話題の映画を観てきましたが、予想通り、いまいちの内容でした。理解力がどんどん乏しくなっているぼくなので、原作も読んでいたのですが、そのときも8割がたしかわかっていませんでした。どうも宗教関連は苦手で、そこがよくわからないままに読み進んでいたため、面白さが100パーセント理解できていなかったんですね。
それで映画ですが、原作を読んでいてもその程度の理解力ですから、読まずに見ていたら何がなんだかよくわからなかったでしょう。映画は原作のストーリーを追うのが精一杯で、細かい説明がかなり省略されています。映画だけで作者のストーリーをきちんと伝えていたかどうか? 読まずに観たひとの感想はどうなんでしょう?
宗教のところはよくわからないので、原作では謎解きの部分を楽しみながら読んでいました。映画ではその謎解きがあっさりと描かれていて、簡単に解けてしまう印象を受けました。そこが物足りなさを感じた最大の理由かもしれません。
それと、原作でも感じたことですが、ものすごーく都合のいい形で登場人物が出てくるんですね。限られた時間しかなく、しかも命の危険にさらされている切羽詰った状況で、主人公は実に冷静沈着。それはエンターテインメントだからいいんですが、それにしてもすべてが都合よく運んでいってしまうところに、松本清張的なものを感じました。
でも映画を観たことで、殺された館長の姿や聖杯などがヴィジュアル化されて、わかりやくなった効用はありました。ただ、もう少しダ・ヴィンチがいろいろなところに仕掛けた謎やヒントについての説明があれば、さらに楽しめたんですが。
満員かと思っていたのですが、空席もありました。封切られて2週間なのに、ちょっと意外です。ぼくが行った六本木の「ヴァージン・シネマ」は全席が指定で予約できます。土曜の4時半ごろの回です。一番混みそうな時間帯ですが、隣の2席は空いていましたし(真ん中のかなりいい席)、ほかにもいくつか空席があったようです。
あと、もうひとつ気になったのは字幕です。いつ、どういう風にして作ったんでしょうね。この映画、日本の配給会社のひとでも直前まで観れなかったんじゃないでしょうか? それとも、観れたのかなぁ。試写会はぎりぎりになって行なわれたんですよね。字幕を作ったひとは、かなり早い時点で観ていたんでしょうね。ま、どうでもいいことですが。
ところでこの話に出てくる「オプス・デイ」ですが、これは実在する団体で、マンハッタンのレキシントン・アヴェニュー243番地にあります。それで、当然のことながらそこにも行ってみました(右の写真)。というより、ぼくのアパートから近いのでしょっちゅう歩いていた場所なんですね。
何気なくいつも歩いていたところですが、ここがそうだといわれれば、ひとの出入りもなく、ちょっと不気味な印象を覚えます。この中で、あの「肉の苦行」が行なわれているにでしょうか? でも、マンハッタンならどこにでもあるビルのひとつです。