「いい音で聴く」
これをモットーにしている銀座「Blue Eyes」でのイヴェント。けっこう激しい雨が降っている中、昨日もお集まりいただいた方、ほんとうにありがとうございました。
今回のテーマは、9月に発売されたビートルズの『MONO BOX』(アナログLP)と、オリジナルUKプレスのLPを聴く、というもの。両方を同時に聴き比べたのはぼくも昨日が初めて。さて、どちらがいい音か?
『MONO BOX』はビートルズがイギリスで発売したモノラルLP盤9作品にもう2作を加えLP14枚を梱包したボックス。それらの中から好きな曲を選びに選んで39曲。1曲が3分前後としてもこれだけで予定の2時間になってしまいます。ということで、昨日はこれらの中からその場で選曲する方式を採用。
まず1曲目をオリジナル・プレスとMONO BOX盤の順で聴いてみました。違いは歴然。音圧がまったく別物。とはいえ、「聴き比べ」がテーマなので、次の曲からはどちらかをサワリだけ聴くことにしました。
使用するのはいつものようにELP社製のレーザー・ターンテーブル。
聴きながら感想とか曲の紹介とかをしていたら10曲で前半終了の時間に。ならばということで、みなさんの反応から後半はオリジナル盤のみを聴くことに。
図らずも半世紀ほど前にプレスされたレコードの素晴らしさを味わうことができました。今年発売されたBOXに比べて、モノラルなのに音に広がりがある、響きが凄い、中期の特徴である歪みのあるギターの迫力、コーラスの厚み、シャウトするジョンの息遣い・・・
『MONO BOX』と比較することで、ビートルズの音楽的な素晴らしさ、上手さ、創造性、スタジオ・テクノロジーに対する好奇心、豊かなアイディアなど、いろいろなことが改めて実感できました。ご来場いただいた皆さんはいかがだったでしょうか?
【今後の「ONGAKUゼミナール」】
12月13日(土) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール~60年代音楽シリーズ 第25回:カレッジ・ポップスを中心に』
@渋谷百軒店(ひゃっけんだな)「PANAMA JOE's」 渋谷区道玄坂2-19-1(03-3461-9047)
開場:17:30 開演:18:00 会費:2500円(1ドリンク付き)
1960年代の日本では従来の歌謡曲に加えて洋楽ポップスからの影響を受けた新しい歌がさまざまな形で登場してきました。中でも大学生を中心にしたフォーク・ソングのブーム(カレッジ・ポップス、カレッジ・フォーク)はグループ・サウンドとともにこれまでにない新鮮な響きと音楽的な多様性を示した点で画期的でした。
こうした音楽は当時「和製ポップス」などとも呼ばれ、70年代のニュー・ミュージックのブームに繋がっていきます。今回はそのカレッジ・ポップスを中心にグループ・サウンズやロックにも触れてみたいと思います。
1月17日(土) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール』(第35回:さまざまな鍵盤楽器)
@銀座「le sept」 中央区銀座6-7-19 ミクニ銀座ビル7F(03-5537-2388)
開場:17:30 開演:18:00 会費3000円(1ドリンク付き)
ご予約・問い合わせ:お店までお電話、
鍵盤楽器の花形はピアノですが、そのほかにもさまざまな鍵盤楽器が存在します。オルガン、ハープシコード、チェンバロ、電気ピアノ、シンセサイザーなど、ピアノ以前のものから最新のものまで、そうした鍵盤楽器を用いたジャズを今回は楽しんでみたいと思います。