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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


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「3月文化講演会」@神戸
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2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの
2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_1133149.jpg
 日本では報道されなかったかもしれませんが、11日に高名なジャッズ・フォトグラファーのウィリアム・クラクストンがロスの病院で亡くなりました。ジャズ・フォトグラファーといえばブルーノートのフランシス・ウルフが有名ですが、彼を東海岸の横綱だとすれば、西海岸の横綱がクラクストンです。
 パシフィック・ジャズの創立時からジャケット写真の多くを担当し、1960年代にはファッション写真にも進出し、こちらはポップな感覚で独特の作品を多数生み出しました。中でも奥さんをモデルにした(モデルを奥さんにしたのかもしれませんが)写真が有名です。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11332712.jpg
 奥さんが手にしているジャケットは、自身がモデルになったルー・ドナルドソンの『ミスター・シンガリング』(ブルーノート)ですが、有名な『アリゲイター・ブーガルー』も彼の手によるものです。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11333995.jpg
 このジャケットですね。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11335140.jpg
 パシフック・ジャズのジャケットにはこんなものがあります。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11342568.jpg
 クラクストンをテーマにしたドキュメンタリー映画『JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ』(監督:ジュリアン・ベネディクト)の公開に合わせて日本で彼の写真展が開催されたのは2001年のことでした。そのときのインタヴューを以下に紹介して、彼の冥福を祈りたいと思います。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_113518.jpg
 この世界に踏み込んだきっかけから話そうか。「ヘイグ」にジェリー・マリガンが出演したときのことだ。1951年だった。東海岸からロスに彼は移ってきて、カルテットを結成したんだよ。チェット・ベイカーが加わったピアノレスのカルテットだ。ジャズ・ファンだったわたしはまだUCLAの学生で、写真で生計を立てようと考えていた。

 それで彼らの写真を撮ろうと思ったんだね。父親の車を借りて、機材一式と助手を乗せて「ヘイグ」に行ったんだ。事前に交渉なんかしていないから、店に乗りつけて初対面のマリガンに写真を撮らせて欲しいと頼んだのさ。彼は気難しいところもあるんだけれど、このときは気さくにOKしてくれた。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11351758.jpg それで演奏中の写真やバック・ステージの写真を撮っていたら、ひとりの青年が自己紹介してきた。それがリチャード・ボックだった。パシフィック・ジャズのオーナーになるひとだ。もうすぐレコード会社を作ってマリガン・グループのレコーディングをする予定だっていうじゃないか。それで、その日の写真をジャケットに使わせて欲しいという依頼だった。こちらとしては願ってもないことなんで、その場でOKしたよ。結果として、これが最初の仕事になった。ギャラはたいしたことがなかったけれど、当時の学生には悪くなかった。“ヤッタネ”という気持ちだったよ。それからパシフィック・ジャズで仕事をするようになったんだ。

 このときにチェットとも知り合って、彼とは公私共によく付き合った。チェットは上の歯が一本欠けていたんだ。笑うと漫画のグーフィーみたいだった。だからわたしたちの間ではグーフィーって呼ばれていた。歯が欠けていたのは本人も気にしていたんだろうね。当時の写真で笑っているのはほとんどないんだよ。ウエスト・コースト周辺で演奏すときは、よくわたしの車で店まで行ったっけ。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11354068.jpg わたしはガーシュインやコール・ポーターなんかが書いたいわゆるショウ・チューンが大好きで、車の中ではいつもラジオでそういう曲を聴いていた。チェットはあんまりそういう曲を知らなかったけれど、車の中でそれらのスタンダードを沢山覚えたんだよ。彼は耳が良かったから、大抵の曲は一度か二度で覚えてしまった。彼がヴォーカル・アルバムを初めて吹き込んだときは、だからわたしの車の中で覚えた曲ばかりがレパートリーになっていた。

 それにしてもチェットは女性にもてたね。2時間か3時間毎にガール・フレンドが変わっていたっていうのはオーバーにしても、本当にいつも違う女性とつき合っていた。だからマリガンのグループから独立したときは、ピアニストのラス・フリーマンがマネージャーも兼ねて彼のグループに参加したんだ。チェットは自分じゃビジネスのことは何もできなかったからね。女性のことで忙しかったし(笑)。

