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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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2007-10-18 愛しのジャズ・マン~ハービー・ハンコック
2007-10-18 愛しのジャズ・マン~ハービー・ハンコック_e0021965_16251227.jpg
 THE QUARTETの演奏を聴いて気分が盛り上がってきたので、明日のコンサートに弾みをつけるため、ハービー・ハンコックについてのエピソードをひとつ。これは、来春発売する『愛しのジャズメン パート3』に掲載予定の原稿です。
 どうしてハービーからこの話を聞いたかのいきさつは端折ります。気になる方は、拙著発売の暁にお読みください、と、これは前宣伝です、早すぎますが。

2007-10-18 愛しのジャズ・マン~ハービー・ハンコック_e0021965_16254656.jpg
「わたしはマイルスのバンドに5年と少し在籍したが、毎回クビになるんじゃないかと思って演奏していた」
 ハンコックがマイルスのクインテットに抜擢されたのは1963年5月のこと。当時、マイルスはグループの再編に取りかかっていた。2ヵ月前にはベースのロン・カーターを迎えたし、ハンコックが加入する直前に参加したのが17歳のドラマー、トニー・ウィリアムスだった。テナー・サックス奏者だけが以前からのジョージ・コールマンで、マイルスのクインテットはこのメンバーで新たなスタートを切る。
「1年ほど前にドナルド・バードがわたしをマイルスの家に連れていってくれた。そのときに弾いたピアノが、マイルスの心にずっと残っていたんだろう。それもあって、ロンとトニーを得ていた彼は、このリズム・セクションに一番フィットするのがわたしと考えてくれたようだ。そこでわたしたち3人を家に呼んで、リハーサルをすることになった」
 ところが、マイルスはなんの注文も出さない。ハンコックにしても残りふたりにしても、どうやったらいいのか、皆目見当がつかない。
「3~4日、マイルスの家でリズム・セクションだけの演奏をした。最後にマイルスも加わって、少しだけ一緒にプレイしたのかな? それで“明日レコーディングするからスタジオに来い”っていわれた。わたしが、“それはあなたのグループのメンバーになるってことですか?”って聞くと、マイルスに“レコーディングするのかしないのか”ってムッとされた」
 ハンコックは、どうしていいのかわからないので前任者のウイントン・ケリーやビル・エヴァンスのプレイを見習い、同じように演奏していたという。それを2~3ヵ月続けていたら、どうにもフラストレーションが溜まってきた。
「出身地のシカゴで演奏したときに、溜まりに溜まったものが爆発して、自分のやりたいように弾いてしまった。これでクビだなと思いながら楽屋に戻ると、マイルスは“どうしていままでそういう風に演奏しなかったんだ”といってくれた。彼は、誰のコピーでもない、わたしにしかできないプレイが聴きたかったのさ」
 それでも、ハンコックはグループを去るまで試行錯誤を続けていた。マイルスの音楽はいつも進化していたからだ。それに追いついていけなければ、即刻クビになる。その恐怖心が常につきまとっていたから、緊張感のある演奏が維持できたと振り返る。名盤と呼ばれる『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』をライヴ・レコーディングしたときも、ハンコックは大きなミスをしたそうだ。
「タイトル曲のイントロを、うっかりして、打ち合わせとはまったく違うスタイルで弾いてしまった。録音テープは回っているし、途中でやめるわけにいかない。それでこのときもクビを覚悟して、コンサートが終わるまで、あとはいつも以上に緊張して演奏した」
 ところがこのときもマイルスは褒めてくれた。その話を聞いたせいか、以来このアルバムを耳にすると、マイルスとハンコックの間に漂ういつにないぴりぴりした緊張感が感じられるようになった。気のせいかもしれないが。
 しかし、やがてハンコックにもマイルスのグループを去る日がやってくる。ミスをしたからではない。病気で仕事に穴を開けてしまったのが理由だ。その穴を埋めたチック・コリアが、そのまま後任としてマイルスのクインテットに加わることになった。
「世の中、そういうものだよ。マイルスからは大きなレッスンを受けた気持ちだった。常に自分であれ。そういう感じで、わたしたちにはやりたいようにやらせてくれた。責任は自分が取るから、といった態度でね。その姿勢をわたしも見習っている」

 さて明日のTHE QUARTET。このような緊張感とは別種でしょうが、やはりある種の緊張感が漂うものになるんじゃないでしょうか? 4人の思いは知るよしもありません。しかしいつもと違う気持ちで演奏することだけは、何となく察せられます。いやぁ、楽しみになってきました。
by jazz_ogawa | 2007-10-18 16:25 | 愛しのJazz Man | Trackback | Comments(16)
Commented by megawatt at 2007-10-18 17:26 x
面白いお話を紹介して頂きありがとうございました。

