①『The Beatles/The Capitol Albums Vol.2』(Capitol)
ビートルズのアメリカ盤ボックス・セットですが、初回プレスはモノラル・ミックスがステレオ・ミックスの流用だったことから回収されるという話を聞きました。普通なら不良品を掴まされたことになって怒るところなんでしょうが、ぼくは大喜びです。なぜかといえば、回収されればそれだけ希少価値が高まるからです。コレクターの悲しい性です。
で、当然訂正盤も買わなくてはなりません。お陰で散在はしますが、集めるものが増えて、これまた大喜びです。ところが、マンハッタンにある目ぼしいレコード店を回っても回収されている気配はありません。唯一、タワー・レコードだけが写真のように「Corrected Version」のステッカーを貼っていましたが、そのほかの大型店にしろ安売り店にしろ、チェックしてみると、いまだに初回盤が店頭に並んでいました。
ということは、レコード会社はおそらく回収していないんでしょう。小売店やコンシューマーからクレームが来れば交換するけれど、そうでなければ放っておくという考えのようです。残念ながらブッチャー・カヴァーのようなことにはなりそうもありません。
しかし、気になることがひとつ。今回もボックス・セットには2種類があって、ひとつは通常のロング・ボックスでもうひとつが正方形のボックスです。タワーにあったのはロング・ボックスだけで、正方形のボックスは入荷するかどうかわからないとのことでした。
『Vol.1』のときもこの正方形のボックスはわずかしか作られませんでした。今回は大量に出回っていますが、わざわざ2種類作る必要性はないので、こちらは訂正盤が作られないかもしれません。そこがどうなるのか、とても気になるところです。
この初回盤と訂正盤の見分け方は簡単です。黄色いステッカーの一番下に小さくバー・コードのナンバーが印刷されています。その末尾に「SK1」と書かれていれば、これが訂正盤です。
②『Bruce Springsteen/We Shall Over Come The Seeger Sessions』(Sony)
これはセント・マークス・プレイスの「Sounds」で買いました。デュアル・ディスクです。日本ではデュアル・ディスクのフォーマットで発売された商品はないと思いますが、ぼくはいまこのフォーマットが大変気に入っています。マイルスの『カインド・オブ・ブルー』とか、リンゴ・スターの新作などにデュアル・ディスクがあります。
デュアル・ディスクとは、片面がCDで片面がDVDになったものです。DVDサイドは、たいていの場合、CDに収められた全曲(音質の向上が図られている)に映像とか写真とかインタビューとかを加えています。この作品では「Entire Album In PCM Stereo」、「Exclusive Film About The Recording Of The Album」、「Artist Commentary」の3種類が収録されています。
4月29日のブログで紹介しましたが、ニューヨークに着いた日に買ったスティーヴ・ウィンウッドの作品もデュアル・ディスクで、しかももう1枚、通常のCDもついた2枚組でした。そちらは中古で10ドル、ボスのこのCDは新品で13ドルです。リテイル・プライスは23ドルですから10ドルも安くなっています。もっともリテイル・プライスで売る店はまずありません。タワーで20ドルくらいでしょうか。
この作品、とても気に入っています。ジャケットからしてディランの『ベースメント・テープ』みたいで最高です。ピート・シーガーのことも書きたいので、日本に帰ってから改めて紹介したいと思います。
③『Marvin Gaye/The Real Thing』(Motown)
すでに日本にいたときから店頭で見かけていましたが、東京にいる間は時間がなくて観れないと思い買いませんでした。このDVDにはCDとセットになっているものやリージョン・フリーのヴァージョンとか何種類かあるようですが、買ったのはリージョナル・コードが1のものです。10ドルでマーヴィン・ゲイのビデオ・クリップが16曲も観られるのですから安いものです。
彼のことが好きになったのは1960年代の半ばごろで、当時はタミ・テレルとのデュオで人気を集めていました。スーパースターになるのはその後です。ぼくはそれ以前のマーヴィン・ゲイが好きで、「ホワッツ・ゴーイン・オン」以降は、個人的にはどうでもいいと思っています。16曲中の半数がそれ以前のパフォーマンスなので、そこがこのDVDのいいところです。
ということで、今日はここまで。今晩はケニー・ギャレットのライヴを観に行ってきます。