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川隆夫の JAZZ BLOG
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©Kozocom (photo by Shuichi Kasahara)
職業:JAZZジャーナリスト、整形外科医、DJ

ニューヨーク大学の大学院在学中にアート・ブレーキーやマルサリス兄弟など数多くのミュージシャンと知り合う。帰国後、JAZZを中心に約3000本のライナーノーツを手がけると共にJAZZ関連の著書を多数出版。ブルーノートの完全コレクターとしても有名。その他、マイルス・デイヴィスやブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンの来日時の主治医を勤めるなど、現役の整形外科医としても第一線で活躍中。

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2023-07-03 菊地雅章+ギル・エヴァンス・オーケストラ
菊地雅章+ギル・エヴァンス・オーケストラ 1972.6.27

冒頭、あのギル・エヴァンス特有のオーケストラ・サウンドが日本のミュージシャンによって奏でられたときは鳥肌が立った。菊地雅章のリサイタルだったが、実質的にはギル・エヴァンス・オーケストラのコンサート。菊地もオーケストラの一員で、あまりソロは弾かなかった。

『伝説のライヴ・イン・ジャパン 記憶と記録でひもとくジャズ史』よりhttps://amzn.asia/d/bVUdQzg

『菊地雅章+ギル・エヴァンス・オーケストラ(LP)
日本フォノグラム/Philips FX 8525
[Side One]
① イクタス(カーラ・ブレイ)1:41
② サラブレッド(ビリー・ハーパー)10:36
③ プリーステス(ビリー・ハーパー)9:10
[Side Two]
④ ラヴ・イン・ジ・オープン(ギル・エヴァンス)11:31
⑤ 驟雨(菊地雅章)6:03
⑥ イレヴン(マイルス・デイヴィス&ギル・エヴァンス)2:39
菊地雅章(elp) ギル・エヴァンス(arr, con, p, ring-modurator) マーヴィン・ピーターソン(tp. fgh) ビリー・ハーパー(ts, fl, chime) 山本直(ルビ=なお)(frh) 松原千代繁(frh) 多戸幾久三(ルビ~いくみつ)(tuba) 篠原国利(tp, fgh) 鈴木武久(tp, fgh) 峰厚介(as, ss) 鈴木重男(as, fl) 衛藤幸雄(piccolo, afl, bfl) 中川昌三(ルビ=まさみ)(piccolo, afl, bfl) 旭孝(piccolo, afl, bfl) 宗清洋(tb) 中沢忠孝(btb) 高柳昌行(g) 中牟礼貞則(g) 江藤勲(elb) 鈴木良雄(b) 中村よしゆき(ds) 富樫雅彦(ds) 山口浩一(timpany) 高橋みち子(marimba, vib) 宮田英夫(per)
1972年7月4日 - 5日 東京・青山「日本ビクター・スタジオ」で録音

