やってしまいました! 「朝日カルチャー・センター」の講師デビューを。題して『小川隆夫のブルーノート・コレクション」。
タイトルに自分の名前が入るのはとても恥ずかしいし、「小川隆夫」じゃひとは呼べないよと断ったのですが、「カルチャー・センター」の担当者に、「絶対大丈夫だから」と押し切られた格好で、この日になりました。
ひと前で喋るのは苦手です。おおいに不安でした。でも、テーマがブルーノートなのでお引き受けした次第です。

全部で3回。で、1回目の昨日は「オリジナル10インチLPで聴くクラシック・ジャズと初期のモダン・ジャズ」。
一体、何人のひとが来るんだろう? 最初に掲載された朝日新聞の告知にはたった1行、「ブルーノート 小川隆夫」とあるだけでした。
これじゃあ何のことかわかりません。まるで暗号のような感じです。1週間後におそるおそる担当者に訊ねました。
「現在、3人の応募があります。これ、この時点ではいいほうです」
本当かなぁ? 疑問はおおいにありましたが、まだ応募ゼロの講座も沢山あるとのことで、滑り出しはまあまあと考えることにしました。
その後も「10人」になりましたとか、「15人です。これっていい数字です」と励まされながらも、「20人くらい集まっていただけるといいんですけれどねぇ」などと、担当者の本音も聞こえてきます。
そして、ついに「20人に到達です」の連絡が2週間ほど前に入りました。「最後に駆け込みで何人かは応募してきますから」とも伝えてもらい、講座前日の連絡で「25人到達」。さらに当日、もうひとりが加わって、26人の受講生で無事「ブルーノート・コレクション」がスタートしました。
対談やインタビューなど、相手がいる場合は喋りすぎるほど喋るぼくです。でも、ひとりで話すのはちょっとつらい。そこで、1時間半の講座を、1時間分は音楽、30分は話と割り振って、15曲用意しました。
しかし、「喋るの苦手病」のぼくは、「話し出すととまらない病」にもかかっていて、それが少し顔を出してしまったようです。大分、押さえたつもりでしたが、結局は10曲目を聴いたところで時間切れ。残りは次回に持ち越すことになりました。

でも、考えてみると、これはぼくの病気のせいだけではありません。ブルーノートって、話すことが実に沢山あるからです。創始者のアルフレッド・ライオンのことだけでも壮大な物語だし、このレーベルで録音したアーティストのひとりひとりにもエピソードが少なくありません。
だから、ブルーノートは世界で一番のジャズ・レーベルと言われているのでしょう。音楽の裏に、いろんなストーリーがある──それがブルーノートなんですね。
音を聴いて、それについてありきたりの説明をしたってつまらない。きっと、受講生の方も、そんな話より、もっとライオンやミュージシャンのことを知りたいと思うんです。そこに、ぼくがこの講座を開いた意味もあるんだろうし。
というわけで、かなり控え目にしたつもりでも、結局はそこそこ話して、時間切れになってしまいました。
次回は8月19日の金曜日。夜の7時~8時半、会場は新宿住友ビル47階です。2回目からの受講も可能ということなので、興味がある方は、03-3344-1945(教養一科)までご連絡下さい。テーマは「12インチLPで聴くブルーノートの歴史的名盤」。ちなみに3回目(9月9日)は「ファンキー・ジャズをオリジナルLPで聴く」です。
ということで、次回もまた報告しますね。では、では。