買ってしまいました、新しいiPODを。2~3日迷ったんですが、80Gで42800円は、これまでのモデルを考えれば安いものです。というか、こんなに楽しめるツールがこの値段ならとても安い感じです。だってCD20枚くらいの値段でしょう。つまらないCDを買ってそのままになってしまったものだって何千枚かあるいはもっとあるような無駄遣い人間なんですから、買い物としては安い部類に入るでしょう。
ところが、それでも買う前にはいろいろ悩みます。出たばかりの機械っていうのは何かと不具合があるものだから、しばらくしてから買ったほうがいいとか、まあそんなことなんですが。それにぼくのコンピューターの容量は80Gなんで、フルには使えないですし。しかし現物を見てしまうと我慢できないのは、レコード屋さんに行ったときと同じです。高いLPを買って一度も聴かずに仕舞ってしまうことを考えれば、iPODほど元が取れる買い物もありません。本当に安い機械だと思っています。
実はちょっと危ないことがありました。これまで使っていたiPODが壊れてしまったんですね。修理するには新品を買うくらいの費用がかかるといわれて、2世代くらい前のモデルだったんで、その場で新しいのを買って帰ろうと思ったんです。しかしまだ2台あるから少し我慢しよう。そう思い直して家に帰りました。
するとどうでしょう。翌日の朝刊で新しいiPODが発表されたではないですか。慌てて買わずによかったと思いましたね。もしあのときアップル・ストアでiPODを買おうとしたら、店員さんは「ちょっと待ったほうがいいですよ」とかいってくれるのでしょうか? それとも黙って売ってしまうのか。そのこと、ちょっと知りたいと思いませんか?
これでまたiPODが3台になりました。ぼくはiPODのためにコンピューターを買っているようなところがあります。それぞれのiPODには、ロック、和物、ジャズを入れています。一台のコンピューターにはひとつのiTUNEしか入れられないんですよね? そのあたりのことが、コンユーター音痴のぼくにはわかりません。どのみち複数のiTUNEが入れられたとしても、3台のiPODの容量には到底足りないので、結局はいつもiPOD用に安いコンピューターを買うはめになります。
それで今度もそのうち容量の大きなコンピューターを買わなくてはということになっているんですが、他人から見ればそういう無駄遣いのようなことを併せても、ぼくの生活や人生を考えたらiPODは本当にいい買い物です。よっぽど車より重宝しています。
だって子供のころからジュークボックスがほしかったんですから。それが、ジュークボックスの何千倍もの音楽がポケットに入ってしまうんですよ。ブルーノートの全レコーディングがポケットに入ってしまうなんて、考えただけでもわくわくするじゃないですか。
ニューヨークに留学したころは、やっと録音ができるウォークマン(もちろんカセットです)が登場してきたころです。どうせ向こうに行ったら貧乏生活になると思い、大事に聴いていたレコードの中から厳選して50枚分をカセットに録音して持っていきました。そのことを考えたら夢のようです。
iPODがあるお陰でウォーキングもはかどります。音楽の仕事にも重宝しています。手抜きのときはこれでDJもやってしまいますし、「ONGAKUゼミナール」もたいていはiPOD+SounddockでOKです。そういえば、ひょっとすると「ONGAKUゼミナール」も存続できるかもしれません。まだはっきりとは決まっていませんが。
この新型iPODの発売に伴ってiTUNEも一新されました。ジャケット閲覧の機能がついたり、デザインも変更されたりとヴァージョンアップしているんですが、以前のヴァージョンのほうが使い勝手がよかったところもあります。
たとえばインポートですが、これまでは左上にインポートのスイッチがあって、それでOn/Offができました。それがないんですね。ぼくが見逃しているだけでしょうか? 今回はCDをセットすると自動的にインポートされます。
それだとぼくは困るんです。自分なりの整理の方法があって、アルバム名とかジャンル名を自分の方式で変えているからです。これまではインポートする前に、そうした書き込みをしていました。ところが、今回はそれが出来ないのでインポート後に行ないます。そのほうがちょっと煩雑なんですね。
それとアートワークの取り込みも面倒くさくなったようです。これまでは所定の位置にアートワークをドラッグすれば、そのアルバムの全曲にアートワークが添付されました。ところがそれをやってもそうなりません。いちいちプロパティを開いて、アートワークのチェックボックスにチェックを入れ、そこにドラッグしてなどなど、従来なら一瞬でできたことが1分くらいはかかるようになりました。もっと簡単なやりかたがあるのかもしれませんが、コンピューター音痴なのでよくわかりません。
それでもiPODのある生活、ぼくはエンジョイしています。これがなければ、夜も昼も明けません。一方でiPODから開放されて、いつもと違う視野が開けたというひともいます。それもあるかもしれません。でも、ぼくはこのままiPODどっぷりの日々がこれからも続いていくんでしょうね。それもまたいいではないですか。