昨日は「祝THE QUARTET来日記念」ということで、10月のコンサートの予習をしてきました。お集まりいただいたみなさんありがとうございます。
THE QUARTET来日の公式宣伝部長に就任してからは、あちこちでこのコンサートのことを触れています。この間の「AVANTI」でも、「ウーマン・ジャズ特集」なのに、いきなりこの話から入ってしまいました。
このブログでも何度か紹介しているので、少しはコンサートのことをご存知のかたもいると思います。ハービー・ハンコック~ウエイン・ショーター~ロン・カーター~ジャック・デジョネットが、かつてのボスであるマイルス・デイヴィスにトリビュートするコンサートとなれば、ぼくもおちおちしてはいられません。
しかもこの4人、今回の日本公演のためだけに集まります。全員が一堂に会するのもこれが初めてというのですから、胸も高鳴るっていうものでしょう。そうそう、横浜公演も追加になりました。コンサートやチケットの詳細は左にある「THE QUARTET」のバナーをクリックすればわかる仕組みになっています。
それで昨日はマイルスと彼らのソロ・アルバムから、時間が許す限りいろいろ聴くことにしました。といっても、こういうテーマになるといつも以上に話し込んでしまいそうなので、自主規制をかけましたが、そのうちそんなことも忘れてしまいました。
予定していたのはこういう曲です。
【songlist】
①マイルス・デイヴィス/セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン 『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』より
②マイルス・デイヴィス/マイルストーンズ 『マイルス・イン・ベルリン』より
③ウエイン・ショーター/ウィッチ・ハント 『スピーク・ノー・イヴル』より
④V.S.O.P.クインテット/アイ・オブ・ハリケーン 『ライヴ・アンダー・ザ・スカイ伝説』より
⑤ロン・カーター/R.J. 『アップタウン・カンヴァセイション』より
⑥マイルス・デイヴィス/リトル・チャーチ 『ライヴ・イヴィル』より
⑦ハービー&ウエイン/アウン・サン・スー・チ 『ワン・プラス・ワン』より
⑧ロン・カーター/ラヴァーン・ウォーク 『イッツ・ザ・タイム』より
⑨ハービー・ハンコック/ティー・リーフ・プロフェシー」 『リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』より
⑩マイルス・デイヴィス/ビッグ・ファン~ホリー・ウード 『コンプリート・オン・ザ・コーナー・セッションズ』より
THE QUARTETの面々が在籍していた時代のマイルスの演奏と彼らのソロ・アルバムから曲を選びました。ジャック・デジョネットは割愛しています。嫌いっていうわけじゃないんですが、ちょうどいいものが選べなかったからです。時間の制限もありますし。目玉は、発売されていない⑨と⑩でしょうか。
それで思いました。なんてマイルスとこの4人は違う道を進んでいたんだろうと。もちろんハービーやウエインはフュージョンだとかファンクだとかをやって、マイルス以上に評判を呼んだ時代もあります。しかし最後の⑩を聴きながら、マイルスはわが道を行っていたんだと改めて強く思いました。
こんな演奏や音楽はどんなミュージシャンにもできません。いくらハービーが『ヘッド・ハンターズ』や『フューチャー・ショック』でそれまでにない斬新な音楽をやっても、あるいはウエインがウェザー・リポートでロックと同等の人気を獲得しても、マイルスの音楽にはかないません。というか、まったく考えていることや見ている方向が違うんですね。
優劣をいっているわけじゃありません。ハービーもウエインもそれぞれに素晴らしい音楽をやってきましたし、⑦や⑨は現代のジャズにおいて最良のものとも思っています。マイルスは、何ていうんでしょう、そうですね、別の次元で音楽をやっていたんでしょうね。
そういうことを昨日は思っていました。そんなことを思っただけでも、ぼくには収穫だったんですが、いらした皆さんはどんなことを感じてくれたんでしょうね?