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川隆夫の JAZZ BLOG
Profile

©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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「証言で綴る日本のジャズ」

「ジャケ裏の真実
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小川隆夫ONGAKUゼミナール
@銀座le sept
3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


■TALK EVENT■
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「3月文化講演会」@神戸
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TEL: 078-265-6595

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カテゴリ:映画&DVD( 170 )
e0021965_21395139.jpg しばらくスパイク・リーの映画は観ていなかったんですが、最新作の『インサイド・マン』を「新宿武蔵野館」で観てきました。
 スパイク・リーといえば、『ドゥ・ザ・ライト・シング』、『モー・ベター・ブルース』、『マルコムX』など、寵児として話題を呼んでいたころの作品は封切られると同時に全部観ていました。ニューヨークが舞台だったり、ジャズがテーマだったりで、興味があったんですね。社会派的な内容に考えさせられることも多々ありましたし。それから、せりふがとにかく気が利いていて面白い。そこにはまっていた時期があります。

 久々に観たスパイク・リー作品は、過去のものにくらべればエンタテインメント性が強調されていました。それでも、人種に関するせりふ、皮肉とユーモアがない交ぜになった会話、ニューヨーカーなら誰でもうなずいたり笑ったりするだろう機知に富んだいい回しとか場面は相変わらずです。
 デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、クライヴ・オーウェン、ウィレム・デフォーが出演して、テーマが銀行強盗。もしハリウッドがこの素材で映画を作れば、もっと壮大でエンタテインメント性の高い超話題作になったかもしれません。
 ハリウッド映画にくらべれば、スケールが小さいことは否定しません。しかし、そこがスパイク・リーのスパイク・リーたるゆえんです。ぼくにはすごく楽しめる映画を彼は作ってくれました。

e0021965_2140755.jpg スパイク・リーの映画で楽しく感じるのは会話です。ブラック・ユーモアに近い冗談をいいながらも核心をずばっと突くせりふにニヤリとさせられます。日本語だと単なる冗談になってしまうことでも、英語だとそれがやけにスマートに映るんですね。ぼくもこういう会話を楽しみたいといつも思っています。
 うまく説明できないんですが、会話を楽しむっていうのは、楽しい話をするのとは意味が違うんです。言葉のキャッチボールを楽しむとでもいえばいいでしょうか。そんな会話ができる友人もいたんですが、そのひとは地方に引っ越してしまったので、たまにメールでのやりとりしかしなくなってしまいました。某レコード会社のひとともこれに近い会話をしていますが、お互いに皮肉を利かせてしまうので、ぼくがイメージしている会話とは少し違います。
 アメリカ人だとブランフォード・マルサリスとプロデューサーのマイケル・カスクーナがこのタイプですね。ただし、こちらの英語力が大幅に不足しているため、受け答えで楽しめる会話が成立しないところにもどかしさを感じています。
 こういう会話ができる友人・知人はなかなかできないものです。どういうひととならこういう会話ができるんでしょう? 何でもわかり合えるけれど、ちょっと距離がある関係。それと同世代であること。この辺にポイントがあるようです。
 あまり親しすぎてもだめだと思います。ちょっと遠慮をしながら、その遠慮を踏み越える瞬間を楽しむということでしょうか? 座談の楽しさというのが、ぼくのいいたいことに一番近いかもしれません。

 その面白さがスパイク・リーの映画には至るところで認められます。ストーリー自体はちょっとわからないところもありましたが、登場人物のせりふや会話がニューヨーク的で、こういう話ができたら羨ましいなぁと思わせられました。
 これは『シンデレラ・マン』のボクサーとマネージャー、それから『ミリオンダラー・ベイビー』のトレーナー同士の会話なんかにも認められました。冗談の中に知的なやりとりがあるんです。ただし、この「知的」なものも知性や教養ではなくてセンスなんです。
 翻ってみれば、自分は毎日いかに垂れ流しのようにしか言葉を発していないかということです。これからはもう少し気の利いた言葉を使ったり話をしたりしてみたいものです。なんていうことを、この映画を観てから考えていました。

e0021965_21402119.jpg そうそう、音楽はテレンス・ブランチャードが担当しています。このところニューオリンズに引っ込んでいてジャズの現場にはあまり出てこない彼ですが、すっかり映画音楽の色に染まっているようです。サスペンス映画向きの音楽をこの映画でも見事に作り上げていましたし。
 おそらく自宅のスタジオで録音したと思いますが、こういう仕事が性に合っているんでしょうか。それはそれでいいことなんですけれど、反面ちょっと寂しい気もします。ウイントン・マルサリスが回れ右をしてニューオリンズ・ジャズの継承に執念を燃やしているいまだからこそ、その穴を埋めてもらいたいんですけれどね。でも、人生いろいろですから、これはこれで素晴らしいと思います。
by jazz_ogawa | 2006-07-25 21:44 | 映画&DVD | Trackback(1) | Comments(4)
e0021965_1271173.jpg 忙中閑ありといいたいところですが、実際はまだ原稿に追いまくられています。それでも、今日とういうか、もう昨日になってしまいましたが、面白いことがふたつありました。
 ひとつはタレントの井川遥さんのラジオ番組『ANA SKY COMMUNICATION』(bayfm 78.0MHz)に8月のマンスリー・ゲストとして出演させてもらったことです。放送は8月の毎週土曜日(午前10時~11時)で、ぼくの出番は『ワールド・コミュニケーション』というコーナーで10時半過ぎから10分くらいです。これについては放送日が近づいたらきちんと紹介します。