ハンコックは1963年当時、弱冠21歳だったのですよね。言われてみれば、いつクビになるのか緊張していたのも頷けますが、Greatなハンコックになってからしかリアルタイムに聴いていないせいか、当時のクインテットのCDを聴いても、若者が演奏していることをつい忘れてしまいます。そういう視点で今度聴いてみようかと思いました。

明日のTHE QUARTETは、日本のライブのためだけに結成されたのであれば、バンドとしても最後のライブとなる訳ですよね。そう考えると独特な緊張感はどうしても生まれるだろうと私も思います。明日は観に行きますが、その場に居られること自体が幸せなことなのかも、と改めて思いました。と同時に、15日のライブを見逃したことを今更ながら後悔してます。
Commented by miki3998 at 2007-10-18 19:39 x
小川さん、いよいよです。(前のコメントでも言ったかな?)

 明日はレクチャー、オフ会ともに参加いたします。北鎌倉への終電に乗らなければなりませんが、ギリギリまで興奮を皆さんと分け合いたいと思っています。よろしくお願いします。

 ↓の記事を読みながら、私一人いい思いをすることに後ろめたさを感じています。主人に申し訳ないなあ~~~(笑)
Commented by ゆっピー at 2007-10-18 20:51 x
こんばんは。パンフにも一部書かれていましたね。マイルスという方の音楽も人柄も知りませんが、懐の広い方だと感じています。そんな方とのライブ人生は、何ものにも変えがたい大きな宝物になったのではないでしょうか!だからかな?大阪で聞いたとき、私好みではないと感じながらも心地よく引き込まれてしまったのは・・・「良いものは良い!」を実感しました。
明日のコンサートでのご報告楽しみにしています。たっぷり記載してくださいね!!!
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-18 21:17
megawattさん、THE QUARTETは今回の日本ツアーのために特別に結成されたものです。そういうわけで、メンバーの4人にとっても何らかの感慨があると思います。それだけに、明日は楽しみです。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-18 21:19
miki3998さん、明日はよろしくお願いします。こういう企画はめったにないと思いますが、もし次回もあれば、そのときはぜひご主人とご一緒にどうぞ。息子さん同伴も歓迎です。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-18 21:21
ゆっピーさん。「良いものは良い」、その通りだと思います。このメンバーでのコンサートは今後実現するかどうかわかりません。それだけに、一生の思い出になるんじゃないでしょうか?
Commented by 浦島 at 2007-10-19 09:31 x
いい話ですね。こうして若い人がチャンスをものにしていくのですね。これは何もジャズの世界だけではなく、ビジネスの世界でも同じだと思います。人の真似ではなく、自分にしかできないものを創造する。大切なことだと思います。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-19 09:38
浦島さん、結局、究極の結論は、「ひとはひとりでは生きていけない」っていうことでしょうか。つくづくそう考えているこのごろなんですが。
Commented by tj-zero at 2007-10-19 17:14 x
なんか、剣豪と若き剣士の修行のようですね。

和洋を問わず、一流の技術を磨く場、というのは、共通するモノがあるのかもしれない、と思いました。
Commented by 高橋 at 2007-10-19 17:44 x
小川さん こんにちは、今日はイベントでお忙しいことと思います。ハービ・ハンコックは「愛しのジャズメン2」で信心深いエピソードが載っていました。また新しいサウンドに挑戦するマイルスの姿勢を尊敬し自分もそれを貫いているハンコック素晴らしいですね。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-20 01:05
tj-zeroさん、たしかにそうですよね。芸や技術は手取り足取り教わるものでなく、先輩の技術を盗む、あるいは真似るところから始まるものかもしれません。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-20 01:06
高橋さん、今日のハンコック、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。これは次回のブログに書きますね。
Commented by clumsya at 2007-10-20 02:16 x
今日アペリティーボ、コンサート、オフ会と最後まで参加させていただいて
とても楽しい時間を過ごす事ができました。
お疲れさまでした。
これまで音楽を聴きにいくと
結構そこで小川さんをお見受けする事が多かったので
実際にお話が聞けて嬉しかったです。今度はゼミナールにも伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
Commented by jazz_ogawa at 2007-10-20 10:19
clumsyaさん、長時間にわたりお付き合いありがとうございました。こういうイヴェントは初めてなので、至らないことも多々あったかと思いますが、今後もよろしくお願いいたします。ゼミナールにもぜひここしください。また、どこかで姿を見かけたときはお声をかけてください。
Commented by at 2007-10-24 20:30 x
はじめまして。
ハービーハンコック様が目の前に。。。
言葉の節々に一プレーヤーらしいところがいーっぱいありますね。
かっこいいです、そして羨ましいです。。。

Commented by jazz_ogawa at 2007-10-24 22:44
Kさん、はじめまして。ハービー・ハンコックは音楽もそうですが、人間としても素敵なひとです。インタヴューをしてますます好きになりました。
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