
ぼくは、ダイナミックな映画は映画館の大スクリーンで観たいと考えています。その点で、この映画は最高に満足できました。これまでの3作品もそうでしたが、『ダイ・ハード』は映画館向きです。こういうのは、家のテレビでちまちま観るものじゃありません。映画というメディアを存分に活用した作品だったと思います。
話は単純です。結果も最初からわかっています。絶対にブルース・ウィリスは死にません。しかも、死なせないことにたいした工夫もありません。とにかく、「絶対に死なないもんね」と居直った作りです。それでも楽しめるのですから、こういうのが娯楽作品の王道を行くものなんでしょう。
友人に当たり前だって笑われましたが、ブルース・ウィリスはぼくより若かったんですね。勝手に年上だと思っていました。まあ、それほど年は離れていないようですが。それでこのアクション。鍛え方が凄いんでしょう。ロッキーのシルヴェスター・スタローンにも驚きましたが、アクション・スターはやっぱりたいしたものです。

それにしてもこの映画、最初から最後までアクション・シーンの連続です。まったく中だるみがありません。次から次へといろいろなアクシデントというか出来事が発生し、休むひまがほとんどゼロという稀有な映画でした。こういうのは凄いです。
ぼくも、こういう本が書けたらいいなと思いながら観ていました。ジャズの本でも最初から最後まで、つまらないところがひとつもない本、そういうのが書けるなら、魂を売ったっていいですね。たいした魂は持っていませんから。
ぼくだって、いつも面白い内容の文章を書こうとは心がけています。ところが、そればっかりで一冊にすることは逆立ちしたってできません。そこが才能のなさです。あと、面白いエピソードや体験があったとしても、それを面白く伝える文章力がありません。同じ話でも、文章がうまいひとなら何倍も面白くできるんじゃないか? と思うことがしばしばです。でもいまさら自分のスタイルを変える気はありませんし、結局は楽な道を選んで、いつものスタイルで文章を書いています。

ところで今回の『ダイ・ハード』のテーマになっていたサイバー・テロっていうのはどうなんでしょう? やる気になったら、どのくらいのテロができるのか、これは深刻な問題です。至近な例でいうなら、このブログを運営しているexciteでも、この1ヵ月ほど不具合が続いています。これもサイバー・テロによるものかもと、どなたかがどこかのブログで書いていました。
大量に送られてくるトラックバックがサーバを重くしたとか。たしかに、無意味なトラックバックやコメントが大量に送りつけられていました。ぼくはうんざりしながらも、それを消去するのを一方で楽しんでいたんですが、スタッフは大変だったようです。
それにしても、どうしてこんなことをやるひとがいるのか? ひとの迷惑を考えなくなった時代の象徴みたいなものでしょうか。自分さえよければいいっていうひとがずいぶん増えてきたように思います。そういう風潮も、あちこちでいろいろな問題を引き起こす要因のひとつだと思います。

ぼくだって自分が一番可愛いし、自分さえよければいいと思いがちな人間です。でもそこで踏みとどまっているのは、見栄があるからです。ひとから見られてかっこ悪いことはしたくない。そういう気持ちは誰にもあるはずです。でもかっこ悪さの基準がひとによってまちまちですから、ここは自己規制をして、自分を律しておく努力も必要でしょう。
なんて、まったく自己規制をしないぼくが書くのもおかしな話なので、これは自分のことを棚にあげた見栄っ張りのたわごとと思ってください。でもたまにはかっこつけてみたいですし、みんなでそうしたら、少しは気持ちのいい世の中になるかもしれません。別に、現状にそれほど多くの不満を抱えているわけじゃないんですが。