 そしてもうひとつが、この間から気になっていた映画『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』の試写会に行ったことです。ラジオの収録が渋谷で8時からあって、試写会が同じく渋谷の「シネクイント」で9時半というのはグッド・タイミングです。
 収録が終わって映画館にかけつけると、ちょうど映画が始まったところでした。無駄な時間がないのは、せっかちで貧乏性のぼくにとっては、それだけで気分がよくなるものです。
 映画のストーリーをサイトから引用しておきます。

e0021965_1275863.jpg 1969年7月3日、イギリスのBBC放送はこう報じた。「ローリング・ストーンズのギタリスト、ブライアン・ジョーンズが自宅のプールにて死体で発見された、享年27歳」
 1963年のデビュー以来、世界最高の怪物ロックンロール・バンドとして君臨するローリング・ストーズの創始者であり、リーダーであったブライアン・ジョーンズ。その彼の死の謎を解くべく、10年以上に渡るリサーチを元に製作された今作。一体、ブライアンに何が起こったのか?
 カリスマ性を極めた絶頂期に「俺たちはビートルズになる気はない」と宣言し、ストイックに音楽を追求し始めたブライアンは、次第にバンドから孤立し、予想だにしない結末を迎える。
 他殺か? 自殺か? 事故死か? いまも語り継がれるブライアン・ジョーンズの「謎の死」。封印され続けた、ローリング・ストーンズ史上、最大のスキャンダルの真実が明らかになる!

e0021965_1281352.jpg ストーンズの中で、実質的に音楽の方向性を担っていたのがブライアンだと思います。曲を書いているのはミックとキースにしても、サウンド面やアルバムのプロダクションに関しては、ブライアンの意向が大きく反映されていました。
 そのあたりのことは以前「ONGAKUゼミナール」でも話しました。ブライアンとメンバーの目指すものが変わっていったことは、『サタニック・マジェスティーズ』や『ベガーズ・バンケット』あたりを聴けばなんとなくわかると思います。
 そのブライアンについて、この映画がどこまで真実に迫っているか。そこに興味がありました。映画はブライアンの音楽性にスポットを当てるというより、彼の死の謎を解き明かすことが主体になっています。それでも1960年代のカルチャーがふんだんに盛り込まれた映像は、その時代に気持ちを半分くらい置いてきてしまったぼくには興味深いものでした。

 それにしてもブライアンがストーンズにいた1960年代のデカダンは何て魅力的なんでしょう。まだ子供だったので、そういう世界は知りませんでしたが、もう7~8歳年が上だったら、もろに影響を受けていたでしょうね。
 ぼくが生きてきた56年間(正確にはまだ55年ですが)で、あれほど退廃的で、文化がいろいろな面と意味とで発展し変化を遂げた時代はなかったように思います。しかも、それは世界的な規模で起こっていたんですから、もう少し年が上だったら、その渦中に何とか身を置けたかもしれません。
 その時代のロンドンにもニューヨークにも行ってみたかった。とないものねだりをしても始まりませんので、あくまで憧れの異次元空間ということで想像力を張り巡らすことにします。

 で、映画はどうだったかといえば、上に書いたような興味はある程度満足させてくれました。ただし作品としてはちょっと? というところじゃないでしょうか? まあ、好みはひとそれぞれ。そしてこの映画がどんなに酷評されようと大絶賛されようと、そういう周囲の意見には関係なく、ぼくは観に行ったでしょうけれど。
 だって、ブライアンがテーマの映画なんて、二度と作られることはないと思います。それに、何より彼やストーンズが大好きなんですから。
by jazz_ogawa | 2006-07-21 01:32 | 映画&DVD | Trackback | Comments(9)
e0021965_045464.jpg 先日、渋谷の映画館で塙幸成さんが監督した『初恋』を観てきました。「3億円事件の犯人は女子高生だった」という、意表をつくストーリーの小説を映画化したものです。
 映画の中で主要な場所のひとつになるのが、新宿のジャズ喫茶「B」です。これは、新宿に実在した「ジャズ・ヴィレッジ」がモデルです。その店内の様子を再現したいということで、あるつてからぼくに相談がありました。

 1年くらい前でしょうか。監督をはじめスタッフのかた5~6名と渋谷の喫茶店でお会いしたんですね。ぼくの話を聞くだけなのにずいぶん大げさだなぁとそのときは思いました。プロデューサーや助監督や美術担当など、主要なスタッフがみなさんいらっしゃって、店内の様子を聞かれました。
 ぼくは高校のときから大学に入ってしばらくの間、「ジャズ・ヴィレッジ」にときどき行っていました。間取りや壁の感じ、来ているお客さんのタイプなどは、鮮明というほどではありませんが、そこそこ記憶に残っています。それで、そんなお話をしたんですね。
 映画の中のジャン喫茶は、ぼくのイメージとちょっと違っていました。当時はあんな風に会話ができませんし、登場人物の服装も人物像もジャズ喫茶にたむろしているタイプとは違います。あの感じは「風月堂」だよな、などと思いながら観ていましたが、大体において当時の風俗というか文化的な色彩はよく表現されていたと思います。

 塙さんは1965年生まれですが、当時のことをかなり調べたんじゃないでしょうか。以前観た『三丁目の夕日』もそうですが、1950年代や60年代を舞台にした映画を作るのは大変難しいと思います。その時代をリアルタイムで生きていたひとがたくさんいて、ああだこうだといわれるからです。でも、どちらの映画もちょっとした時代考証のあやまりはあるにしても、概ね良好だと思いました。
 ただしいつも気になるんですが、登場人物のタバコの吸いすぎはどうなんでしょう? ジャズ喫茶といえばタバコの煙がつきものですが、ちょっと気になりました。あのころだって、みんながこんなにタバコは吸っていなかったように思うのですが。
 主人公の女子高生がヘルメットをかぶらずにオートバイを疾走させますが、これはOKでしょう。当時、ヘルメットの装着は義務づけられていませんでしたから、これはこれで却ってリアリティがあります。

