このところブログの接続が悪いと思っていたのですが、exciteのシステムに不具合があるみたいです。繋がったり繋がらなかったり、写真が全部表示されなかったり、接続までに時間がかかったりと、いろいろ不便が生じています。一刻も速く復旧することを願いつつ、本日も更新します。
おととい、『プレステージ』を六本木の「TOHOシネマ」で観てきました。封切り2日目ですから、まだ満員です。半年前に機内で観た『イリュージョニスト』と同じで、時代は19世紀。舞台はあちらがウィーンだったのに対し、こちらはロンドンです。
そのころって、こういう大掛かりなマジックが劇場で評判を呼んでいたんでしょうか。いわゆる小手先の手品ではなく、瞬間移動など大掛かりな装置を使ってのマジックです。いまの世の中なら仕掛けもいろいろできるでしょうが、1世紀以上も前なら複雑なものは作れません。いまも行なわれているマジックの原型みたいなネタも登場しますし、種明かしもありますから、130分の長編でも最後まで飽きずに観れました。
ストーリーは、振り返ってみればそれほど複雑ではありません。ですが、映画を観ながらだと、「ここはどうなっているんだろう?」とか、「さっきのせりふは何だっけ?」などと考えてしまうので、ちょっとよくわからないところも出てきます。ぼくの理解力不足のせいもありますが。
ぼくはマジック好きで、いわゆるイリュージョン物がテレビで放送されるときはよく観ます。さすがにライヴは観にいきませんが。大きな劇場だと細部が見えないでしょう。それだとつまらないんじゃないかな? と思うからです。
テレビだとあちこちの角度から映してくれますし、何度もリプレイしてくれます。それがいいですね。絶対に仕掛けがあるはずですが、まったくわからないものばかりです。ガラスを通り抜けたり、果物の中から卵が出てきたり、コーラの缶が中身も外見もビールになっていたりと、観ているだけで楽しいですね。
それはそうとこの映画、デヴィッド・ボウイが出ていたんですね。ニコラ・テラスという、エジソンのライヴァルみたいなひとの役を演じていました。割と普通の老人のいでたちです。役柄上しかたないのでしょうが、憧れのひとはいつもかっこよくあってほしいというぼくの願望がちょっと破られました。残念。
デヴィッド・ボウイの映画では、20年くらい前に公開された『ビギナーズ』がよかったですね。ロンドンで起こった「ジャズで踊ろう」のムーヴメントを伝えるような内容で、ギル・エヴァンスの音楽が使われたり、劇中にブルーノートのアルバム・ジャケットが登場したりしました。
ボウイでは、もうひとつ書いておきたいことがあります。先週ですが、紙ジャケットでソニー時代の作品が発売されました。それで改めて聴き直してみたんですが、結構よかったですね。ブライアン・イーノとのプロジェクトとかがあって、昔のボウイに比べるとかなり実験音楽的です。その先鋭的な姿勢がまったくぶれていないところに、触発されるものが多かったです。
今回出た5枚は、すべてリミックス集みたいなものがついた2枚組仕様になっています。そのボーナス・ディスクに収録されたリミックス・ヴァージョンも面白くて、原稿を書くときに流しているんですが、しばしば耳を傾けてしまいます。
ソニーですから、紙ジャケットの感じや内袋の再現などもほぼ満足ができるものです。ディスク・ユニオンで5枚まとめて買うと特製のボックスがもらえます。しかも、ソニーでも今回はボックスを作っていて、こちらは封入された応募券を送ると、そのうちに届くことになっています。
ボックスが2種類。「そんなに箱を溜め込んでどうする」と思いつつ、いそいそと応募券を切り抜いて、はがきに貼って投函しました。こういうささやかな楽しみとか喜びが人生には必要なんです。
映画の話からデヴィッド・ボウイの紙ジャケットになってしまいました。でもやっぱり『ジギー・スターダスト』が好きかな? そういえばときどき買っているGenesis社の豪華本。一番新しいのはボウイの本なんですね。自分の誕生日プレゼントに買おうかどうか迷っています。でも295ポンドはちょっときついか。負け惜しみじゃないんですが、こういうことに悩めるのも幸せってものですよね。