こんばんは。小川隆夫です。
「真夏の夜の偉人達」
今夜は、マイルス・デイヴィスについて、彼がどれだけ偉人だったかを、マイルスの音楽性、人間性を通じてこれからの2時間、わたくし、小川隆夫が語っていきたいと思います。
ちょっと、というか相当照れくさいのですが、こんな言葉(これは用意されたものです)から始まる夏の特別番組を収録するため、昨日は渋谷のNHKまでいってきました。放送日は8月8日(水)の23時から25時まで。再放送もあります。こちらはちょうど1週間後の8月15日(水)の15時15分から17時15分です。全国放送です。もしお時間があるかたは、お聞きください。といっても、かなり恥ずかしいのですが。
これまでにもラジオ放送はいろいろやりました。何年間かレギュラーで番組を持っていたこともあります。ただし、まったくひとりで話をするのは今回が初めてです。いつもお相手をしてくれるひとがいて、ふたりで話す、もしくは質問に答える形での番組でした。
ひとに聞かれればいくらでも話せるのですが、ひとりとなると、これがまったく別人になってしまいます。トーク・イヴェントもやってきましたが、相変わらず苦手意識は消えません。でも、トーク・イヴェントはまだいいです。目の前にお客さんがいるからです。ところがスタジオでは、マイクに向かってひとりで話さないといけません。これ、ぼくは何回やったとしても慣れないでしょうね。
ただし、そんなことをいっても始まらないのでなんとかやってきました。放送はしろうと同然ですから、居直ったといいますか、うまくやれないのが当たり前と自分にいい聞かせながらの2時間でした。それでも、いつの間にか「うまく話そう」という気持ちが出ちゃうんですね。冷静に考えると、そういう話って面白くないものです。ですから、いつものように脱線トークを適度に交えながら、最後までいっきに突っ走りました。
自分ではプレイバックも聞いていないので、出来映えはわかりません。まったく自信もありません。話の内容も、聞いてくださるかたにきちんと伝わるかどうか。何しろ一方通行ですから、その場で反応がわかりません。それが、話していて一番不安でした。
結局いつものとおり曲目だけを決めて、この曲ではこんな話をしよう、みたいなことを思いながらスタジオに入りました。ただし「こんな話」ということだけですから、その場で具体的な話にしなければいけません。どうせ事前に細かく考えておいても、話が始まったらそんなことは忘れてしまいます。ですからぶっつけ本番で行きました。トーク・イヴェントならその場で間違えてもつっかえても問題ないですが、ラジオじゃそうはいきません。ある程度、理路整然と話さなくてはいけないので、それがうまくできたかどうか、ひとりよがりの話になっていないかどうか、そこが心配です。
いまの心境は、放送が楽しみ半分、不安が半分といったところでしょうか。まあ、ぼくの話なんかはどうだっていいのですが、マイルスのひとがらみたなものがわかってもらえたらいいなぁと思っています。
選曲は一般的なものです。ぼくは常にストライクのど真ん中が好きですから、凝った選曲とか、マニアックな選曲はしません。それで以下のようなものになりました。いつもやっている「ONGAKUゼミナール」のラジオ版とでも思ってください。地方にお住まいのかたで「ゼミナール」に参加したいけれどできないかた、ぜひお聞きください。参加費は無料ですから(笑)
そうそう、この週は月~金で、他にビートルズ、ストーンズ、スティーヴィー・ワンダー、ビーチ・ボーイズ(だったと思います)の特集が組まれます。それぞれのアーティストに詳しいかたが出演してお話をするそうです。そちらもよろしく。
【songlist】
1.ビリーズ・バウンス/チャーリー・パーカー・クインテット
2.バプリシティ~『クールの誕生』
3.ディア・オールドストックホルム~『マイルス・デイヴィスVol.1』
4.ザ・マン・アイ・ラヴ(テイク1)~『マイルス・デイヴィス&ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ』
5.ランド・アバウト・ミッドナイト~『ランド・アバウト・ミッドナイト』
6.マイ・ファニー・ヴァレンタイン~『クッキン』
7.シャンゼリゼの夜(テイク3)(テーマ)~『死刑台のエレヴェーター』
8.ブルー・イン・グリーン~『カインド・オブ・ブルー』
9.サエタ~『スケッチ・オブ・スペイン』
10.イントロダクション~イフ・アイ・ワー・ア・ベル~『マイルス・イン・トーキョー』
11.オービット~『マイルス・スマイルズ』
12.ブラウン・ホーネット~『キリマンジャロの娘』