するジャズのこと。
1950年代なかばに、セシル・テイラーやサン・ラは現代音楽から影響を受けた前衛的な手法をジャズに持ち込んでいる。またその直後には、オーネット・コールマンが従来のジャズには納まらない自由な発想で演奏を開始した。これらがフリー・ジャズの出発点。
★キーパーソン:セシル・テイラー

それまでのジャズにおける手法や方法論に物足りなさや限界を感じていたミュージシャンが、音楽のルールを取りあえず無視して好きなことをやったのがフリー・ジャズ。しかしそれでは出鱈目もまかり通る。
このスタイルの先駆者であるピアニストのセシル・テイラーは、混沌としたフリー・ジャズの世界でいち早くきちんとした音楽性を提示したことでも別格の存在。ジャズのルーツであるブルースと、前衛音楽の宝庫である現代音楽から得たさまざまな手法を結びつけて、彼はまったく異なるジャズの奏法と音楽性を確立した。
テイラーの影響力は極めて大きい。その後にフリー・ジャズを演奏するようになったジョン・コルトレーンから日本の山下洋輔に至るまで、楽器を問わず世界中に彼のスタイルを継承・発展させているミュージシャンがいる。