「写真家の犬 -le chien de photographe-」の吉田パンダさん登場! 2008年 03月 25日
そんなあづき君の何気ない日常をやさしい視線でとらえた写真とパリの街をおしゃれに切り取った写真に、癒される読者は多いはず。あづき君が話す「わち語」もなんともいえず味があり、黒い縁取りの写真も個性的です。
今週は、そんなあづき君の飼い主であり、雑誌を中心に活動されているパリ在住のフォトグラファー、「写真家の犬 -le chien de photographe-」の吉田パンダさんに登場していただきました。
エキサイトブログ編集部:いつもご利用いただき、ありがとうございます。ブログをはじめたきっかけは?
吉田パンダさん:こちらこそずっとお世話になっています。ピックアップブロガーに選んで頂きありがとうございました。ブログを始めたきっかけですが、HPよりも更新が簡単そうということで「パンダから君へ」という写真ブログを始めました。その後、あづきの写真が増えてきたので犬だけのブログ「写真家の犬」を別に作ってみたのですが、今やそちらがメインブログになってしまいましたね。
エキサイトブログ編集部:ご自身のブログを紹介してください。
吉田パンダさん:写真家に飼われる漆黒トイプードルが主人公で、犬が喋り、文章を書くという設定のブログです。
初めは怠惰な飼い主を常に叱るというパターンでしたが、いつしか自分と飼い主の日常を写真と台詞で犬が紹介する「犬日記ブログ」となっています。どこかにユーモアをいつも入れたいと考えているので、そのあたりを楽しんで頂ければと思います。あとは、トイプードルの可愛さに癒されて下さい(笑)。
ちなみにもう一つの写真ブログ「パンダから君へ」は元々写真+エッセイというブログでしたが、
現在は仕事で撮影した写真を紹介するブログになっています。いつかフォトエッセイに戻りたい、という野望は未だ捨てていませんが、、、。
エキサイトブログ編集部:ブログを通して得たもの、新しい発見は?
吉田パンダさん:続けることで、自分はこういう写真が好きなんだなと改めて見えてくるところが面白いです。
他にはブログを見た人から仕事を依頼されたり、あづきが写真集になったり、、、ということでしょうか。
エキサイトブログ編集部:ブログのよさは?
吉田パンダさん:更新が簡単なところ(とは言え、よく休みますが)。
双方向のコミュニケーションが気軽にできるところ(ブロガー同士も)。
エキサイトブログ編集部:自分をひとことでいうなら、どんな人?
吉田パンダさん:「思い立ったが吉日」な人。それで身内に迷惑かけっぱなしでした(今も?)。
吉日を積み重ねて、いつの間にかフランスで暮らしてます。
あと、刺激がないと生きて行けません。
エキサイトブログ編集部:会ってみたいブロガーは?
吉田パンダさん:「写真家の犬」というタイトルはウチの相方がファンだった漫画家の柴田亜美先生が書いているブログ「漫画家の犬」というタイトルをもじってつけたのですが、その後柴田先生と東京でお会いすることができて嬉しかったです。
エキサイトブログ編集部:一番好きなこと(モノ)、ハマっていることは?
吉田パンダさん:写真と食べ歩き、かな。
エキサイトブログ編集部:夢は?
吉田パンダさん:世界一周撮影旅行。
エキサイトブログ編集部:あづきちゃんのかわいい写真&パリの素敵な風景写真にとても魅了されますが、パンダさんにとって、写真を撮る楽しみは? また、自分らしい写真を撮ろうと心がけていることやアップの際にこだわっていらしゃることなどがあれば…
吉田パンダさん:僕は「よし、今日はあの場所に写真を撮りに行こう」って出かけることって、ないんです。行ったところで撮るというか、先に用事があって出会ったものを撮るというか。出会ったもので「あ、いいな」と思ったものをあまり考えずに撮ることにしています。一言で言うと怠惰な写真家なんですね、カメラを持ち歩くのも重いのであんまり好きじゃありません(苦笑)。
写真をしている人の中には撮っている時が一番楽しいと言う人も多いですが、自分の場合、楽しいのは撮った写真をプリントや画面で見ている時のような気がします。写真は現実とは違いますから、そこに写っているもう一つの物語を楽しむというか、、、。写真を始めたばかりの頃は、自分が撮った写真を並べて自家製写真集を作るのが楽しみでした。写真一枚一枚が持つ物語性が、自分にとっては面白いのだと思います。だから、あづきの写真もブログを書いている時にどう並べようかと考えている時が一番楽しいですね。よくあづきのことを、すごい表情が豊かですねと言われますが、これは連写のおかげです(笑)。
黒い淵どりをつけているのは、白黒写真をプリントしていた名残で、自分のサインみたいなものです。あれは自分が焼いていた白黒写真をスキャンして作ったものなんです。ネガを挟むキャリアと呼ばれるものを自分で削って、ああいう黒枠を作るんですよ。それはその写真家オリジナルの枠で、ネガはトリミングされていなという意味で。今はすっかり暗室作業もしなくなってしまいましたが。
エキサイトブログ編集部:あづきちゃんのブログが『トイプードルあづきのパリ日記』という写真集にもなっていますが、本になったいきさつや感想、出版の際に一番自分らしさにこだわった点は?
