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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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3.19:ジャズメン、ジャズを聴く!


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2006-12-12 上原ひろみ@国際フォーラム
e0021965_22312125.jpg
 けた違いのスケールです。ロマンと鋭さが混在したプレイとでもいえばいいでしょうか。昨日、国際フォーラムの「ホールC」で聴いた上原ひろみさんのコンサートは、ぼくがイメージしているジャズ・ピアノ、あるいはピアノ・トリオの概念をこれまで以上に破壊してくれるものでした。
 ステージでホップしている上原さん。スナップの効いたタッチが小気味よかったです。スピード感に溢れたプレイは、まるピアノを相手にテレビ・ゲームでもやっているような印象を覚えました。意味不明の描写かもしれませんが、彼女の手元を見ていると、高度な訓練を受けたゲーム・マニアが思い浮かんだのです。もっともゲーム・マニアは訓練なんか受けませんから、これまた意味不明ですが。

e0021965_22313649.jpg 上原さんのピアノは感情のおもむくままに発展していきます。キース・ジャレットと同じで、ピアノにずっとすわっているようなことはしません。立ち上がり、体ごとリズムを取り、両手から紡ぎ出されるフレーズに合わせてハミングをしてと、にぎやかです。
 元気一杯のプレイは、聴くものの心を鼓舞してくれます。いつの間にか上原さんの世界がホール全体を包み込んでいました。彼女のプレイを聴くと、テクニックがどうだ、音楽性がどうだ、といったことが卑小なものに思われてなりません。
 一般的な形での評価がどれほど意味のないことか。音楽は楽しめればいい。そんな根源的なことが一番大切だったことをいまさらながらに痛感させられました。

 上原さんは本当にピアノを弾いているのが楽しいんでしょう。そのことが客席から見ていてもよくわかります。笑顔がなんとチャーミングなことか。演奏だけでなく、しぐさや表情も含めて、楽しさが伝ってきます。
 これがライヴのいいところです。そのときだけの真剣勝負。それを素晴らしいものにするのは、ミュージシャンだけではありません。ぼくたち会場に集まったお客さんがどれだけ演奏を楽しんでいるか。上原さんは、拍手や掛け声などからそれを敏感に感じ取っているんでしょう。演奏とお客さんの反応がひとつになる。ぼくはその雰囲気が好きでライヴに通っています。

e0021965_22315218.jpg 上原さんの場合、燃え尽きるほどの熱演も、聴いていて気持ちがいいものです。ベースのトニー・グレイとドラムスのマーティン・ヴァリホラで組んだトリオも息がぴったりで、快調そのもの。時間をかけて育んできたチーム・ワークが、彼女のピアノに最高のサポートを示していました。
 エモーションの高まりがプレイにさらなるスリリングな展開を生み出します。これもライヴならではの楽しみでしょう。上原さんは、若々しい感性とこみ上げてくる感情をピアノにぶつけます。
 次はどうなるのか。展開の予測がまったくつかないところも、彼女のステージの楽しみです。ジャズを超えたジャズ。型破りなプレイは、ジャズであってジャズでないような、それこそ上原さんにしかできない音楽です。
 それでも、ジャズ・ピアニストとして素晴らしい表現力の持ち主であることをはっきりとわからせてくれた瞬間がありました。コンサートの終盤で披露してくれたソロ・ピアノです。季節柄「ザ・クリスマス・ソング」のメロディを美しく奏でながら、ときにストライド・ピアノ風のコード・ワークを示したり、ゴスペルのような音の重ねかたをしたりしていきます。ジャズの伝統やルーツもきちんと、それも見事な形で自分のものにしていることがこれでわかりました。

 上原さんのようなピアニストは、あらゆるジャンルを見渡しても稀有な存在ではないでしょうか。ぼくはすべての音楽を熟知しているわけではありません。むしろ全体から見れば限られた音楽しか聴いていませんし、乏しい体験や知識しかありません。そのことを棚に上げていわせてもらうなら、彼女ほど奔放で、素直で、思いのたけを何の衒いもなく楽器にぶつけてくる音楽家をほとんど知りません。ですからCDで聴くのも楽しいんですが、それ以上にライヴに心を大きく揺さぶられます。