 ストーリーはこんな感じです。
 「高校生のみすず(宮崎あおい)は幼いころに親類の家に引き取られ孤独な日々を送っていたが、ある日、長く会っていなかった兄(宮崎将)が突然現れ、新宿の繁華街にあるジャス喫茶「B」のマッチを渡される。数日後、「B」を訪れたみすずは店内で兄を慕う仲間たちに出会う。アングラ劇団の看板女優や、デモに参加している作家志望の浪人生らのうち、みすずはランボーの詩集を読む東大生の岸(小出恵介)に引かれていく。そして岸に3億円強奪を持ちかけられたみすずは、彼の役に立ちたい一心で犯行計画に手を貸す」
 これは、1968年に東京・府中市内で3億円を積んだ現金輸送車が白バイ警官を装った男に車ごと奪われ、その後に時効となった実際の事件をテーマにした小説が原作です。
 このみすずとぼくはまったく同じ年です。ただし、彼女は本郷にある東大とおぼしき大学に入学するのですが、1969年は東大紛争で入試がなかったので、そのあたりはちょっと気になりました。

 この映画、試写会の案内が届いていたんですが、映画は映画館の大きなスクリーンで観たいというのがポリシーなので、我慢して公開まで待ちました。それで、実は2週間前にも新宿の映画館まで行ったのですが、そのときは希望する回が満員になっていて観られませんでした。それで今回の再挑戦となったのです。このときも滑り込みセーフでした。公開されてちょうど3週間が過ぎたのに、まだ満員ですから、小さな映画館ではありましたがまあまあいい成績ではないでしょうか。
 ぼくはまったく考えていなかったのですが、エンディング・ロールに協力者の名前がクレジットされていて、そこに名前が載っていたのは嬉しかったですね。実は撮影にも立ち会いたかったのですが、ジャズ喫茶のシーンを撮るのが10月で、そのときはストーンズやポールのライヴを観にアメリカに行っていたためかないませんでした。
 それで映画ですが、ほのかな恋心を芽生えさせた少女の気持ちが切なくて、ほのぼのとしたラヴ・ストーリーになっていました。こういう映画は嫌いじゃないです。元ちとせの主題歌もぼくは好きですね。
by jazz_ogawa | 2006-07-04 00:54 | 映画&DVD | Trackback(1) | Comments(10)
e0021965_1147196.jpg 話題の映画を観てきましたが、予想通り、いまいちの内容でした。理解力がどんどん乏しくなっているぼくなので、原作も読んでいたのですが、そのときも8割がたしかわかっていませんでした。どうも宗教関連は苦手で、そこがよくわからないままに読み進んでいたため、面白さが100パーセント理解できていなかったんですね。
 それで映画ですが、原作を読んでいてもその程度の理解力ですから、読まずに見ていたら何がなんだかよくわからなかったでしょう。映画は原作のストーリーを追うのが精一杯で、細かい説明がかなり省略されています。映画だけで作者のストーリーをきちんと伝えていたかどうか? 読まずに観たひとの感想はどうなんでしょう?
 宗教のところはよくわからないので、原作では謎解きの部分を楽しみながら読んでいました。映画ではその謎解きがあっさりと描かれていて、簡単に解けてしまう印象を受けました。そこが物足りなさを感じた最大の理由かもしれません。
 それと、原作でも感じたことですが、ものすごーく都合のいい形で登場人物が出てくるんですね。限られた時間しかなく、しかも命の危険にさらされている切羽詰った状況で、主人公は実に冷静沈着。それはエンターテインメントだからいいんですが、それにしてもすべてが都合よく運んでいってしまうところに、松本清張的なものを感じました。
 でも映画を観たことで、殺された館長の姿や聖杯などがヴィジュアル化されて、わかりやくなった効用はありました。ただ、もう少しダ・ヴィンチがいろいろなところに仕掛けた謎やヒントについての説明があれば、さらに楽しめたんですが。
 満員かと思っていたのですが、空席もありました。封切られて2週間なのに、ちょっと意外です。ぼくが行った六本木の「ヴァージン・シネマ」は全席が指定で予約できます。土曜の4時半ごろの回です。一番混みそうな時間帯ですが、隣の2席は空いていましたし(真ん中のかなりいい席)、ほかにもいくつか空席があったようです。

 あと、もうひとつ気になったのは字幕です。いつ、どういう風にして作ったんでしょうね。この映画、日本の配給会社のひとでも直前まで観れなかったんじゃないでしょうか? それとも、観れたのかなぁ。試写会はぎりぎりになって行なわれたんですよね。字幕を作ったひとは、かなり早い時点で観ていたんでしょうね。ま、どうでもいいことですが。

e0021965_11453619.jpg ところでこの話に出てくる「オプス・デイ」ですが、これは実在する団体で、マンハッタンのレキシントン・アヴェニュー243番地にあります。それで、当然のことながらそこにも行ってみました(右の写真)。というより、ぼくのアパートから近いのでしょっちゅう歩いていた場所なんですね。
 何気なくいつも歩いていたところですが、ここがそうだといわれれば、ひとの出入りもなく、ちょっと不気味な印象を覚えます。この中で、あの「肉の苦行」が行なわれているにでしょうか? でも、マンハッタンならどこにでもあるビルのひとつです。
by jazz_ogawa | 2006-06-04 11:52 | 映画&DVD | Trackback | Comments(8)
e0021965_10103650.jpg
 年末・年始にニューヨークで観そこなった『グッドナイト&グッドラック』を土曜日に観てきました。好きなジョージ・クルーニーが監督・出演していることと、テーマが興味深かったからです。
 いつものクルーニーが出ている映画とはまったく違います。マッカーシーの赤狩りが題材ですから、シリアスな内容なんですね。日本でもお笑いのひとが映画を撮ったり本を書いたりすると、シリアスなものになることが結構ありますよね。クルーニーがお笑いのひととは思いませんが、同じような印象を覚えました。
 クルーニーの父親はテレビ・ニュースのアンカーマンで、自身も大学で放送ジャーナリズムを専攻していました。ですから赤狩りは他人事ではなく、一般のひとより身近に感じられるテーマなんでしょうね。「マロー(マッカーシーを批判したCBS-TVの有名アンカーマンでこの映画の主人公)はぼくら父子の英雄だ」とクルーニーはいっているほどですから。

