昨日は新装なった駒場の「Orchard Bar」で第14回「Ongakuゼミナール」をやってきました。テーマはジャズ・ギター。といってもオーソドックスなジャズ・ギターは前半のみで、後半はぼくがプロデュースしたものの中からギタリストの演奏を集めたので、こちらはフュージョン系でまとめました。
ラインアップを眺めて気がついたことがあります。選んだギタリストのほとんどが白人でした。意図したわけではなく、好きで聴いていたものを並べたらそういう結果になっただけです。ということは、ぼくは白人ギタリストが好きだったんですね。音色を大切にしているギタリストが好きなので、そういう結果になるんでしょう。
そこで昨日ですが、自分も学生時代にジャズ・ギターをかじっていたので、そのことを振り返りつつ、1曲ずつ聴いていきました。選んだのは16曲。それだけで1時間20分くらいの量がありますから、最初から全曲かけられるとは思っていません。いつものとおりで、行きあたりばったりです。「できれば全部聴きたいなぁ」という願望で選びました。案の定、3曲ほど省略しましたが、ぼくとしてはいいほうでしょう。
用意していったのはこんな曲です(*のあるものは省略しました)。
【前半】
1. Modern Jazz Quartet & Laurindo Almeida/Foi A Saudade(2:37) from『Collaboration』(Atlantic)
2. Tal Farlow/They Can't Take That Away From Me(5:45) from『The Swingin Guitar』(Verve)
3. Kenny Burrell/As Long As I Live(2:44) from『A Generation Ago Today』(Verve)
4. Herb Ellis/Pap's Blues(7:09) from『Nothing But The Blues』(Verve)
5. Barney Kessell/Volare(4:23) from『The Poll Winners Ride Again!』(Contemporary)
6. Joe Pass/For Django(3:24) from『For Django』(Pacific Jazz)
7. Jim Hall/Autumn Leaves(6:54) from『Jim Hall & Ron Carter/Alone Together』(Milestone)
8. Larry Coryell/Onw, Two, 1-2-3-4(5:58) from『Gary Burton/Duster』(BMG)
9. Wes Montgomery/When A Man Loves A Woman(2:54) from『A Day In The Life』(A&M)
【後半】
10. 布川俊樹/Parrot Cops comming Soon(5:09) from『布川俊樹/Valis』(クラウン)
*11. Ralph Towner/Oprah Mode(6:36) from『Vince Mendosa/Start Here』(Fun House)
12. John Scofield/Jung Parade(7:44) from『Vince Mendosa/Instructions Inside』(Fun House)
13. Mick Goddrick & John Abercrombie/Like Someone In Love(5:55) from『Harvie Swartz/Arrival』(BMG)
14. Jimi Tunnell/Not 4(5:35) from『Trilateral Commission』(Glass House)
*15. Bobby Bloom/Viglance(5:00) from『ESP/ESP』(Glass House)
*16. Jon Herington/Major Tom(5:30) from『The Complete Rhyming Dictionary』(Glass House)
これらの演奏を聴いていて、やっぱりギターはいいなぁとつくづく思いました。前半にかけた9曲は、すべてその昔、自分でも弾いていた曲です。当時のことが思い出されて、懐かしくもありました。
曲の順番は、自分が勉強していった順番でもあります。1でボサノヴァ、2でシングル・ノートの弾き方、3で音色、4でブルース、5・6でシングル・ノートとコードのバランス、7でベースとのデュオを学んだということです。8はあまりにも難しくて轟沈しましたが、9ではオクターヴ奏法の練習もよくやりました。いってみれば、これら9曲はぼくがジャズ・ギターを弾く上でのお手本でした。
いまもギターを弾いているなら、実際に「こんな風にやっていたんだよ」とデモンストレーションもできたでしょうが、でもそれをやったら5曲目くらいでタイムアップしちゃいそうですから、やっぱり無理ですね。
昨日は、初めてのかたにも何人か参加していただきました。このところあんまりひとが集まらないので、これはとても嬉しいことです。久しぶりのかたもいらしてくれましたし、何とか形になりました。みなさんどうもありがとうございました。とりあえず、次もやろうとは思っています。
ところでまったく関係ないことですが、いま話題のビリーズ・ブート・キャンプ。はまっているひとが多いようですが、そのうちのどれくらいのひとが体重を減らしたあとのことを考えているんでしょう?
テレビでも「痩せられる」ことしか触れていませんが、大切なのはその体重を維持することです。「痩せたら終わり」ではなく、「痩せたところから実は始まる」ことをどれだけのひとが認識しているのか、おおいに疑問に感じています。
痩せたあとにまた体重が戻る。これってとても危険です。イージーに痩せることは考えないほうがいいと思います。リバウンドはとても怖いことです。そのことを念頭に入れて、ウェイトロスに励むのでなくては、ビリーズ・ブート・キャンプもそのほかのダイエットと称している方法も、ある意味害悪です。
ぼくは体重を減らしましたが、それから現在まで、それを維持するのにかなり気を遣っています。これから先もこのままでいるためには、ずっと食事制限と適度な運動を続けていかなくてはなりません。ひとにそこまで覚悟しろとはいいませんが、でも健康のために体重を減らすというのはこういうことです。イージーな気持ちからはやらないほうが、却って身のためです。
日本人ってすぐ流行に乗っかるので、ちょっと危険な匂いを感じました。まあ、どうでもいいといえばどうでもいいことなんですが。おせっかい、失礼しました。