相変わらずいろいろなボックス物を買っていますが、最近出たものの中で一番出来がいいボックスはレッド・ツェッペリンの『Definitive Collection Of Mini-LP Replica CDs』(右)でしょう。これ、ボックスのほかにアルバム単体でも発売されていますが、買うならボックスです。だっておまけがマニアックです。
紙ジャケットの出来もグッドでした。前回出たときはアメリカ盤の紙ジャケット化でしたが、今回はオリジナルのイギリス盤です。コーティングや紙の質感もいいです。
デビュー作『レッド・ツェッペリン』のオレンジ・インク・ジャケットが入っているのも嬉しいじゃないですか。当然、帯も2種類。ポリドールから出た国内初回盤の帯が復刻されています。ツェッペリンは3枚目までがポリドールから発売されていましたので、そこまでは帯もポリドールのものです。前回はワーナーから再発されたときの帯でしたから、これもグレード・アップされたと考えていいでしょう。内袋とレーベル・デザインも英国盤に準じています。
それともうひとつ、『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の別ジャケットが5種類ついているのも画期的です。アナログ盤時代に全部買ったことが懐かしく思い出されます。これ「水につけると変化する!? 輸入特殊内袋付!!」と帯に書かれていますが、CD化にあたってはさすがに「水につけても変化はしない」んでしょうね。怖くてつけられないのでわかりませんが。
こういう特殊ジャケットの出来もいいですね。まったくアナログ盤のミニチュア化で、ぼくは担当者の商品に対する愛情を強く感じます。
ボックスから出すとこういう感じになっています。ひとつだけ残念なのは、ジャケットの背中に印刷されたレコード番号がオリジナルの番号でなく、ワーナーのカタログ番号になっていることです。この写真からもわかるように、どうせ帯でジャケットの背中は隠されているんですから、そこもオリジナル番号にしてくれたらどんなにすっきりしたことか。
混乱を来たすという理由からオリジナルの番号は使えないのかもしれません。しかしわが愛するブルーノートの国内盤は、担当者が会社に掛け合い、シリーズによってはオリジナル番号と同じものをカタログ番号にしています。マニア向けの商品の場合、こういうこだわりは大切だと思うんですが。
でもアメリカで出たこのビーチ・ボーイズのコンプリート・シングル・ボックスよりはツェッペリンのほうがはるかに出来はいいです。国内盤もこのアメリカ盤に解説書をつけたものということなので、それならこちらのほうが安いし早く手に入るということで、ビーチ・ボーイズのボックスはしばらく前にこのアメリカ盤を買いました
シングル盤ですから、元々LPのような厚手のジャケットではありません。ペラペラの紙をコーティングして、それを袋状にしたジャケットなっています。しかし、印刷にしろ、ジャケットに使っている紙にしろ、なんのこだわりも感じられません。とりあえず紙ジャケットにしてみました、といった感じです。
それでもボックスは結構凝っていて、グループ名が金属(?)でできたエンブレムのようなもので貼り付けられています。
ハードカヴァーで、表面がざらざらした加工のブックレットもついていました。
背中はこんな感じです。
買う前から、アメリカ盤なので出来についてはどの程度か予測がついていました。それでもこういうのが出ると、どうしても気になってしまいます。『U.S.single Collection:The Capitol Years 1962-1965』なんてタイトルされたら買わないわけにはいきません。ですから、これはこれで満足しています。そして、改めて日本のレコード会社の素晴らしさに感服しました。
ほかには、8月に出たザ・フーの『My Generation-Collector's Box』もよかったですね。来月には続編の『Quick One』が出ます。2枚組で1万円とかなり割高なので、値段に文句をつけるひともいます。その気持ちもわかりますが、これはこれです。マニア向けですから。マニアに値段は関係ありません。
たとえば後者には、日本やヨーロッパ各国が独自に制作した7種のジャケットすべてが紙ジャケットでボックスに封入されます。関連楽曲の各国シングル盤やEP盤のジャケット約20種類もCD-Sサイズの紙ジャケにして封入されるそうです。こういう、マニアじゃないひとから見たら意味のないこと、無駄なものを作ることこそ大切です。マニア度と無駄度は比例するものです。そういうわけで、これも即、予約しておきました。
あとはディランのブートレッグ・シリーズやマイルスの『カインド・オブ・ブルー』の50周年記念盤も、当然のことながらデラックス・エディションを予約しました。これからしばらくは、楽しいものが家に送られてくることでしょう。