こちらに来てから日に日に気温が下がっていますが、今朝は華氏13度、摂氏に直すとマイナス10.5度です。華氏でシングル・デジット、つまり9度(マイナス12.8度)以下になると、テレビなどで外出は控えることを呼びかけるようになります。
留学時代にもそういうことがありました。とくに老人や心臓病(どちらも当てはまるなぁ)のひとは外出しないように、ということです。そういうわけで、朝から「Deadly Cold」とか「Dangerous Cold」などとテレビでは盛んに言っていました。
今晩は最後の夜で、三つ星レストランの「Jean Georges」に予約を入れています。保温に気をつけ、アパートからタクシーで行きますが、どうなることやら。
それはそれとして、最後の日も、相変わらずの1日です。朝食後に原稿とジム・ワークをいつものようにこなし、さてお昼ご飯はどうするか。外は極寒なので、一番近い「Townhouse Coffee Shop」(696 2nd Ave.)に行くしかないでしょう。
そこで、今日は初めてのものを食べました「Low Calorie Wrap」です。見るからにおいしくなさそうでしょ。ラップされているのは卵の白身だけを使ったオムレツ、ターキー、レタス、それにトマトです。しつこく、「黄身は使ってないのね」と確認してからオーダーしました。
味気はないですが、見た目ほどまずくありません。オムレツといっても、ターキー・スライスに白身をまぶして焼いたものです。それとラップで、刻んだレタスとトマトを丸め込んでありました。以前食べたターキー・ラップとかツナ・サラダ・ラップよりは、白身とはいえ卵が入っているだけ好みの味になっていました。
お昼は1~2度ほど気温が上昇したようですが、それでも寒いことに変わりありません。心臓の血管が詰まると怖いので、まさに「Deadly Cold」です。それでも銀行に行く用事があったので、32丁目とパーク・アヴェニューまで歩いて往復してきました。心臓にはまったく異変が起こらず、ひと安心です。普段ならこのまま外に出ているのですが、ゲラのチェックも終わったことだし、午後は家で原稿を書いて過ごすことにしました。
そして、最後の晩餐で「Jean Georges」(1 Central Park West)です。ここはカジュアルとフォーマルのふたつのダイニング・ルームがあって、前回がカジュアルだったので、今回はフォーマルにしました。フォーマルは3種類のプリフィックス・メニューから選べるようになっています。ぼくは4皿のプリフィックスにして、心臓のこともあるのでオイルと塩分を控えめに、とお願いしました。
これはコンプリメンタリーで、手前がツナ、後方左はオイスター、右はなんかのコンソメで、中に小さなラヴィオリが入っていました。
一皿目は「Bluefin Tuna Ribbons, Avocado, Spicy Radish, Ginger Marinade」というものです。ツナはコンプリメンタリーと同じもののようです。まったくの赤味ですね。最近のニューヨークでは、目の前で最後にソースをかけるのがはやりのようで、この間の「Le BERNARDIN」も今日の「Jean Georges」も、大半の料理が、仕上げはテーブルで行なわれました。
次は「Turbot with Chateau Chalon Sauce」ですからヒラメですね。さっきのツナもそうでしたが、こちらのソースも薄味にしてくれたみたいです。
メインは「Minted Rack of Lamb, Autumn Mashrooms, Red Curry Emulsion」で、これまたマッシュルームはほとんど味がついていなかったんですが、薄味好きのぼくにはちょうどよかったかも。ラムもまったくの赤味で、脂身は一切ありません。タイ・カレー味のソースも薄味で、かなり気を使ってくれたようです。
4皿目はデザートです。「Winter」「Citrus」「Apple」「Chocolate」のテイスティング・メニュー4つから選べるようになっていて、ぼくは「Chocolate」にしました。ひとつひとつは小さいのですが、さすがに全部は食べられません。
オープン直後に行って以来、「Jean Georges」はすっかり気に入ってしまったレストランのひとつです。カジュアル・ラインと呼ばれるバーと一緒の部屋ではメニューがアラカルトだったんですが、現在はどうでしょう。今日行ったフォーマル・ラインは、以前はアラカルトもあったと記憶しているのですが、今回はプリフィックス・ディナーだけになっていました。
味はさすがにミシュランの三つ星だけのことはあります。ただしミシュランによれば、三つ星は「そのためだけでも旅行したい店」となっているようですが、ぼくは「Jean Georges」や「Le BERNARDIN」に行くためだけでニューヨークには来ないでしょうね。ストーンズやポールのコンサートがあれば、そのためだけでニューヨークでもロスでもワシントンDCでも行くぼくですが。
最近のタクシーにはこのようなテレビがついています。NBCニュースのほかにESPNの放送が見れますし、左の画面では現在の位置がわかる地図や『ザガット』の情報も見ることができます。
そしてクレジット・カードも使えるようになりましたが、手数料がドライヴァー負担になるため、大不評のようです。
これで、今回のニューヨーク滞在はおしまいです。よくぞ食べたりといった感じで、日ごろの欲求不満が解消できました。こういうのも年に何回は精神衛生上必要とセルフ・エクスキューズし、帰国後はまた体にいいものばかりを食べる生活に切り替えます。
そういうわけで、「食事ブログ」はこれにて終了。おつき合いくださったかたはさぞ呆れていると思いますが、どうもありがとうございました。