
『アン・バートン/バイ・マイセルフ・アローン』(LP)
日本フォノグラム/East Wind EW 7007
URLなし
[Side One]
① カム・レイン・オア・カム・シャイン(ジョニー・マーサー、ハロルド・アーレン)4:48
② レット・ミー・ラヴ・ユー(バート・ハワード)5:10
③ メイ・アイ・カム・イン?(ジャック・シガール、マーヴィン・フィッシャー)2:09
④ ラヴ・イズ・ネセサリー・イーヴル(ジャック・シガール、マーヴィン・フィッシャー)3:53
⑤ オー・マイ・ホワット・アイ・アム(ドン・マクリーン)4:01
⑥ バイ・マイセルフ・アローン(アーサー・シュワルツ、ハワード・ディーツ)1:50
[Side Two]
⑦ イエスタデイ・アンド・イエスタデイズ(ジョン・レノン&ポール・マッカートニー/ジェローム・カーン、オットー・ハーバック)2:53
⑧ バースデイ・ソング(ドン・マクリーン)2:50
⑨ アイ・クッド・シー・ミー・ナウ(カール・シグマン、アーサー・ウィリアムズ)8:08
⑩ ザット・オールド・フィーリング(リュー・ブラウン、サミー・フェイン)3:07
⑪ トラヴェリン・ライト(ジョニー・マーサー、ジミー・マンデイ&トラミー・ヤング)4:59
アン・バートン(vo)
②-④⑥-⑧:宮沢昭(sax, fl) 中牟礼貞則(g) 佐藤允彦(p, elp, arr) 稲葉國光(b) 小津昌彦(ds)
1974年4月28日 東京・青山「ビクター・スタジオ」で録音
①⑤⑨-⑪:宮沢昭(sax, fl) 小川俊彦(p, arr) 稲葉國光(b) 小津昌彦(ds)
1974年4月29日 東京・青山「ビクター・スタジオ」で録音
1年ぶりにアン・バートンが来日した。今回は各地のクラブを中心にツアーをして回り、帰国前に吹き込んだのがこのアルバム。バートンは日本で5枚のレコードを残しているが([172][本作][306][307][309])、その中でもっともジャジーな内容になったのが2枚目にあたる本作だ。ほかはすべて同行したピアニストが一緒である。この作品に限っては、一緒に来たニコ・ビューニンクを起用せず、佐藤允彦と小川俊彦がピアノを担当し、曲によって宮沢昭と中牟礼貞則が加わる編成が取られた。
今回はこうした伴奏陣で、編曲も佐藤と小川が担ったことから、変ないい方になるが、日本的なテイストを感じるアルバムになった。要は、ほかの3作はいつものバートン、こちらは日本でしか制作できない内容、ということである。これは主導権や主従関係の問題ではなく、アルバムの中に封入された空気感の違いだ。
レパートリーにはバートン好みの曲が選ばれている。とくにこの時期、彼女が気に入っていたドン・マクリーンの〈オー・マイ・ホワット・アイ・アム〉〈バースデイ・ソング〉、それとブロッサム・ディアリーが1964年の作品『メイ・アイ・カム・イン?』(キャピトル)で発表した〈メイ・アイ・カム・イン?〉〈ラヴ・イズ・ネセサリー・イーヴル〉を取り上げたところにこだわりが感じられる。
バートンの魅力は選曲の親しみやすさにもある。本格的なジャズ・チューンも歌うが、本作のドン・マクリーンやザ・ビートルズ、それ以外にも、ジェームス・テイラー、キャロル・キング、イーグルス、ポール・サイモンなどの曲を歌ってきた。
そもそも彼女が本国オランダで認められたのは、71年の『バラード&バートン』(CBS・ソニー)で歌ったソニーとシェールの〈バン・バン〉がヒットしたからだ。そんなバートンが、この作品では日本のトップ・ミュージシャンを得て、バートン節を全開させる。