 アメリカはときどき妙なことをやります。禁酒法もそうでしたし、赤狩りもそうです。本人でなくても家族が共産党の集会に一度でも出ていただけで解雇されるなど、ほとんど公民権剥奪に近い状態にされてしまいます。20年前に参加していてもそうなんですから、自由を主張する国からは想像できません。まるで戦前の日本で起こっていたことが、民主主義を標榜するアメリカで、それも戦後に起こったのですから、アメリカ人のメンタリティはよくわかりません。
 赤狩りはときどき映画のテーマになります。チャップリンが赤狩りを逃れてスイスに移住するなど、ハリウッドの関係者に犠牲者が多かったからでしょうか? ジャズ界でも、ウエスト・コーストのミュージシャンやレコード会社のひとが犠牲になっています。

 映画は非常に面白く観れました。モノクロの映像が実写フィルムとリンクして重厚な雰囲気を醸し出します。鋭利な刃物のように切れ味が鋭く、しかも90分少々の長さですから緊張感も途切れません。テーマを絞っているため、話がコンパクトにまとまっていて、いい映画が観たなぁという気分になりました。
 ところどころにフィーチャーされる、ダイアン・リーヴスがコンボをバックに歌うシーンもよかったですね。モノクロの映像ということもあって、ジャジーな雰囲気がよく出ていました。ダイアンは貫禄がついて(大分前からですが)、ビリー・ホリデイみたいなムードを醸し出していました。20年くらい前に初めてインタビューしたときは可愛かったのに、いまでは風格十分です。お互いに年を取ったもんだと、スクリーンを観ながら妙に納得してしまいました。
e0021965_1016290.jpg ところで、ジョージ・クルーニーはジャズ・シンガーのローズマリー・クルーニーの甥っ子なんですね。ですから、ジャズ・ファンなんでしょう。そんな思いが、ダイアンをフィーチャーさせたのでしょうか? 彼女が歌うシーンはなくたっていいというか、必然性がないんですが、そこに思い入れがあるのかもしれません。ちなみにクルーニーがプロデュースしたこの映画のサントラ盤で、ダイアンはグラミー賞を獲得しています。

 あとは、やたらと登場人物が煙草を吸うシーンが気になりました。主人公のマローはヘヴィー・スモーカーで知られており、呼吸器系の癌で死んでいます。そのキャラクターを描くために強調したのかもしれませんが、それでも観ていて違和感を覚えるほでした。いくら放送業界のひとが煙草を吸うといっても、ちょっと吸いすぎです。そんなシーンを撮るのに、スタッフから苦情が出たんじゃないかと妙な勘繰りをしてしまいました。
 アメリカではどの業界でもユニオンが口うるさいですから、ぼくはこうしたシーンを撮るにあたって、制作側とユニオンの間で何らかの問題が生じたのではと勘ぐっています。だってぼくがスタッフだったら、この仕事やりたくないですもん。喫煙や福流煙を忌み嫌うひとは日本よりアメリカのほうが多いですしね。

 もうひとつにやりとさせられたシーンがありました。登場人物の中で社内結婚しているカップルがいるんですね。会社では社内結婚は禁止です。それで出社する際に、「奥さんがいることは誰にもいえない」とか何とかいうせりふがあるんです。すると奥さんが、「もうひとり秘密にしているひとがいるわ、エヴァ・ガードナーよ」と応じます。このあたりは、脚本も書いたジョージ・クルーニーのユーモアでしょう。シリアスな映画の中で、唯一にやりとした場面でした。
 人気絶頂だったフランク・シナトラは1951年にエヴァ・ガードナーと結婚し、54年に離婚しています。どこの芸能界も同じですが、人気者は結婚を秘密にします。映画は1953年ごろが舞台ですから、時代考証もなされています。こういう芸の細かいところがぼくは好きですね。

 さて、「ヴァージン・シネマ」の予約がうまく取れれば、今週末は『ダヴィンチ・コード』を観ようと思っています。
by jazz_ogawa | 2006-05-29 10:19 | 映画&DVD | Trackback(4) | Comments(9)
 渋谷の「UPLINK X」という映画館は、話には聞いていましたが、客席40という本当に小さなスペースでした。椅子も普通のものやソファーだったりと、適当にあるものを集めた感じです。誰かの家のホーム・シアターのような感じで、映像もDVDやビデオをモニター用のスクリーンに映し出す方式でした。
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 そこで観た『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』は、アトランティック・レコードの名エンジニアでプロデューサーだった人物のドキュメンタリーです。ぼくは何度も試写会を観にいくチャンスがあったのですが、映画は試写室ではなく大きなスクリーンで観たいと思っている派なので、時間帯もなかなか合わなかったこともあり、行かず仕舞いでした。しかし試写会もスケジュールが空いている時間に「UPLINK X」でやっていたので、同じことだったんですね。その場所に行って初めてわかりました。