吉田パンダさん:ブログを見たエクスナレッジという出版社さんから、「本にしませんか」と声をかけて頂きました。企画が通ってから半年間何もしなかったので、実際は約2ヶ月で作った本なんです(もう年内出版に間に合いませんと言われ、慌てて写真を準備しました)。文章も一日半で全て書きました(涙)。
僕はあづきが喋る「わち語」で作りたかったのですが、担当の方と相談した結果ブログの焼き直しではなく、新しいものを作りましょうということになり、あづきの写真を中心にしたフォトエッセイ本になりました。パリの日常的な写真や、街で見かける犬達の写真もたくさんありますので、それも合わせて楽しんで頂ければと思います。ブログとトーンは違いますが「何でもない一日が大切」というテーマは変わらず流れていますし、デザインも可愛くて(特に裏表紙)出来上がりには満足しています。2冊目はきっとわち語で(笑)。
エキサイトブログ編集部:生活の中で大切にしている時間や癒される瞬間などは?
吉田パンダさん:家族(相方とあづきしかいませんが)と過ごす時間を大切にしています。
あづきとゴロゴロしていると、ほんと癒されます。
エキサイトブログ編集部:数ある作品の中でご自身が気に入っている作品、また、読者に評判だったポストは?
吉田パンダさん:2/24 2006「ジェラシーあづ」
漆黒トイプードルが好きになった知人と一緒にペットショップに行った時の話です。
お店にいる数々の可愛いワンワンにノックアウトされました。今見ても目尻が下がります。
4/11 2007「駄々っ子あづ」
三週間預かっていたペペブーという黒トイプーとのエピソードの一つ。
あづきが喜んで食べる野菜を、ペペブーはいやいや食べるのが可笑しかったです。
5/20 2007「イワシあづ」
病院で血液検査をした際に肝臓の消化酵素の数値に問題があることがわかり、生のイワシを食べることをすすめられていた時の話です。見事に食べていますが、この後食べ過ぎで下痢をすることになります、、、。
9/22 2007「みつばちあづ」
パリに遊びにきた人がプレゼントしてくれた、みつばちの着ぐるみでお散歩する話です。
読者から似合う似合うと嬉しい反響が大きかったですね。こちらの犬はまず着ぐるみなんか着ないので、歩いているととてもびっくりされます。
10/31 2007「なべあづ」
鍋ねこに対抗して(?)、あづきをルクルーゼというこちらの鍋に入れてみました。
鍋ねこのように大反響というわけではありませんが、自分では気に入ってます。
エキサイトブログ編集部:今一番ほしいものは?
吉田パンダさん:疲れると最近すぐ寝込んでしまうので、頑強な体がほしいです(笑)。
あと、長い休日があったら家族とアフリカサファリ旅行をしたいです。
2年前に取材でアフリカに行ったのですが、その時に見た自然の光景に対する感動が忘れられません。
エキサイトブログ編集部:最近の気になるニュースは?
吉田パンダさん:チベット自治区での暴動とそれに対する中国の対応です。
こちらにいればいるほど、自分がアジア人であることを意識せざるを得ません。
日本を含めたアジアの状況と未来が、やはり一番気になります。
エキサイトブログ編集部:ブログに訪問してくださる方にひとこと!
吉田パンダさん:頻繁に更新が滞るにも関わらず、いつも変わらず応援して下さる皆様には感謝の一語です。
初めていらっしゃる方、お茶受けブログとして楽しんで下さい。
エキサイトブログ編集部:ありがとうございました。
【吉田パンダさんが好きなブログ、気になるブログ】
自分のブログの更新もままならず、ブログ探訪はほとんどしていないんです、、、。
でも、このピックアップブロガーさん達にしても興味深い方ばかりですね。
これをきっかけに訪ねてみたいと思います。
【吉田パンダさんのライフログ】
センチメンタルな旅・冬の旅
荒木 経惟 / / 新潮社
写真の道へ進もうというきっかけになった本。
この本を見た時から、僕にとって写真は「物語」です。
Earth from Above
Yann Arthus-Bertrand / / Harry N Abrams
自然の美しさ、地球の雄大さに素直に心打たれます。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
チョン・キョンファ / / ユニバーサル ミュージック クラシック
その昔写真を志す前、僕はこの曲を目標にヴァイオリンを練習していました。
すぐ挫折しましたけど(笑)。彼女が弾くヴァイオリンが大好きです。
吉田パンダさんの「写真家の犬 -le chien de photographe-」を読んでみましょう。