 終演後、楽屋にうかがったところ、「東京JAZZ」の前夜祭で会ったことを覚えていてくれました。これも嬉しかったですね。いろいろなひとと会っていても、相手のことを覚えている。それがたいへん苦手なぼくは、自分の娘と同じ年齢の上原さんに大切なことを教えられました。それで、ますます彼女のファンになった次第です。
 来年の2月21日には新作が出るとのこと。そちらも待ち遠しいですね。
by jazz_ogawa | 2006-12-12 23:16 | ライヴは天国 | Trackback(1) | Comments(10)
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Tracked from Just Touch T.. at 2006-12-16 10:18
タイトル : ひろみのLIVEっていいな。 “上原ひろみ ASIA T..
今までこのブログでは、上原ひろみさんを何度も取り上げてきました。 彼女が間違いなく、世界最高水準の旬のピアニストで、その感性がボクには、 実に心地の良い音楽家だからです。 今回は、まだ余韻覚めやらぬ状態でLIVEの報告を。 “上原ひろみ ASIA T...... more
Commented by jjj♪ at 2006-12-13 13:46 x
私は先週金曜日に昭和女子大/人見記念講堂での矢野顕子さんとのセッションを見てきました。
上原さんのピアノを生で聞くのははじめてだったんですが、パワーあふれる演奏と笑顔に圧倒されました。
矢野さんと上原さんの個性がぶつかって、見事に融合していく様子はキラキラしてました。
お互いがお互いをリスペクトしてるからこそのすばらしさなんでしょうね~!!
Commented by forcek at 2006-12-13 15:14 x
小川さん、上原ひろみがnordLeadを弾くKung Fu World Championは俺も好きですが(Returnも笑)、まさに「ピアノを相手にテレビ・ゲームでもやっているような印象」はイイ描写だと思います(笑)ホントに「一般的な形での評価がどれほど意味のないことか。音楽は楽しめればいい。そんな根源的なことが一番大切」に尽きますねー、この部分を読んでまたマイルスの顔がよぎりました(笑)
Commented by jazz_ogawa at 2006-12-13 23:27
jjj♪ さん、ぼくもそのライヴに行きたっかたんですが、行きそびれました。よかったでしょうね。とにかく上原さんは型破りのピアニストです。型破り派の先輩が矢野さんでしょうか。両者のぶつかりあい、観たかったなぁ。
Commented by jazz_ogawa at 2006-12-13 23:29
forcekさん、そうですね。音楽はまったく違うけど、マイルスに通じるものが上原さんの演奏にはありますね。スピリットみたいなものでしょうが。
Commented by だいすけ at 2006-12-14 03:27 x
私も、かつて上原さんが情熱大陸に出たときからのファンです。
アルバムも3枚全部持っています。特にスパイラルが好きです。
今回のコンサートは兵庫、東京の国際フォーラムと矢野顕子さんとのセッション、の3つをネットの抽選で申し込んだのですが、すべて落選しました。当日販売も挑戦したのですが、うりきれていました。
 どうやら僕はチケットをゲットするスキルにかけているようです。今度はその方面の達人に素直に教えを請おうと思ってます。
 上原さんって独特でなんかすごい事をやってくれそうないい顔してはりますよね!来年こそはチケットをゲットいたします。
Commented by jazz_ogawa at 2006-12-14 07:56
だいすけさん、今回のチケット、本当に入手が大変だったようですね。人気もうなぎのぼりですし、彼女にはそれに見合う才能もあると思います。しかも世界的な人気を獲得中で、今後がおおいに楽しみです。
Commented by こーいちろー(名古屋) at 2006-12-16 10:16 x
>上原さんは本当にピアノを弾いているのが楽しいんでしょう。

初めまして!↑正に上原ひろみさんは、このひと言ですね!
彼女が楽しんでるから、会場の私たちも楽しくなる。。。
音楽って、本来、こういうものなんじゃないか、と気付かせてくれます。
ボクは先日、愛知厚生年金会館のライヴへ行ってきたのですが、
もう出来ることなら、世界中の彼女のライヴを“追っかけ”したいくらいです(笑)
Commented by jazz_ogawa at 2006-12-16 10:35
こーいちろー(名古屋) 、コメントありがとうございます。「世界中追っかけたい」気持ちわかります。外国で観たら、日本人としてもっと誇らしい気持ちになれるでしょうね。今後の彼女もおおいに楽しみです。
Commented by 川原孝文 at 2006-12-17 01:08 x
 僕は何故かオスカー・ピーターソンを思い出します、なんかようわからんけど。「となりのウィントン」「jazz×文学」読ませていただきました。ひとつひとつのエピソードが普通の人だったら、10年は語れるネタで驚きました。またマイルズを久しぶりに聴きたくなりました。頑張ってください。
Commented by jazz_ogawa at 2006-12-17 08:54
川原孝文さん、ありがとうございます。ぼくも上原さんのピアノからピーターソンを感じていました。
それから拙著、お読みいただき、嬉しく思っています。来年も何冊か出版が決まっています。今後もよろしくおねがいします。
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