といっても、そんなに大袈裟なものではありません。部屋の中に未整理のまま放っりぱなしにしてあったレコードを、思い立って100枚ほど駒場東大前の「ORCHARD BAR」に持っていっただけです。とくに選んだわけじゃないので、凄く雑多な内容になっています。どうせ部屋に置いておいても埃だらけになるだけですし、人目のつくところに値段をつけて置かせてもらうなら、そのほうがレコードにとっても幸せでしょう。
興味のあるかたは、是非「ORCHARD BAR」までお問い合わせを(
http://blog.livedoor.jp/nobby2jack/?blog_id=2401927)。「ORCHAED BAR」は、ぼくがほぼ2ヵ月に一度の割合で「ONGAKUゼミナール」を開いているバーです。オープンは20時ごろ。店にはレコード・プレイヤーもありますので、試聴もできます。というか、盤を確認してあるわけじゃありませんので、買いたいかたは試聴したほうが無難です。
それでこれまたいい加減なんですが、思いつきで値段もつけておきました。安いか高いかはわかりません。どちらかといえば安いと思います。どんなレコードがあるかというと、ジャズ、ボサノヴァ、歌謡曲、ロック、ソウルなど、100枚前後とはいえ、それも適当に持っていったにもかかわらず、ぼくの好みの縮図のような感じになっていました。
たとえばアート・ブレイキーの『瀬戸の花嫁』。渋いでしょ。来日したときにポニーキャニオンで吹き込んだものです。こういうのはコレクターズ・アイテムですよね。あとは、もう売れてしまったみたいですが、ホセ・フェリシアーノが全曲スペイン語で歌ったアルバム。アメリカで人気が出たひとですが、ラテン語圏向けにRCAインターナショナルがスペイン語によるアルバムも作っていたんですね。
日野皓正の『華麗なるトランペット』というのもあります。「ムーン・リヴァー」などのムード・ミュージックをやっているアルバムです。ワンダ・ジャクソンのキャピトル盤はアメリカでもそこそこの値段がするんじゃないでしょうか? こういうのはみんな1000円から3000円弱くらいにしました。
一番高いのはクニ河内の『透明人間』。帯つきのぴかぴかです。18000円ですが、この価値のわかるひとがどれくらいいるか、そこが問題です。というか、商売っ気はまったくないので、売れなくていいんです。
さっきも書きましたが、部屋に置いておくよりは、値段をつけて人前に出しておいたほうがいい、というのが考えですから。売れるもよし、売れないのもよし、です。言い換えれば、売れても嬉しいし、売れなくても、それはそれで手元に残るから嬉しいんですね。どうせ売れたってたいした金額になりません。それでまたCDを買ってしまったら、同じようなことになるわけですし。まあ、不思議な心理状態というか、やっぱりぼくは変人なんでしょう。
話はまったく違いますが、また1冊、重版が決まりました。この間出した「100」シリーズの一冊目、『ジャマンが愛する不朽の名盤 100』がそれです。このシリーズ、ジャズ本としては破格の部数を初版で出してもらっています。それで重版になったとは、たいしたもので。ここ、自慢しているところですから。しかも、今回の重版も普通の重版の1.5倍くらいの部数をつけてくれました。ありがたいことです。
先日出した『ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100』も出足が好調と聞いています。このブログをお読みのかたでお買い求め下さったかたもいると思います。本当にありがとうございます。レコードは売れても嬉しいのか嬉しくないのかよくわかりませんが、本は売れたら嬉しいです。当たり前ですが。そいうわけで、目下、寝る間も惜しんで次の次の次に出す本の執筆にいそしんでいます。