 それはそれとして、この映画です。アトランティックは、もともと《レイス・レーベル》といって、黒人音楽を専門にしていたマイナー・カンパニーです。レイスというのはraceのことで、人種の意味です。その点では、ブルーノートもプレスティッジもみんなレイス・レーベルです。
e0021965_1122077.jpg ところがアトランティックはソウル・ミュージックから始めて、やがてジャズも扱うようになり、その後はクリームやレッド・ツェッペリンなどのロックにも進出してメジャー・レーベルになっていきます。トム・ダウドはその初期のころからかかわっていました。
 彼はある意味で天才少年だったのでしょう。アトランティックにかかわる前から、マンハッタンにあるスタジオで働き、15歳のときにそのスタジオでエンジニアを任されていたなんていうエピソードが出てきます。また物理学をコロムビア大学で専攻し、「マンハッタン計画」で日本に落とす原子爆弾の開発に参画していたという話も紹介されました。
 しかしトム・ダウドは根っからの音楽好きです。戦後も継続されていた原子爆弾の開発に短期間かかわったのち、いよいよ本格的にエンジニアの仕事を始めます。そんなときに声をかけてくれたのがアトランティックでした。
 アーメットとネスヒのアーテガン兄弟が立ち上げたレーベルがアトランティックです。この兄弟はトルコの駐米アメリカ大使の息子で、熱狂的な音楽ファンが高じてレーベルを設立しました。アメリカ人より外国のひとのほうがアメリカの音楽をきちんと評価しているのは、日本人にジャズ・ファンが多いのと同じでしょう。
 彼らの耳は的確で、地方のマイナー・レーベルからレコードを出していたレイ・チャールズと契約し、その後はオーティス・レディングやアレサ・フランクリンをスターに育て、やがて英国のロック勢と手を結びます。それらの音楽にさまざまな形で深くかかわっていたのがトム・ダウドでした。
 トム・ダウドには才能もありましたが、その才能が生かせる時代と場所にいたんでしょう。あるいは、トム・ダウドの才能があったから、時代も場所も生まれたのかもしれません。このあたりは、ブルーノートのアルフレッド・ライオンと似ています。

 ぼくは20年くらい前に、トム・ダウドとアーメット・アーティガンにインビューしています。すでに業界で超大物になっていたふたりですが、話を始めるとそういう立場を忘れて音楽好きの本領を発揮してくれました。
 なるほど、こういう熱狂的な音楽ファンがいたからこそ、ミュージシャンも信頼していい作品を作ろうと発奮したんだなと、よーくわかりました。まったくアルフレッド・ライオンと同じです。こういうひとが1950年代や60年代には業界にごろごろいたんでしょうね。たまたまアトランティックやブルーノートは成功して後世に名を残すことになりましたが、ビジネス的にうまくいかず消えていったレーベルはゴマンとあります。そうしたレーベルにかかわっていたひとたちの熱意も同じようなものだったのでしょう。
 当時、トム・ダウドはフロリダに移り住み、クライテリア・スタジオでエンジニアをしていました。それで、インタビューした数年後にたまたまフロリダに行くことがあり、彼に連絡をしました。ところが、このときは何10年ぶりかのハリケーンがフロリダを襲い、知事が全市民に退去勧告を出す騒ぎに巻き込まれてしまい、結局会えずに終わってしまいました。トム・ダウドもすぐに退去しなければといいますし、ぼくたちもレンタ・カーで命からがら逃げ出したことを覚えています。
 その後は結局一度も会えず、トム・ダウドは3~4年前に亡くなりました。もっといろいろな話が聞きたかったので心残りです。やはり一期一会という言葉は忘れずに、出会いを大切にするべきなんでしょうね。
 でもぼくの心には、ちょっと偏屈だけど音楽が好きで好きで仕方がない人物のイメージが永遠に残っています。おこがましいですが、ぼくと音楽に対する思いが非常に似ていました。そんなところに親近感を覚えたのだと思います。
by jazz_ogawa | 2006-04-16 11:27 | 映画&DVD | Trackback(4) | Comments(14)
 ジョニー・キャッシュは1960年代末に好きになったカントリー・シンガーです。当時、彼が所属していたレコード会社は米コロムビアです。米コロムビアのレコードは日本コロムビアから発売されていました。しかしソニーが米コロムビアと契約を結んだことから、CBSソニーというレコード会社が設立されました。これがソニー・ミュージックエンタテインメントの前身ですね。
 日本コロムビア時代、米コロムビアのポピュラー系作品はきちんとした形であまり出されていませんでした。ロック系はほぼ全滅に近い状態で、ボブ・ディランやバーズなんかも日本編集盤が優先されていたように記憶しています。
 当時のロック・ファンはシングル盤を中心に買ったり聴いたりしているほうが多かったので、それでよかったのでしょう。ところがCBSソニーは、アルバム単位でのプロモーションに力を入れました。ディランやバーズはすべて米オリジナル盤と同じものが日本盤で順次発売されるようになったのです。
 そうしたリリースの中にジョニー・キャッシュのレコードも含まれていました。カントリーの世界では大物だった彼ですが、ぼくは「ディランのカントリー版」という認識で彼のレコードに出会いました。
e0021965_11371595.jpg 最初に買ったのが『アット・フォルサム・プリズン』です。当時のレコードが手元にあります。邦題は『監獄の唄』となっています。その帯には「話題集中!! フォルサム監獄でのナマ録音!!」とキャッチコピーが書かれています。
 その次に買ったのが『アット・サン・クエンティン』です。こちらも刑務所での実況録音盤だったので、ぼくはジョニー・キャッシュのことを、てっきり監獄慰問をする専門のシンガーかと思っていました。
 しかし、ディランのカントリー版と思って聴き始めた彼の歌にはすぐに魅了されました。どすを利かせた低音のヴォーカルが何とも言えない哀しみやアウトローのイメージを抱かせたからです。

