度の事でひとしきりエロ話に盛り上がる ウブな男子陣。
「うちはほんまにT-BOLANとエックス命!」とヤスダ。
俺にエックスを教えてくれた彼女は若くして両親の離婚にあい
クラスでは女子にして一番のぐれっぷりをみせる
俺達の切り込み隊長だが
ほんとに音楽に一途に命をかける女の子なのである。
ちなみに彼女の机には「HIDE狂」と彫ってある。
(こ こいつはマジってゆうか もはや「狂」なんやな、、、)
彼女のファンっぷりは尋常ではなく
そのアーティストに関する全ての出版物はCD ビデオは当然の事
ファンが書いたメンバー同士が何故かホモとしてちちくりあう
コアな同人誌に至るまで 全て所持しているという徹底ぶりである。
加えて「HIDEの目の中には小さなほくろがあんねんで」
「森友嵐士は曲中に必ず 『ぶおぇ』という呻き声を入れんねんで」
などと細かいネタを無数に持っていて皆を楽しませたのだった。