このところ映画館に行っていなかったので、昨日は気分転換も兼ねて渋谷の「シネマライズ」に行ってきました。前日に友人のお通夜があって落ち込んでいましたし。この映画、友人(もちろん別の)が観たいというのでついていっただけですが、結構楽しめました。典型的な「オバカ」映画ですが、いまのぼくにはよかったかも。
何の予備知識もなかったので、最初からファッツ・ウォーラーの話が出てきたことにびっくりです。彼の存在が映画の重要なポイントになっていると思うのですが、それはぼくがジャズ・ファンだからでしょう。トップの写真はこの映画のチラシです。でも、裏に書かれている内容紹介にもいっさいファッツ・ウォーラーのことは触れられていません。
触れないのはメインのストーリーとあまり関係ないからでしょう。でも大切な部分でもあるんですが・・・。
ストーリーは、ビデオ・レンタル店の店員とその友人が勝手に有名映画をリメイクし、それを貸し出したところ大受けになり、次々と映画を作っていくというものです。それで著作権侵害の問題が生じ、最後に地元のスターだったファッツ・ウォーラーの伝記映画を街のひとたちと一緒に手作りするという話です。
ニュージャージーのナントカという街にあるそのレンタル店が、オーナーによればファッツ・ウォーラーの生家で、その建物が再開発のために取り壊されるという話が同時に進んでいきます。でも、生家というのはオーナーのついた嘘だったんですが。
ところが、街中のひとが、親から聞いた話とか目撃談なんかをその映画の中で証言するんですね。嘘なのに、それがいつの間にか真実みたいに広がっていくことって結構あるじゃないですか。嘘をついているうちに、その本人が本当のことだと錯覚してしまうようなこととか、ね。で、ファッツ・ウォーラーの生まれはニューヨーク市ですから、誰かが調べればわかるんですが、誰もそんなことはしません。夢を壊してはいけないってことです。
レンタル店店員マイク(モス・デフ)の友人でトラブルメーカーのジェリーを演じたジャック・ブラックが、ファッツ・ウォーラー役を演じたくて、顔を黒く塗ってウォーラーのトレードマークだった帽子を被り、「自分がその役やりたい」と立候補する場面があります。これがそっくりで笑えるんですが、「黒人じゃないからダメ」と黒人のマイクに却下されてしまいます。ほんの短いシーンですが、ジャズ・ファンのぼくには、こういうの、堪りません。
ジャック・ブラックといえば、『ハイ・フィデリティ』にも出ていましたよね。かなり前の映画ですが、あのときと見た目が変わっていません。このひと、やっぱり不思議です。
ダニー・グローヴァーとかミア・ファーロウとかシガニー・ウィーバーとかが出ているのもよかったです。でもシガニー・ウィーバーはちょっと年取っちゃったなぁという感じでした、当たり前ですが。『エイリアン』や『ワーキング・ガール』の彼女は好きだったのに、うーん。
明日からはニューヨークです。とりあえず機内上映の映画が楽しみです。で、このブログもいつものように食事ブログになりますので(たぶん)、よろしく。