先ほど、以下のような文章をアップしましたが、さっそくタケオさんからコメント欄にあるような連絡をいただきました。もう発売されているようです。
笑い話のようですが、筆者の知らないうちに発売されていたんですね。モットーにしている「適当」を地で行くような出来事です。いまさら、文章を直すのも大変なので、これも記録ということで、以下にさっきアップした文章をそのまま掲載しておきます。Amazonではもう扱っているようです(しかも発売日は2月21日です!)。なにとぞよろしくお願いします。
以前このブログで2月末に発売と書いた『知ってるようで知らないジャズ名盤おもしろ雑学事典』(ヤマハミュージックメディア刊)ですが、どうやら3月10日ごろの発売となったようです。本の発刊日はCDと違い、その日に一斉に書店に並ぶことはないみたいです。売れっ子作家の単行本ならきちんと発売日に売り出されますが、ぼくの本みたいにとくに急いで店頭に出す必要のないものは、その辺は適当です。適当をモットーにしているぼくにはまさにぴったりのことですが。
いずれにしたって、この本、どのくらい店頭に並ぶかわかりません。7年前に『ジャズおもしろ雑学事典』を同じ出版社から出しましたが、このときもほとんどの書店で見かけませんでした。ところが不思議なことに、着実に版を重ねて現在は10数刷りになっています。ぼくの本の中では一番売れているんですが、それでも書店では見かけません。
誰かに聞いた話ですと、全国にあるヤマハ音楽教室の先生や生徒さんが主な顧客だとか。ですから、今回もそこに期待したいと思っています。でもそのあとに同じ出版社から中山康樹さんとの共著で出した『史上最強の超雑学徹底攻略!超難問集 マイルス・デイヴィス編』は売れなかったようですから、売れている理由がどこにあるかはわかりません。
それで今回のは、最初に出した『ジャズおもしろ雑学事典』の続編です。今回はアルバム紹介に絞って書きました。「~おもしろ雑学事典」と謳っていますので、内容はアルバムにまつわるエピソードが中心です。いわゆる「名盤選」とは違い、具体的に演奏がどうだとか、その曲がどうだみたいな文章はほとんどありません。
そこで、今日は宣伝を兼ねて本の一部を紹介しておきます。
【史上初のジャズ・レコードは白人バンドによるもの】
史上初のジャズ・レコードが生まれたのは1917年のこと。1月24日にニューヨークで行なわれたコルネット奏者のニック・ラロッカが率いる白人5人組のオリジナル・デキシーランド・ジャズ・バンド(ODJB)によるコロムビア(現在のソニー)・セッションが、ジャズ史における記念すべき初レコーディングとなった。
ニューオリンズの黒人の間で誕生したジャズだが、大手のレコード会社は黒人ミュージシャンのレコーディングを好まなかった。そこで、白人ジャズ・バンドとして評判を呼んでいたODJBに白羽の矢が立ったのである。この日録音された「ダークタウン・ストラッターズ・ポール」と「インディアナ」の発売日は同年の5月31日。
しかし世に登場した最初のジャズ・レコードは、やはりODJBがビクターで2月26日に録音した「リバリー・ステイプル・ブルース」と「デキシーランド・ジャズ・バンド・ワン・ステップ」で、発売はコロムビア盤より早い3月7日だった。
どうしてこういうことになったのか。コロムビアの上層部がこのレコーディングを耳にして、あまりに騒々しい内容から発売を見送ったのである。ところがビクター盤が世に出るや、あっという間にベストセラーになったことから、急遽「こちらが史上初のジャズ・レコーディング」と銘打って発売されることになった。
それでは、黒人による史上初のレコードはなにか? ODJBの録音から遅れること4年。ニューオリンズ出身のトロンボーン/コルネット奏者キッド・オリーがロサンジェルスで行なったのが最初のレコーディングとされている。これはサンシャインというマイナー・レーベルに対してのもので、「オリーズ・クリオール・トロンボーン」と「ソサエティ・ブルース」がカップリングで発売された。ただしマイナー・レーベルゆえ、ニューヨークで大評判を呼んだODJBのヒットとは比べものにならないほど惨憺たるセールスで終わったそうだ。(写真は『Original Dixieland Jazz Band-The Essential Collection』(Avid):コロムビア盤とビクター盤の初レコーディング各2曲も含む2枚組)
どうです、音楽についてもミュージシャンについても触れていないでしょ? ですから「名盤ガイド」ではありません。あくまで、どうでもいいような「雑学ネタ」中心の本です。お酒のつまみにでもなればいいなと、書いてみたものです。興味のあるかたはぜひよろしく。