
日々、気になるアルバムがたくさん登場していますが、今回はTraveling Wilburysのボックス・セットが出ましたので、そのことについて。
Traveling Wilburysは、ジョージ・ハリソンが中心になって結成された一種の覆面ユニットでした。といっても最初から正体はばればれです。ボブ・ディランとロイ・オービンソンの声は、ちょっと音楽好きのひとならすぐにわかってしまうほど特徴的ですから。そこにトム・ペティとジェフ・リンが加わったこの架空の兄弟、それぞれにちゃんと名前もあります(ネルソン・ウィルバリーはジョージ、オーティス・ウィルバリーはジェフ・リン、レフティ・ウィルバリーはロイ・オービンソン、チャーリーT・ジュニア・ウィルバリーはトム・ペティ、ラッキー・ウィルバリーはボブ・ディラン、だったかな?)。

この兄弟は2枚のアルバムを発表して消滅しました。『Traveling Wilburys Vol. 1』と『Traveling Wilburys Vol. 3』です。なぜか『Vol.2』はありません。それが海賊盤業者を喜ばせました。アウトテイクなんかを集めた『Vol.2』があちこちから出されたものです。
それはそれとして、長らく廃盤になっていたこの2枚、今回めでたく未発表4曲とDVDもつけての3枚組で米Rhinoから再発されました。嬉しいのは、通常のパッケージと布張りスリップ・ケース入りのデラックス・エディションの2種類が登場したことです。
いまのところEU盤はなくUS盤のみで、来月は国内盤が出ますが、それはUS盤のデラックス・エディションに解説をつけたものになるみたいです。もちろんそれも買います。あとは、2500枚限定で出された7インチ・シングルもあって、こちらは「Handle With Care」と「Handle With Care (EXTENDED VERSION)」のカップリングでした。それから3枚組のLPがEU盤で発売されるとHMVのWEBサイトに出ています。9440円と異常に高いですが、これも買わなくちゃ。

今回の目玉はDVDでしょうか。24分のドキュメンタリーにPVが5曲という構成。しかもこのDVD、日本語字幕もついています。泣けるのは「End Of The Line」です。
ロイ・オービンソンは『Vol.1』が発売された直後に急死しました。それで最初に制作されたPVの「Handle With Care」には5人が揃って登場していましたが、その後に作られたこちらは、列車の中でトム・ペティの歌うシーンが中心になっているのですが、ロイさんは写真とギターでの登場です。
彼のヴォーカルがフィーチャーされるシーンでは、ゆり椅子にギターが立てかけられ、それがゆっくり揺れています。額に入ったポートレイトも棚に置かれています。何だかじーんとしてしまいました。そういうわけで、その後にレコーディングされた『Vol.3』は4人によるものです。ジャケットに写っているのも4人です。
聞くところによると、ロイさんの死因は心臓病だったそうです。享年52歳。キャリアを考えるともっと年上の気がしていたのですが、思っていたより若い。母親の家で倒れて病院に運ばれたといいますが、手遅れでした。ぼくも実家で倒れたらどうなるだろう、なんて不吉なことを思うのはやめておきます。そのときはそのときですから。

それにしても、このデラックス・エディションはいいですね。写真でわかるでしょうか? 通常盤にハード・カヴァーのブックレットと封筒がついていて、封筒の中には写真や限定ナンバーが印刷された証明書、スティッカーなどが入っていました。こういうのにマニア心はくすぐられます。

今月はポールの新譜も出て、久々にビートルズ関連が充実しました。こちらはUS、EU、日本盤と3種類、やはりデラックス・エディションがあり、EUから出た通常盤にもブックレットの別ヴァージョンがあり、さらにはスターバックスで売っているCDはEUの通常盤ですが、ステッカーがついているのでそのためだけで買いました。あとはアナログLPもこれから出ますし、シングルもCDと7インチ盤があります。さらにはプロモ・シングル(CD)もあって、それらを追いかけるのに嬉しい悲鳴をあげているところです。
こちらもまだ全部は発売されていませんので、それらが揃ったらこのブログで紹介(自慢?)するかもしれません。