2008-10-19 W. クラクストンが遺してくれたもの_e0021965_11355524.jpg ジャケット写真で面白かったのはソニー・ロリンズの『ウェイ・アウト・ウエスト』だ。ソニーがカウボーイの恰好をしているヤツだよ。あれは彼のアイディアだった。ソニーは無類のウエスタン映画ファンでね。一度ああいう恰好がしたかったらしい。それで貸衣装屋に行ってカウボーイの服を一式借りてあの写真を写したのさ。黒人のカウボーイなんて実際はほとんどいなかったから、ひょっとしたら物議をかもすかな? とも思ったけれど、そんなことはなかった。あれは「タイム」や「ニューズウィーク」でも紹介されて概して好評だったね。

 クラクストンは気さくで、いかにも「西海岸のひと」といった印象を覚えました。だから多くのミュージシャンと気が合い、信頼されていたんでしょう。そんな彼の冥福を心からお祈りします。
by jazz_ogawa | 2008-10-19 11:37 | 愛しのJazz Man | Trackback | Comments(12)
Commented by yuricoz at 2008-10-19 15:43
奥さん、かっこいいいいい!!自分のスタイルをもって、それを持続している人ってかっこいいというか素敵ですね♪
話は、変わりますが、ウィントンマルサリスとスヌーピーの共演のアルバムはお持ちですか?
Commented by jazz_ogawa at 2008-10-19 17:15
yuricozさん、クラクストン夫人は30年以上前の写真とイメージがまったく同じでしたね。最初に彼女を見たときはタイムスリップしたかと思いました。
ウイントンとスヌーピーって、共演作品ではなくてウイントンがスヌーピーの曲をやったアルバムのことですか? それならぼくがライナーノーツを書いているんですが。
Commented by kiku at 2008-10-19 22:11 x
小川さん、こんばんは。
僕もウィントンの『JOE COOL'S BLUES』持ってます。子供の頃から「ピーナッツ」が好きで、はずかしながら未だに思い入れが強いままです。娘と一緒にDVDを観たり、サントラを買ったり、輸入コミックスを通販で取り寄せたりしています。
「スヌーピー」は子供向けアニメなのにBGMがジャズで洒落た雰囲気を醸し出しているのが子供の頃から大好きでした(もちろん当時はジャズなんて知る訳もないですが)。 それが今ジャズを聴いているきっかけのひとつになっていることは間違いないです。
Commented by jazz_ogawa at 2008-10-19 23:50
kikuさん、スヌーピーの音楽はジャズ・ピアニストのヴィンス・グァラルディが担当しているので、ジャズっぽいのが多いですよね。
ところでストーンズの『サタニック~』ですが、3Dジャケットもできるだけ再現する方向で進んでいます。
Commented by yuricoz at 2008-10-20 11:48
小川さんが書いてたんですか!!私が見たところでは、堂々と共演と書かれていて。笑
kikuさんのお持ちのアルバムです!!さすがっ、kikuさん♪
→ http://www.snoopy.co.jp/archives/timeline/1989.html

Commented by jazz_ogawa at 2008-10-20 14:07
yuricozさん、そうなんです。ぼくが書いているんですね(笑)。
Commented by kiku at 2008-10-20 19:33 x
小川さん、こんばんは。
僕が初めて『サタニック~』のLPを買ったときはもう廉価盤になっていて、3Dでもなんでもなくジャケに直接写真が印刷されたものになってました。今回やっと念願が叶いそうです。ついでに3DでLPも出して欲しいところですが欲張ってはいけませんね。
それから、初期の5枚はモノラル音源が使用されるそうです。途中で企画変更にならずに発売になることを祈ります。
Commented by esra at 2008-10-20 19:45 x
奥様、とてもスタイル良くてかっこいいですね。
亡くなっていたとは知りませんでした。
ご冥福をお祈りいたします。
Commented by jazz_ogawa at 2008-10-20 23:35
kikuさん、そのうちLPも出してくれるように頼んでみますね。ぼくのコレクションも増やせますし。
Commented by jazz_ogawa at 2008-10-20 23:38
esraさん、奥様は、ほんと、昔のまんまでした。
Commented by kiku at 2008-10-21 21:51 x
小川さん、LP期待してます!
Commented by jazz_ogawa at 2008-10-21 23:40
kikuさん、期待しないで待っていてください(笑)。
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