 このフォルサム監獄でのライヴをひとつのハイライトにした映画が、昨日観た『ウォーク・ザ・ライン』でした。ジョニー・キャッシュのキャリアの前半部分が、彼の内面を掘り下げて丁寧に描かれていました。
 音楽映画の常で、ドラッグ問題と愛憎劇がこの作品でも中心になっています。それらを通して、自身の苦悩と、それを超えてやがて進むべき道が見えてくるまでをたどった内容の映画です。
 音楽ファンのぼくとしては、どうしてもあちこちに登場してくるステージのシーンが気になります。サン・レコード時代にプレスリーやジェリー・リー・ルイスたちとパッケージ・ショウであちこちを回るシーンは興味深く観ました。
e0021965_11391613.jpg プレスリーはちょっとイメージが違って、若いときはもっと美少年で、かつちんぴら然としていたように思います。でも、ジョニー・キャッシュ役のホアキン・フェニックスは好演です。若いときの彼にそっくりな仕草は、かなり研究したのでしょう。この間、偶然フォルサム刑務所にジョニー・キャッシュが出たときの記録フィルムを観たのですが、それがうまく再現されていました。
 最近の映画は、『Ray』にしろ『ビヨンド・ザ・シー』にしろ、役者が本人のことをかなり研究しているようです。日本ではあまり話題にならなかったのですが、『ビヨンド・ザ・シー』のケヴィン・スペイシーなんか、ボビー・ダーリンにそっくりでした。

 若いときのジョニー・キャッシュは、異論はあるでしょうがジョー・ペシに似ています。ぼくはずっと以前からそう思っていました。映画ではその時代を中心にホアキン・フェニックスが演じていたわけですが、彼とジョー・ペシは似ても似つかないのに、ちょっとした表情がジョー・ペシ的だなと密かに思いながら観ていました。
 この映画でアカデミー賞「最優秀主演女優賞」を受賞したジューン・カーター役のリーズ・ウィザースプーンも、アカデミー賞に値する演技かどうかは別にして、歌う仕草が本人によく似ていました。
 そして映画では、ふたりが吹き替えなしで実際に歌っていることにも驚かされました。ホアキン・フェニックスの男性的な歌いっぷりはジョニー・キャッシュそっくりです。ぼくは1980年代に一度だけ彼のライヴを観ましたが、そのときの様子が彷彿とされるほどの出来映えでした。

 最近はいい映画音楽が多くなってきました。ただしドラッグと女性問題が常につきまとっていますが、これは避けて通れないことなので仕方がないでしょう。
 今後公開される予定の映画では、ドキュメンタリーですが『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』が楽しみです。トム・ダウドはアトランティック・レコードのエンジニア/プロデューサーとして活躍したひとで、ぼくが大好きなサザン・ソウルの大物たちの作品も手掛けています。映画の『Ray』にも、スタジオ・シーンで役者が演じるトム・ダウドが何度も出ていました。
 試写会の招待状が来ていたのですが、スケジュールが合わず行けませんでした。でも映画は試写会室で観るより、「映画館のビッグ・スクリーンで観る派」なので、どうせ映画館にも行くつもりでしたから、公開を楽しみに待つことにしましょう。
by jazz_ogawa | 2006-03-12 11:44 | 映画&DVD | Trackback(4) | Comments(7)
 昨日は1枚も原稿を書かずに過ごしました。何をしていたかと言えば、昼からサッカーの日本VSアメリカ戦、その後は遅ればせながら「THE 有頂天ホテル」を六本木で観て、夜はオリンピック観戦の一日でした。

 サッカーは大人と子供の試合でしたね。まるで歯が立ちません。とくに前半はほとんど攻められっぱなし。こういう展開は、いつもだと日本が得意にしているんですどね。でも、日本はいつも攻めに攻めてもほとんど点が取れません。しかし、アメリカは攻めただけちゃんと点を取ります。これが実力差でしょう。
 それといつも思うことですが、サッカーの解説者って、どうして楽天家ばっかりなんでしょうね? 前半に2点取られても「まだ時間はたっぷりあります」と期待し、2点差で残り時間10分になっても「引き分けの可能性はありますから」と言います。
 たしかにそうでしょうが、ぼくは2点取られた時点で、「こりゃ大変だ」と思いましたし、3点目が入るとっくの前から、というより、試合が始まってすぐに「もう勝てん」と思いました。
 解説者だからネガティヴなことは言えないのでしょうが、「まだ大丈夫だから」と言って国際Aマッチで逆転勝ちした試合を観た記憶がほとんどありません。ぼくなんかネガティヴ・シンキングですから、1点取られたら、「これから2点取れるだろうか?」とか、「2点取れても、向こうがあと1点取ったら、3点入れるのは絶対に無理だ」などと考えてしまいます。
 サッカー解説者の「まだ大丈夫」から始まって最後は「残念でしたね」という経過を耳にして、いつも思い浮かべるのが高田渡の「値上げ」という歌です。これは総理大臣の答弁を皮肉ったもので、最初は「値上げは全然考えぬ」と断言するのですが、徐々に「年内、値上げは考えぬ」、「当分、値上げはありえない」、「極力、値上げはおさえたい」と来て、「すぐに値上げを認めない」、「値上げはさけられないかもしれないが、まだまだ時期がはやすぎる」、「近く値上げもやむおえぬ」、そして最後は「値上げにふみきろう」と、考えが変わっていく様を歌ったものです。なんだか、解説者の言葉がこれに似ていて、いつも苦笑してしまいます。
 でも、サッカーは面白いですね。中学のときにサッカー部に入っていて、そのときに足首を骨折してクラブ活動を断念しました。整形外科を選んだのも、そのときの入院・手術の体験が影響しています。

