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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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2007-02-07 Kenny Garett@「ブルーノート東京」
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 新作『ビヨンド・ザ・ウォール』の発表を来月に控えたケニー・ギャレットが来日しました。ケニーとは、その昔、彼のリーダー作をぼくがプロデュースすることで話がまとまりかけていたこともあって、いまもつき合わさせてもらっています。レコーディングは残念ながら実現しませんでしたが、その後にワーナーと契約し、現在まで充実したアルバムを何枚も発表してきたことは、ファンならご存知でしょう。

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 ケニーとは留学時代に知り合いました。25年くらい前のことです。最初はただの顔見知りでしたが、親しくなったのは、新生ブルーノートが肝いりで結成したアウト・オブ・・ザ・ブルー(OTB)に参加してからです。グループのお披露目は、1985年にニューヨークで開催されたコンサート「ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート」の打ち上げパーテでした。
 コンサートでは、ブルーノートの再スタートに合わせて、新旧のブルーノート・アーティストが一堂に会し、4時間以上にわたって「タウン・ホール」でさまざまな顔合わせのセッションが繰り広げられました。前日に行なわれたリハーサルを覗きにいったところ、ぼくはたまたまやってきたアルフレッド・ライオンと知己を得ます。コンサート終了後のパーティではハンク・モブレーと言葉を交わしました。そのパーティで演奏していたのがOTBです。
 そして、このときに会話をしたことからケニーとは仲良くなりました。この時点で、彼はすでにスター候補生として注目されていました。そして、OTBも《新時代のジャズ・メッセンジャーズ》とか《新人の登竜門》的なグループとして大々的に売り出され、やがて注目を集めるようになります。
 このグループとは不思議な縁があって、レコーディングにも立ち会いましたし、「トップ・オブ・ザ・ゲイト」で行なわれたデビュー・ライヴも観ました。さらには、そのライヴに向けてのリハーサルも覗いています。彼らはニュージャージー州にあるラトガース大学の教室を借りてリハーサルをしていたのですが、そこで全員のインタヴューもしました。これが、OTBとしては世界で最初のインタヴューです。
 やがてケニーはマイルス・デイヴィスのバンドに抜擢され、さらにはジャズ・メッセンジャーズにも参加し、二足の草鞋ではなく三足の草鞋を履くようになります。ただし、こんな無茶苦茶なことは長続きしません。そこで、彼はマイルスのバンド一本に絞って活動に専念します。

 ケニーのライヴについて書こうと思っていたのですが、話が大幅に逸れてしまいました。昨日のブルーノートでは、前回ニューヨークで観たライヴ(昨年の5月)と演奏スタイルやメンバーはほとんど同じでした。
 ここ数年、ケニーのプレイは過激になっています。まるでジョン・コルトレーンのようなアグレッシヴさが、素顔の彼とは違和感を感じさせるほどです。どこにこれほどまでに攻撃的な部分があるのか、それが不思議で仕方ありません。非常に挑戦的なスタイルといってもいいほどで、まるで何かに怒りをぶつけているようにも思えました。
 しかし、それも前半までです。ステージの中盤から雰囲気が変わりました。ピアノとのデュエットで、「アジアン・メドレー」が叙情味たっぷりに演奏されます。こういう美しい響きもケニーの魅力です。今回は、これまでの「赤とんぼ」「アリラン」「翼をください」に、「荒城の月」も加えられていました。これが終わるとカルテットでの演奏に戻りましたが、後半は穏やかな響きにケニーらしさを感じました。

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 演奏が終わってから、短い時間でしたが話もしてきました。「まるでコルトレーンみたいだった」との感想に対しては、「そうですか?」と日本語で返事を返します。そうそう、前回ニューヨークで会ったときのケニーは日本語を忘れかけているといっていましたが、昨日はかなり日本語で話をしていました。
 ぼくの前にレコード会社のひととプロモーションについて打ち合わせをしていたのですが、すべて日本語で通していたのですからたいしたものです。それでぼくとの会話は、いつもそうですが、ケニーが日本語、ぼくが英語という珍妙なものになります。昔は、ぼくも極力日本語を使っていたのですが、せっかちなぼくは英語のほうが手っ取り早いということから、いつの間にか基本は英語になってしまいました。

e0021965_2317159.jpg すでにプロモーション盤で聴いていたので、新作についても少し話しをしました。今回は中国やスマトラ沖の津波に触発された曲があったりで、以前からケニーが興味を持っていた東洋的なものにテーマが求められています。そこで、「アジアン・メドレー」に中国の曲も追加したら? と提案したところ、「フーム」としばし考えていました。

 ケニーは9.11によって、音楽家としての自分を見つめ直している節があります。『ハッピー・ピープル』というアルバムのライナーノーツを書くため、インタヴューしたときです。彼はこんなことを話してくれました。
「レコーディングの初日はテロの当日だった。ぼくたちはロスのスタジオで偶然にそのニュースを見たんだ。最初は何が起こったのか理解できなかった。ようやく事態が飲み込めてからは、みんなでニューヨークにいる家族や知り合いが無事か電話をしまくった。とにかく言葉ではいい表せないショックに全員が襲われた。とてもレコーディングができる心理状態じゃなかった」
 しかし全員で話し合った結果、この気持ちを創造力に変えて演奏にぶつけたら、いつもと違うことができるんじゃないかという結論に達したそうです。そこで何度も中断をしながら、レコーディングは行なわれました。しかも大半の曲がその日のうちにほぼ完成してしまったのです。
「不思議なことに、ああいう想像もつかない悲劇が起こると、人間は何かに気持ちを集中していたほうが落ち着くんだね。だからレコーディングすることで、いろいろな思いを断ち切ることができた。それが精神の集中に繋がった。それとぼくたちが演奏することで、ひとびとをハッピーにすることができるかもしれない。これがアルバムのコンセプトだから、レコーディングを中止にしなくてよかった」

 これ以来、ケニーの音楽は変わったとぼくは思っています。何かに怒りをぶつけているみたいだと書きましたが、テロに対するぶつけようのない憤りなのかもしれません。こういうことは立ち話ではしたくないので、そのうちどこかでケニーに聞いてみようかなとは思っています。

 今回も長々とすいませんでした。今日はこれくらいにしておきます。
by jazz_ogawa | 2007-02-07 23:27 | ライヴは天国 | Trackback(2) | Comments(2)
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Commented by はるちー at 2007-02-08 10:51 x
はじめまして。こんにちは。
「まるで何かに怒りをぶつけているよう」という表現にハッとしました。
私は今回、東京ブルーノート初日第1部に行ったのですが、あの独特の空気はそれだったのだと確信しました。息苦しいけれども目を一時も離せない緊張感といいますか……。素晴らしいご解説、ありがとうございます!

Commented by jazz_ogawa at 2007-02-08 14:59
はるちーさん、ここ数年、ケニーは充実しています。その勢いがライヴにも表されているのだと思います。
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