 ギル・エヴァンスと菊地雅章の共演は日本のジャズ史上において画期的な出来事だった。ギルの魅力は、従来のジャズ・オーケストラでは重視されなかった木管楽器を縦横に駆使した、幻想的なサウンド・コンテクストにある。その音楽を具体化するため、オーケストラには日本のトップ・ジャズメンのほか、NHK交響楽団から木管楽器奏者とフレンチホルン奏者が加わることになった。
 羽田に着いたギルは、翌日から精力的だった。3回にわたる真夜中から朝までと、公演直前の午後のリハーサル、合間を縫ってアレンジの見直しと書き上げ、コンサート前日の26日には笠井紀美子(vo)のスタジオ・レコーディング(29日にも実施)[158]と、60歳のギルが寝る間も惜しんでの大車輪である。
 日本のミュージシャンも、菊地のグループをはじめ、関西から呼ばれた古谷充と宗清洋、N響からの千葉薫をはじめとした数名、そして実力派プレイヤーの集結と、総力戦の体制である。全員がリサイタルのために、その間の仕事を投げ打ち、ギルのユニークなスコアに挑んだのである。
 1960年代の日本では、実験的な「ジャズとクラシックの融合」も行なわれていた。しかし、今回は「融合」ではない。ギルの音楽を理想的な形で現実化するために必要な器楽奏者を探したらクラシック畑のひとしかいなかった、となる。日本のジャズ・シーンにおいては前代未聞の編成であり、これだけでも注目に値する。そして、出てきた音に、ほとんどのひとがびっくりしたはずだ。
 当初は、6月27日のコンサートをライヴ・アルバムとして発売する予定だった。そして、テープは回された。ところが、ギルがその演奏にOKを出さない。そこで録音し直すため、すべてのコンサートを終えたあとの7月4日深夜に、急遽スタジオとメンバーが押さえられる。
 コンサートでは〈ゴーン〉の2ヴァージョンも紹介されたが、それらを除く7曲が録音されることになった。〈イクタス〉は、この時期にギルがコンサートのオープニングで用いていたカーラ・ブレイ(p)の曲である。彼女はしばらく前からマイク・マントラー(tp)と前衛派のミュージシャンを束ねるJCOA(Jazz Composer's Orchestra Association)を運営しており、当時はこの動向が大きな話題を集めていた。
 コンサート同様、冒頭からマーヴィン・ピーターソンが火の出るような熱いプレイを聴かせる。それに絡むオーケストラの悠然とした響き。この対比がサウンドに大きなうねりを加えた。1分41秒と短いものの、ギル・エヴァンス・オーケストラの真髄を盛り込んだ素晴らしい内容である。
〈サラブレッド〉はビリー・ハーパーのオリジナル。テーマ・メロディに絡みながらギルがアコースティック・ピアノを弾き、チューバの低音がギルのサウンドを特徴づける。そのあとは菊地のエレクトリック・ピアノによるソロが登場。ソロの後半ではピッコロやフルートが幻想的な世界を描く。
 ハーパーのオリジナルが続く。3拍子の〈プリーステス〉では作者が主役を務める。ピーターソン同様、ハーパーも日本ではほとんど存在が知られていなかった。しかしコルトレーン・スタイルの精力的なスタイルは、すでに彼が一流のテナー・サックス奏者であることを示している。
 ふたつのテイクが録音された〈ラヴ・イン・ジ・オープン〉はギルのオリジナル。CD化に際し、追加されたのが未発表のテイク2だ(ビリー・ハーパー作の〈クライ・オブ・ハンガー〉も追加されている)。ギルのピアノで始まり、フルートを中心としたアンサンブルが澄んだ音色で旋律を奏でる。そこに加わるハーパーの力強いソロが聴き手を演奏に引きずり込む。穏やかに始まるピーターソンのプレイも出色の内容だ。
 菊地が『銀界』[121]で発表した〈驟雨〉は、彼の代表作として晩年まで繰り返し演奏されていた。日本的な佇まいというか、特有の静けさを表現したこの曲は、ギルにとっても好ましいメロディとハーモニーを持っていた。それだけに、菊地とギルのコラボレーションの極致がこのトラックで聴ける。
 ギルとマイルス・デイヴィスは40年代末から共同作業を重ねてきた。ギルの名前はクレジットされていないが、〈イレヴン〉はマイルスが68年に吹き込んだ『キリマンジャロの娘』(コロムビア)の中で〈リトル・スタッフ〉として発表された曲である。ブレイクを用いたリズミックなテーマ・メロディがティンパニやマリンバなどの打楽器と木管群で提示され、そこにブラスが加わる。その後は菊地が弾く軽快なソロになり、再び力強いテーマ・パートがブラス陣によって示され、エンディングに向かう。
 ところで、コンサート初日のライヴはどうなったのか? このテープ、日本フォノグラムを吸収したポリドール(当時)の倉庫に保管されていた。80年代後半のことだが、このレコーディングが発表できないものかと、当時の担当ディレクターに話をしたことがある。さっそく調べて、テープのコピーを取り寄せ、ふたりして聴いてみた。完成度の高さはスタジオ録音に譲るとしても、臨場感はこちらが勝っている。音質も悪くない。
 がぜん出す気になったディレクターはさっそく菊地に打診をする。送ったテープを聴いてもらい、「内容に問題ない」との返事も来た。しかし金銭面での折り合いがつかず、発売にいたらなかった。
 ということで、いまもテープはユニバーサルミュージックの倉庫で眠っているはずだ。一部のミュージシャンを除けば、主要な関係者はすべてがこの世にいない。この音源、いつの日か封印が解かれるのだろうか?

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by jazz_ogawa | 2023-07-03 00:09 | ライヴは天国 | Trackback | Comments(0)
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