
マーティン・スコセッシは大好きな監督のひとりなので、この映画、気になっていました。2時間20分くらいでしょうか? そこそこ長編ですが、最後まで飽きずに観ることができました。ただし最近の映画はどうしてこんなに簡単にひとを殺しちゃうのか、そこがあまりいい感じはしません。
ストーリーが単純なようで複雑で、なんていえばいいんでしょう? 理解力がめっきり低下してきたぼくは、わかったようなわからなかったような、それで結局わかったつもりになって映画館を出てきましたが。
香港映画のリメイクということで、舞台がボストンになっています。そこにちょっと無理があるかなぁと感じました。だって、ジャック・ニコルソンがボス役を演じるアイリッシュ系マフィアが、街のチンピラ集団に毛がはえた程度にしか見えないからです。それを州警察が総力を挙げて撲滅しようとすることに、ギャップを感じたんですね。州警察をあげて作戦を練るほどの大物? という点にひっかかりました。

舞台が香港なら、香港マフィア対香港警察の構図で、ギャップを感じなかったかもしれません。リメイクだからといって、舞台をアメリカにする必要があるんでしょうか? スコセッシが香港で映画を作ったらもっと面白かったのに、と単純に思っただけですが。
でもそんなひっかかりはあったにしても、映画そのものは面白かったです。あと、エンドロールを観ていて、製作者のひとりがブラッド・ピットであることを知りました。映画ファンの間ではこれも話題になっているんでしょうね。

ところでマーティン・スコセッシといえば、最近気になっていることがあります。ストーンズのドキュメンタリー映画を作るというんですね。来年の公開を予定して、年内に撮影が始まるというニュースをしばらく前に聞きました。
『ディパーテッド』でも「ギミー・シェルター」と「レット・イット・ルース」が使われていましたし、映画監督にならなかったらロック・ギタリストになっていたかもしれないと口にするほどのロック・ファンですから、楽しみです。ロック映画の名作と呼ばれている『ラスト・ワルツ』もスコセッシが監督していましたしね。
ただし、この映画、演奏シーンは文句なしに素晴らしいのですが、インタヴューのシーンや内容、つまりライヴ以外は面白いと思いません。あまりにも演奏がすごいことと、ゲストとの共演が衝撃の連続なので、余計なものはないほうがいいのでは? と思います。ライヴ以外のシーンが挿入されることで興がそがれるといえばいいでしょうか?
ロック・ファンが監督したため、ファンの部分、あるいはよく知っている部分が、映画としての完成度を邪魔したとぼくは感じました。もっと、淡々とライヴを時系列で追ってもらうほうに興味があります。そういうわけで、ストーンズのドキュメンタリーですが、スコセッシ監督にはあまり張り切って演出せずに、自然な形で淡々と彼らのすごさを伝える内容にしてもらいたいと思います。
しかしそこは巨匠です。当然、監督として主張を出してくるでしょう。また、出さなければスコセッシが監督する意味はないんでしょうから。そこが、両方のファンであるぼくとしては痛し痒しですね。
でも、いずれにせよこのドキュメンタリー、完成すればやがてDVDが発売されることになるでしょう。となれば、これでぼくのコレクションがまた増えます。それはそれで、内容とは関係なく嬉しいことではあります。
てなことで、今日も何がなんだかわからない戯言を書いてしまいました。