e0021965_11383240.jpg 「THE 有頂天ホテル」は面白かったです。こういう面白い映画に細かいことを言っても無意味でしょう。細かいギャグの集積でひとつのストーリーが出来上がっているような映画で、よくこれだけグシャグシャな話がうまく纏まったと思います。三谷幸喜の真髄見たりですね。オールスター・キャストの配役も見事で、どれひとりをとっても十分主役になれるキャラクターを持っています。ただ、こういうホテルに泊まったら疲れるだけでしょうがね。

e0021965_11401148.jpg 帰りに六本木駅の上にある「あおい書店」を覗きました。このブログでお馴染みのヘヴィメタ嬢が編集を担当した『ジャズのたしなみ方』と『マンハッタン・ジャズ・カタログ』がポップつきで平積みになっているというので、ついでに立ち寄った次第です。このヘヴィメタ嬢、優れた編集者にして、影の営業部長(ぼくがそう呼んでいるだけですが)でもあります。
 非常に熱心に書店を廻っては、ぼくの本を営業してくれているんですね。いまでは営業部のひとから営業についてを聞かれるほどですから、影の営業部長と呼んでもいいでしょう。左の写真のポップも彼女の手作りです。有難いことです。

 オリンピックの開会式にヨーコさんが出てきたのにはびっくりしました。ビートルズ時代のヨーコさんの姿には、理由もなくちょっと恥ずかしい思いをしていました。多分、多くの日本人がそう感じていたことでしょう。
 しかし、ジョンと結婚して、それから長い時間が過ぎて、いつの間にかヨーコさんの行動や言動に、同じ日本人として誇りを感じるようになりました。そして昨日は、全世界のひとびとが観ている前で堂々と平和を訴える彼女の力強い言葉に感動したんですね。
 そのあとのピーター・ゲイブリエルが歌う「イマジン」もよかったですが、そこにもしポールが立って、ジョンの「イマジン」を歌ったらなどんなに素晴らしかったでしょう? 歌で世界が変わるかどうかはわかりません。しかし、確実にひとの心は動かせます。それもポールが「イマジン」を歌えばなおさらです。
 ふたりの間、そしてヨーコさんも含めた3人の間に横たわる微妙で修復し難い思いも、それで払拭されるのではないでしょうか? これこそ平和を象徴するシーンになると思いました。
 そう言えば、「THE 有頂天ホテル」の中で香取慎吾が歌う自作の曲によって、佐藤浩市扮する国会議員が自殺することを思いとどまります。これはフィクションの世界ですが、それに近いことって現実にあると思います。

 今日はまったく脈絡のない話ですいませんでした。
by jazz_ogawa | 2006-02-12 11:46 | 映画&DVD | Trackback(2) | Comments(11)
2005-12-29 「SAYURI」と「MUNICH」
 ニューヨークに来て2本映画を観ました。ひとつは原題が「MEMOIRS OF A GEISHA」の「SAYURI」で、もうひとつがスピルバーグが監督した「MUNICH」。
 「SAYURI」はわざと日本では観ずに、こちらで観ようと思っていました。アメリカ人の反応を知りたかったからです。どうなんでしょうね? 冒頭のSAYURIが置屋に売られていくところまでの会話はすべて日本語で、字幕もありません。英語のナレーションで説明はつくのですが、口減らしのために貧村の少女が売られていくのかがどこまで理解されるかなと思いました。その後も芸者とか置屋のシステムが、いろいろな形で説明されていき、観おわったら説明が中心のような印象を受けました。
 日本人のメンタリティがある程度わかっていないと、不思議な話としか思われないかもしれません。しかしある種のファンタジーと考えれば、ストーリーやその裏にあるメンタリティを描くのではなく、観た目の美しさやエキゾチックなところがとても面白いとは思いました。絶対日本人には作れない映画ですから、これはこれで楽しめました。

 ただ、登場人物のドラマが少ないところにぼくは物足りなさを覚えました。テーマがアメリカ人には理解しにくいのでは? と思ったんですね。たまたまぼくの隣にはアメリカ人の年取った女性3人組がすわっていました。彼女たちが、ときどき「ホゥ」とか「フーッ」とか「クスクス」とかやるのですが、そういうときは筋書きよりシーンの美しさとか、ドラマチックな場面展開とか、そういうところが多かったようです。
 反対のこともきっと言えるでしょうね。日本で洋画を観ているぼくたちのことです。同じようなことをアメリカ人や外国のひとも感じているかもしれません。映画とか音楽とか美術とか文学とか、そういうものってひとぞれぞれ、もっと大雑把に言えば国それぞれで感じ方が違うところが面白いですね。

 でも、映画の内容はいまいちでした。ストリーが淡々としているというか、これだけの登場人物を与えられたら、こんな展開もできる、あんな展開もできる、といくつかのストーリーがすぐに思い浮かびました。将棋の駒を沢山持っているのに、うまく使いこなせないもどかしさとでも言うんでしょうか。
 渡辺健の役も、キャラクター不足というか、ありきたりの範囲で終わっていました。「LAST SAMURAI」のインパクトが強かったので、あれと比べてしまいます。それから、これは彼だけでないのですが、大半のひとのせりふがギクシャクしていて、無理してやっている英語劇を観ている錯覚に捉われました。
 英語のことはぼくだってわかりませんが、外国人が外国訛りで英語を話しても、アメリカに住んでいるひとの英語とそうでないひとの英語の違いって、なんとなくわかるものです。
 たとえば、ヨーコさんの英語です。彼女の発音は決してネイティヴなものではありません。どこからどう聞いても日本人が話す英語です。しかし聞いていて、とてもスムースに耳に入ってきます。そんな英語を渡辺健にも桃井かおりにも求めはしませんが、だからこそ英語劇のように聞こえてしまったことも仕方がないでしょう。

