薬を飲むため3食きちんと食事をしなければいけません。というのをエクスキューズにして、朝から体のことを心配しつつ食べています。普段はかなり神経質に節制しているので、たまには発散しないと精神的によろしくない、とこれまたセルフ・エクスキューズです。レコードを買うときも自分に言い訳しながら買っていますから、さしずめエクスキューズ王といったところでしょうか。
で、朝食ですが、早い時間からやっているそこそこ綺麗な粥麺店というのが割りと少なくて、さらにホンコン・サイドと限定すると一体どのくらいあるんでしょう? 昔から行っているお店があったのですが、何せ6年ぶりの香港なので場所も名前を正確に覚えていないため諦め、ならばこれまでに行ったことのないお店ということで選んだのが黄枝記(Wong Chi Kei Congee & Noodke)。かなり気に入りました。忘れないように住所もメモしておきます。15B Wellington Street, Central.
ここは、明日、帰る前に行こううと思っている陸羽茶室のすぐそばにありました。ぼくが頼んだのはロースト・ダックのお粥です。昨日の晩も北京ダックを食べましたが、ロースト物とダックはいくら食べても飽きません。
量も手ごろで、味もよかったですね。青菜(ニューヨークでいうところのガイ・チョイです)のオイスター・ソースがけやピータンもシェアしたんですが、卵は食べちゃいけない品目なので、ふた切れだけお粥に入れるにとどめました。卵ばっかり食べて50年ほど生きてきたので、それくらいでで我慢しておきます。麺が美味しいとの話だったので、それがちょっと心残りです。次に来たら麺を食べることにします。
お昼はペニンスラ・ホテルのSpring Moonに行きました。香港ではここと陸羽茶室と、さらにもう1日あればレパルス・ベイにあるThe Verandah Restaurantを追加することに決めています。
ぼくは冒険が嫌いなので、新しいレストランには極力行きません。そういうところが保守的で、友人には嫌がられます。頼む料理もたいてい決まっていますから、どうしようもありませんね。それでも、東京にしてもニューヨークにしても、少しずつ贔屓の店が増えていますから、それでいいのだと思っています。
Spring Moonでは、お昼ということもあって、Dim Sumを数品と、野菜の炒め物と、金華ハムと蟹と卵の白味のチャーハンなどを頼みました。卵ですが、白味は大丈夫なので、これは問題ありません。ただし、こういうのを枝葉末節というんでしょうね。気にしているといいつつ、チャイニーズを食べているんじゃ元も子もありません。
このディープ・フライドした韮と貝柱のダンプリングは美味しかったです。揚げ物なんてとんでもないとDr. Hasからコメントが来そうですが、たまのことなので大目に見てください。
この韮饅頭も美味しかったですね。やっぱり、ここはいつ来ても満足できます。サーヴィスも雰囲気もいいですし。でもこんなところにばかり行っていたら、お金もすぐなくなってしまいますし、第一、心臓の血管が持ちません。
午後はウォーキングと本来の目的だった仕事を真面目にやりました。
それで、夜は最後の晩ですから、いいものを食べようと、フォーシーズンズにある龍景軒(Lung King Heen)に繰り出しました。初めてのお店は極力避けるとさっき書いたばかりですが、ぼくは嗅覚が働きます。初めてのお店でも注文したものはめったに失敗しません。極端な好き嫌いのため、自分が好きなものに関しては異様に敏感なようです。
ハーパー・ヴューのいい席は大人数用になっていて、ぼくたちはそのひとつ後ろの列の席にすわらせてもらいました。それでも、景色はよく見えます。
アペタイザーはSuckling Pigです。皮の下には饅頭の生地を用いた柔らかくて薄いビスケットみたいなものがあり、その下がお肉という三層構造です。こんなに上品で美味しいSuckling Pigは初めてです。これで、すっかりいい気分になりました。
これはスキャロップを2枚重ねにしてお茄子で巻いたものです。プラム・ソースが使われていました。
一番期待したのがこの松露至尊雛という料理です。これは皮がバリバリのグリル料理でたっぷりトリュフも使われていて(この黒いの、キクラゲじゃありませんから)、非常にいい感じです。ここの名物だそうです。
これもびっくりで、パンプキンの中にキノコ、たけのこ、くらげなんかが入っていました。写真で観ると小さく感じるかもしれませんが、直径20センチ弱くらいでしょうか。
2年前にオープンしたそうですが、さすがフォー・シーズンズ・ホテルです。入り口には凄い車ばかりが停まっていて、ポルシェですらちょっと貧弱に見えました。で、このレストランですが、ぼくが香港でいままで行った中では最上位のひとつです。味、雰囲気、サーヴィス、すべてに満足して帰ってきました。次は、ここの北京ダックを食べなくては。それまで心臓が動いていればの話ですが。