今日は昨年後半の仕事でいくつか報告があります。
12月に受けたインタヴューが、【NIKKEINET】日経WagaMagaの「エンタメ」(音楽)カテゴリで今週の月曜から金曜にかけて、全5回、「マイルス・デイヴィスを聴き直す方法」と題して毎日連載されています。昨年、平凡社新書として平野啓一郎さんとの共著で出版した『マイルス・デイヴィスは誰か』に関連してのものです。興味のあるかたは下記をご覧ください。なお、次週以降もバックナンバーとして残りますので、いつでもご覧になれると思います。
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/music.aspx?i=MMWAe3000017012008
昨年発刊された『男の隠れ家』の11月号と、それより1年前の同誌で特集された「ジャズを巡る旅」の特集ページを纏めた別冊が18日に発売されました。ぼくは昨年の号の東京編を担当しています。ちなみに、一昨年の号で東京を担当したのは岩浪洋三さんで、そのときは新宿や高田馬場が中心でした。それで、ぼくはそれ以外の場所にあるジャズ・クラブ、ジャズ喫茶、レコード店を担当しています。
取材した日の「ブルーノート東京」にはシンガーのジミー・スコットが出演中で、運よく彼のインタヴューをすることもできました。そのときに聞いた話の一部は、さっそく今年全音楽譜出版社から出す本で引用させてもらっています。
雑誌として出たときもかなりのページ数を割いた特集だったんですが、こうやって纏まったものを手にすると、たった2回の特集ですが、かなり手ごたえがあります。これは1冊に纏めて正解だったと思います。内容も豊富で、見るだけでも読むだけでも面白いですし、実用性もあります。
こちらは去年の仕事ではありませんが、今年になって『マイルス・デイヴィスの真実』と『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤 100』が増刷になりました。『マイルス~』は3800円と高額ですが、今回で3刷です。『ジャズマン~』も、出版社曰くですが「ジャズ本では例外的に初版の刷部数が多かった」本です。それが増刷になったことも「画期的」だそうです。どちらも、よくぞ売れてくれました。
どちらの本もそうですが、ぼくはいまだにどなたがお買いになってくれたんだろう? とにわかには信じがたい気持ちでいます。でも出版社から送られてきた本の奥付を見て、「本当にそうなんだ」と実感できました。文章を書いている人間にとって、まず嬉しいのは本が世に出ることです。それ以上に嬉しいのが増刷になることかもしれません。出しただけで終わってしまう本もたくさんあります。増刷になるということは、確実に初版のうちかなりの数が売れたことを意味しているからです。
それで、また思いついてAmazonをチェックしてみました。いままで気がつかなかったのですが、全体のランキングのほかに、ジャンル別のランキングというのもできたんですね。それで驚くなかれ、『ジャズマン~』がジャズ部門で1位になっていました。昨晩のことです。1時間毎に更新されるので、すぐに落ちてしまうでしょうが、それはそれとして、瞬間的にも1位とは嬉しいじゃありませんか。
1位 本>アート・建築・デザイン>音楽>ジャズ
175位 本>楽譜・スコア・音楽書
738位 本>エンターテイメント
これで報告は終わりです。報告というより自慢しただけですが、自慢できることがあるっていうのは幸せですね。
それで、こちらは自慢できずに惨憺たる結果になると思いますが、今週末は駒場で「ONGAKUゼミナール」です。小僧のSNSでも告知しましたが、所用で不参加のひとが多いみたいで、どうなることやらです。今回は「私的モダン・ジャズ黄金時代~1956年」がテーマです。先日、選曲をしたんですが、この年は本当に名盤の宝庫なので、2回にわけて行なうことにしました。次回もあれば、の話ですが。それと、今回もお土産をたっぷり用意します。
こっちはなんだか嘆き節になってしまいましたね(笑)。ちょっと、いま演歌モードに入っています。それというのも、ここ数日テレビで盛んに宣伝している天童よしみのボックス・セットを買おうかどうしようかで迷っているからです。10枚組で200曲、3万円弱ですが、せこい性分なのでちょっと躊躇しています。
それというのも、昨日、衝動買いでGenesisから出るビートルズの豪華本『A Day In The Life』を注文してしまったからです。これ、相当高いです。かなり大判(430mm x 320mm)の、額窓にしてもいいような写真が24枚と64ページの本(カメラマンのサイン入り)がボックス(450mm x 340mm x 40mm)に入った750部限定のセットです。
A Day In The Life is a silk-bound box set that presents 24 rare and unseen photographs of The Beatles, reproduced as fine art, signature-embossed lithographs on varnished archival paper.
Accompanying the large-format prints is a 64 page hand-signed and numbered book by the photographer, Michael Ward, that tells the story of one winter day spent with The Beatles in Liverpool, 1963.
今月はライナーノーツの依頼がたくさんあったし、年末・年始も仕事をしていたし、増刷にもなったし、というわけで自分へのご褒美があってもいいのでは? とまた都合のいい理由をつけて、天童よしみもきっと買ってしまうんでしょうね。