
一昨日の22日ですが、原宿の「LAPIN ET HALOT(ラパン・エ・アロ)」という店でアルト・サックス奏者の小林香織さんが、というより所属するレコード会社が開いたLive Conventionに行ってきました。これは6月に彼女が発表する『シャイニー』という4作目のアルバム完成と紹介を兼ねてのものです。
レコード会社からはこんな案内が届きました。
【Live Convention開催のご案内】
拝啓 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、この度、2005年2月アルバム『Solar』でデビューして以来3枚のCD、1枚のDVDをリリースし日本のフュージョン界で広く活躍している小林香織が2008年6月25日に待望の4枚目のアルバム『シャイニー』をリリースします。
今回は気心の知れたライヴ・メンバーを中心に、よりリアルな小林香織を表現できた自信作となります。
想い多く作りあげた作品を一早く聴いていただきたく下記日程にてLive Conventionを開催致します。
女性ジャズ/フュージョン・サックス・プレイヤーとして、各方面で多くの人を魅了してきた美しい音色と旋律を、今作に収録される生まれたての曲の数々と共に、より身近に感じていただきたいと思います。
ご多忙中かと存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席いただけますよう、ご案内申し上げます。
ライヴでは新作からの曲を中心に6曲が演奏されました。小林さんのサックスは、音色といいフレーズといい、大好きだというデヴィッド・サンボーンに通じるものがあります。ぼくの感想ですから実際はどうかわかりませんが、彼女の演奏を聴いていると、ジャズのサックス・プレイもずいぶん変わったと改めて思いました。フレーズがフュージョンならではのものなんですね、当たり前ですが。
これが古い世代のひとになると、フュージョンを演奏してもチャーリー・パーカー的なビバップに端を発したフレーズがあちこちで認められます。ところが小林さんのプレイからはそういうものがほとんど聴きとれません。そこにいまの時代を強く感じ、音楽の発展も実感できて、嬉しく思いました。
ぼくのようにどっぷりとジャズに浸ってきた人間とはまったく違う感性。彼女のようなプレイヤーが今後はジャズの世界を背負っていくんでしょうね。といっても、小林さんの演奏が特別に新しいということでもありません。気がついたらこういうひとが増えていた、とでもいえばいいでしょうか。ここ20年くらいで、ジャズがさまざまな広がりを見せるようになってきましたが、一昨日のライヴは漠然と感じていたことを、目の前ではっきりとした形で実感できてとてもよかったです。
せっかくですから、資料にあった小林さんのプロフィールも紹介しておきましょう。
2005年2月アルバム『Solar』でデビュー。
6月に国立代々木競技場で開催された「CROSSOVER JAPAN '05」に村上“ポンタ”秀一(ds)、笹路正徳(kbds)、野村義男(g)、日野賢二(b)から成るスーパー・バンドと新人ながら堂々とパフォーマンスし、往年のフュージョン・ファンからの熱い声援を受け、一気に知名度を上げた。

2006年3月、プロデュースに笹路正徳を迎え、「CROSSOVER JAPAN'05」で共演したメンバーに加え、日野皓正(tp)たちと2ndアルバム『Fine』をリリースする。

2007年3月、ゲストにchar(g)、塩谷哲(p)、国府弘子(p)を迎え、3rdアルバム『Glow』をリリース。オリジナル曲を中心に、よりポップなスムース・ジャズを展開。カラフルなサックスの音色とウォーミングなサウンドが一聴してわかる小林香織のサウンドを確立した。
2007年10月よりBS朝日の『小堺一機のすうぃんぐ人生』で小堺一機と司会を務め、今作収録でオープニング・ソングの「ブラック・サファイア」の他、毎回ゲストにちなんだ曲もスタジオで生演奏している。