そういえば、「マイ・コレクション」というカテゴリを作っていたことを忘れていました。そこで今日は久々に「マイ・コレクション」です。
数日前、ソニーのディレクターから電話がありました。5月にリリースするスライ&ファミリー・ストーンのアルバムに使う帯を探しているけれど、持っていないかとのことでした。残念ながら、該当する国内盤は持っていません。というわけで、協力はできませんでした。
このところ、ロックの紙ジャケはかなりすごいことになっています。中でもソニーの紙ジャケは満足度が高くて、いつも注目してきました。帯もアナログ盤についていたものを再現していますし、内袋やジャケットの質感までかなり納得ができます。
こちらはソニーじゃありませんが、本日発売のブラック・サバスの紙ジャケも究極に近いものです。ジャケットのコーティングやエンボス加工、内袋などの付属品、レコード番号(これ大事です)など、オリジナル盤に相当忠実な再現がなされています。今回は、これまで版権の関係で使えなかったVertigoのロゴ・マークまできちんと印刷されています。
さて、電話をもらったことからソニーの帯つきアナログ盤をチェックしてみました。初期に発売されたレコードには、「被せ帯」と呼ばれるものがつけられています。ぼくはこの「被せ帯」フェチなので、中古盤店でソニーの「被せ帯」がついているレコードがあれば、トリオ・ロス・パンチョスでもパーシー・フェイスでも、目につき次第買ってしまいます。そこで、今日はその「被せ帯」盤からいくつか紹介しましょう。
①『スライ&ファミリー・ストーン/スタンド!』(ECPL-26)

ぼくが持っているスライの「被せ帯」盤はこれ1枚でした。これは彼の作品中もっともポピュラーなアルバムですね。それでも、買えば7~8000円はするんじゃないでしょうか? エピックの黄色い帯も魅力です。キャッチ・コピーは「狂気の現代に鮮烈なるブラック・パワーを!」。うーん、時代を感じます。
②『ユニオン・ギャップ/ウーマン・ウーマン』(SONP-50006)

ぼくが持っているCBSソニー盤で一番古いレコードです。CBSソニーのポピュラー系はSONPの50001番から始まっています。したがってこれは最初の1枚でした。シュリンクも残っていてかなりいい状態です。「人気沸騰! 待望のLP第一弾」。非常にオーソドックスなキャッチ・コピーです。

初期のレーベルはこれで、しばらくすると2色のものに変更されます。
③『ドノバン/ハーディー・ガーディー・マン』(SONP-50045)

これもCBSソニーの初期に出された1枚です。タイトルのあとに「最新盤」とクレジットされています。当時のドノバンはロックにも進出し、ジェフ・ベック・グループと共演するなどして注目されていました。そういえば、このころの加藤和彦さんは「トノバン」と名乗っていましたっけ。キャッチ・コピーは「あふれる幻想とイマジネーション。今世紀が生んだ最大のメルヘン。ドノバンの夢の世界がここにある!!」。そうそう、「メルヘン」がドノバンのキーワードでしたね。
④『フリートウッド・マック/英吉利の薔薇(イングリッシュ・ローズ)』(SONP-50057)

『アル・クーパー/アイ・スタンド・アローン』のジャケット・デザインを用いた「ニュー・ロック・シリーズ」のロゴ(真ん中やや右にあります)が懐かしいです。「SX68サウンド」(右はじのロゴ)もCBSソニーの売りでした。SONPシリーズは定価が1800円でしたが、数年後に2000円に改定されます。これはその時期に買ったのでしょう。キャッチ・コピーは「フリートウッド・マック!! 快心のデビュー・アルバム登場。これがモダン・ブルース・ロックだ!!」というもの。ロックが新しいうねりを感じさせるようになった時代にリリースされました。
⑤『マイルス・デイビス五重奏団/マイルス・イン・ザ・スカイ』(SONP-50023)

最後にマイルスを。これもCBSソニーの第1回新譜と記憶しています。この時期のCBSソニーは、ジャズならマイルス、ロック系ならボブ・ディランやバーズなど、会社を立ち上げる以前に出ていたレコードを毎月何枚かずつリリースしていました。ただし、これは新譜です。ジャズなら、このレコードとセロニアス・モンクの『アンダーグラウンド』が新譜として最初に出たんじゃなかったかな? 「孤高のモダン・ジャズを創造するトランペット、マイルスが展開する“音”への探求を収録!」。あのころの自分が目に浮かびます。