 同じ外国人の英語でも、「MUNICH」に出てきたひとたちの英語は、彼らがアメリカに住んでいるひとかどうかは知りませんが、タイプ別にわけるならヨーコさんの英語でした。この映画、日本ではこれから公開だそうです。1972年のミュンヘン・オリジピックで起こったパレスチナ・ゲリラのイスラエル選手団殺害に対する報復劇です。e0021965_23125077.jpg
 これは「SAYURI」とは正反対で、イスラエル人とパレスチナ人との関係がぼくにはいまいち理解できていないので、映像から受ける衝撃やストーリー展開はわかったとしても、スピルバーグが訴えたかったことは理解できているとは思いません。人種間の抗争が何とばかげたことかというだけならぼくにもわかりますが。
 しかし、宗教感や国家のことや人種のことなどまで含めて考えてしまうと、残念ながらぼくには別世界の話で終わってしまいました。これも映画的なファンタジー(ファンタジーと呼ぶにはあまりに悲惨な内容ですが)=どこまで行っても脚色された作りもの、ということなんでしょうか。ニューヨークに住むジューイッシュはこの映画をどう観ているのでしょう?

 最後に、個人的なことでびっくりしたシーンがありました。ラスト・シーンです。ブルックリンに移住した主役の諜報部員が、ブルックリン側からマンハッタンを望みながら、上司と話す場面が出てきます。向うにはマンハッタンのビル群が映し出されます。そこに、ぼくのアパートが出てきたんですね。それも何度となく出てきました。
 ぼくのアパートは38丁目のファースト・アヴェニューに面していて、イースト・リヴァーのすぐ近くです。ですから、ブルックリン側から見ると一番手前に近いところに建っています。そのポイントから自分のアパートを観たことはありませんが、映画に出てくると不思議な感じですね。映画の内容とはまったく関係なく、嬉しい気持ちになりました。DVDが出たら絶対に買います。

 ニューヨークはクリスマスが終わった途端に、ニュー・イヤーズ・イヴの話題でもちきりになりました。いまや、全員がニュー・イヤーズ・イヴに向かって日々を過ごしている感じです。ニュースでもタイムズスクエアのカウントダウンの話が繰り返し流されていますし、夜のトーク・ショウでももっぱらその話題で盛り上がっています。おとといは「Late Night With Conan O'Brien 」にビリー・ジョエルが出ました、昨日は「The Tonight Show With Jay Leno」にブライアン・ウィルソンが出ました。この時期、テレビにも目が離せません。
 今晩は「The Jazz Gallery」にロイ・ハーグローヴ・ビッグ・バンドを観に行く予定です。
by jazz_ogawa | 2005-12-29 23:23 | 映画&DVD | Trackback | Comments(2)
 話題の映画『シンデレラ・マン』、観てきました。ボクシング好きのぼくとしては、『ロッキー』以上に迫力あるシーンにまずはびっくり。ジムでパンチング・ボールを打っているラッセル・クロウも見事です。
 内容も感動的。ただしストーリーとしては結末がわかっているだけに、テレビで各界のひとがべた褒めしている宣伝ほどは感動しませんでした。たしかにいい映画ですが、テレビで映画監督や演出家や歌舞伎役者が大絶賛しているほどの映画かと言えば「?」です、ぼく的には。感動に鈍くなってきたのかもしれません。そうだとちょっと困りますが。

 実在のボクサーをテーマにした映画では、マーチン・スコセッシとロバート・デニーロによる『レイジング・ブル』がよかったなぁ。それからテーマは違いますが、去年のアカデミーを取った『ミリオンダラー・ベイビー』のほうが内容に重みはあったよなぁ、などと考えながら帰ってきました。

 しかし昔のマジソン・スクエア・ガーデン(現在はFIT=ファッション・インスティテュート・オブ・テクノロジーになっています)の入り口が正確に再現されていたり、ラッセル・クロウの顔つきが好きだったり、ボクシングのシーンが見応えあったりと、多分ほかのひととは違うところでぼくには満足な映画でした。
 それからマネージャー役のポール・ジアマッティ、彼がよかった。演技もさることながら、アイリッシュのボクサーである主人公に向かって「ダニー・ボーイ」を歌う演出。こういうところにニヤリとさせられます。「ダニー・ボーイ」と言えば、『メンフィス・ベル』でハリーコニック・ジュニアが歌った「ダニー・ボーイ」が最高でした。話が脱線しました。
 『シンデレラ・マン』は家族愛がテーマですが、ぼくはむしろマネージャーとボクサーの男の友情にほろりときたかなぁ、さりげなく表現されていましたが。

 ところでこの映画もそうですが、最近は六本木の「ヴァージンTOHOシネマズ 六本木ヒルズ」で映画を観ることが多くなりました。家から割に近いことと、ネットでチケットの予約ができる利便性に満足しています。
e0021965_3582855.jpg このVITというシステム、もう知っているひとも多いでしょうが、座席が指定で、予約をしておけば確実にすわって観られるというのがいいですね。あと、カードを作ればマイレージ・プラスみたいなものがあったり、6本観ると1本がただになったりとか、いろいろ特典があるみたいです、よくは知りませんが。

 興味がある方はhttp://www.tohotheater.jp/vit/index.html、「ヴァージンTOHOシネマズ」はhttp://www.tohotheater.jp/theater/roppongi/index.htmlをクリックしてみてください。
by jazz_ogawa | 2005-09-18 23:54 | 映画&DVD | Trackback | Comments(5)
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