ニューヨークのクリスマスは静かです。いつものように朝食を食べたあとは、アパートのジムもクローズしているので、そのまま最後の1本となった翻訳に取り掛かりました。
今日のは少し長くて11枚ほどです。2時間半くらいでそれを仕上げて、まだ昼食には早いので、もう1本、『スイングジャーナル』から頼まれていたビリー・ホリデイの歌に対するコメント集を書くことにしました。
こちらは簡単です。これまでに集めたさまざまなアーティストのコメントをデータ・ベース化してあるので、そこからホリデイについて、今回のリクエストに合ったものを選び、それを字数に合わせて編集すればいいだけ。これ、河出書房新社から出している『100』シリーズと同じです。そういうわけですから、あの本はいくらでも(ってことはありませんが)書けてしまうんですね。
これを完成させたところで、年内に締め切りのある原稿はすべて書き終わりました。それでもまだ時間があったので、メールしていなかった原稿を何度か読み直して、最終的な形に完成させ、すべてをそれぞれの担当者に送ったところで、ランチ・ブレークです。
クリスマス・デイはほとんどのレストランが休みです。とりあえずウォーキングを兼ねてイースト・ヴィレッジまで行き、そこで開いている店に入ることにしました。当てはまったくなかったんですが、9丁目の「蕎麦屋」(229 E 9th St.)がオープンしていたので、そこで鴨南蛮を。
うどん+スモール・サイズの親子丼というランチのセットも魅力的だったんですが、やっぱり卵はやめておいたほうが無難と、我慢しました。それにしても変れば変るものです。以前は卵を食べなければ夜も昼も明けないくらいだったのに、いまではきちんとした形で(っていうのも妙な表現ですね)卵を食べるのは年に数度しかありません。チャーハンみたいに料理に入ってしまっているものは仕方がありませんが、そうでないものはまず食べません。
それと、どうせ食べるのならおいしく食べたいし、中途半端な形で卵を食べてしまうのはもったいない気がするので、親子丼も結局は諦めてしまいました。ああ、卵がなんの気兼ねもせずに食べられる体が羨ましい。
それで鴨南蛮の鴨ですが、やっぱり気になるので、ほんの少ししかついていない脂身も外して肉の部分だけを食べました。こういうところは妙に律儀というかストイックです。そのくせ、昨日みたいにピザを食べてしまうんですから、こういう気の使い方が無意味なのはわかっています。でも、これは自分が納得するかしないかの問題なので、その場その場で矛盾しているのも仕方がないんでしょうね。
その後は再びウォーキングをしてヴィレッジ周辺をあちこち回りました。どこかのスターバックスでゲラのチェックをしようと思ったのですが、ほとんどが閉まっていたため、昨日と同じ家の近くの店に行きました。ここで数時間ゲラを読んで、このヤマハ本のチェックは終わりました。明日からは『愛しのジャズマン3』の初稿のチェックに入ります。
夜はチャイニーズ・レストランなら開いているだろうということで、せっかくのクリスマスだからと、ロースト・ターキーならぬ香港以来の北京ダックを食べに行くことにしました。これも体に悪いことは重々承知しています。それでもローコールを少し多めに飲んでおけばいいかと、医者らしくない邪悪なことまで考えて、「Peking Duck House」(236E 53rd St.)に向かいました。チャイナタウンの店しか行ったことがなかったのですが、予約の電話を入れたら満員とのことで、ミッドタウン店の予約を取りました。ミッドタウンにも支店があるとは、今回初めて知りました。
それでこちらの「Peking Duck House」は、チャイナタウンのある店に比べると、さすがミッドタウンで営業しているだけあって、まあまあいい感じの店でした。値段もミッドタウン・プライスということでそこそこします。しかも、見事なまでにお客さんは白人。かなり広い店内ですが、ほとんどのレストランが休業ということもあって、ひっきりなしにお客さんが入ってきます。
ただし「Peking Duck House」、実はそれほどおいしいとは思わないんですが、手軽に北京ダックが食べられる点ではこの店が一番かもしれません。ここは皮だけでなく厚手の肉も一緒にカットするので、「皮だけにしてね」とお願いしました。
あとは青菜の炒め物とチャーハンです。
明日は、しばらく前に予約しておいたフレンチの三ツ星レストランに行くので、やはり今日はローコールを2錠飲んでおくことにします。