渋谷・百軒店「Panama Joe's」での「ONGAKUゼミナール」にお越しいただいたみなさん、本当にありがとうございました。
今回のテーマは「Swingin Sixties」。つまりモッズについてのあれこれでした。
モッズは実に抽象的な言葉で、うまく説明ができません。イギリスのロックやファッションに大きな影響を与えたムーヴメントではありますが、それをどう形にしたらいいのやら。
キンクス、ザ・フー、スモール・フェイセスなどを中心に、モッズの典型的なものと思う24曲を選び、昨日はそれぞれのグループや曲にまつわる話などを少しだけはさんで、とにかく全曲聴いてみました。
ブリティッシュ・ロックの中でも独特のテイストを持つモッズの雰囲気が少しでも伝わっていればいいのですが。
彼らが猛威を振るっていた1960年代中盤から後半にかけて、中学・高校のクラスでこういう音楽を熱心に聴いていた友人はひとりもいなかったように思います。ぼくもそうです。
キンクスやザ・フーはヒット曲だけ知っていましたが、LPを聴こうという気持ちはさらさらなかったですし、スモール・フェイセスにいたっては存在すら知りませんでした。おそらくこれが当時の学生、それもロック好きの標準でしょう。
モッズという言葉はもちろん知っていましたが、それはファッションのことで話題になっていたことを覚えています。そうしたファッションのムーヴメントと連動した形でキンクスやザ・フーの存在も紹介されていた記憶はありますが、「音楽は音楽、ファッションはファッション」みたいにそのころは思っていたので、それらを同じ土俵で考えることはしていなかったと思います。
ですから、昨日は自分の中でモッズをある程度総括できました。ご来場いただいたみなさんはどう感じられたかわかりませんが、ぼくはおおいに楽しんでしまいました。
さて今後の「ONGAKUゼミナール」ですが、徐々に開催回数も増えてきて、「どうするんだ?」という気持ちもあります。ただただみなさんのご参加に支えられていますので、興味のあるテーマがありましたら、なにとぞ足をお運びください。
【今後の「ONGAKUゼミナール」】
7月6日(日) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール@「ちぐさ」~ブルースとは何ぞや?』
@横浜野毛「ジャズ喫茶ちぐさ」 神奈川県横浜市中区野毛町2-94(045-315-2006)
開場:15:30 開演:16:00 会費:3000円(1ドリンク付き)
ブルースはジャズやロック、さらには歌謡曲にも「~ブルース」というタイトルが用いられるなど、さまざまな音楽で重要な形式になっています。今回はその原点に触れつつ、さまざまな音源を用いて「ブルースとは何ぞや?」という疑問に答えを出せればと思います。
当日はブルース・シンガー、ブル松原さんにも代表的なブルースをいくつか歌っていただき、さらにはスペシャル・トーク・ゲストも加わり、ブルースの魅力を実感していただきます。
7月12日(土) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール@西船橋 vol.4』(愛しのジャズマン)
@「Ten & Half Cafe+」 千葉県船橋市本郷町421-2 1階(047-711-1911)
開場:15:30 開演:16:00 会費2500円(1ドリンク付き)
ご予約・問い合わせ:お店までお電話、
小川隆夫がこれまでに出会ったミュージシャンとのエピソードを綴った単行本『愛しのジャズマン』『愛しのジャズマン 2』『ジャズ楽屋噺』をもとに、さまざまなミュージシャンの素顔に迫ります。知られざるエピソードも紹介予定。
7月19日(土) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール』(第32回:初来日から半世紀~マイルス・デイヴィスの60年代)
@銀座「le sept」 中央区銀座6-7-19 ミクニ銀座ビル7F(03-5537-2388)
開場:17:30 開演:18:00 会費3000円(1ドリンク付き)
ご予約・問い合わせ:お店までお電話、
この7月で初来日からちょうど半世紀。それを記念して、今回はジャズ激動の60年代を牽引したマイルス・デイヴィスと史上名高い黄金のクインテットの演奏を中心にスポットライトを当てます。
8月9日(土) 『小川隆夫ONGAKUゼミナール~60年代音楽シリーズ 第23回:When I'm Sixty-Four~1964年の奇跡』
@渋谷百軒店(ひゃっけんだな)「PANAMA JOE's」 渋谷区道玄坂2-19-1(03-3461-9047)
開場:17:30 開演:18:00 会費:2500円(1ドリンク付き)
次回の「60年代音楽シリーズ」はこの8月で64歳となる小川隆夫にとって、人生を変えるほどの出来事がいくつもあった1964年にスポットライトを当てます。
ビートルズやボサノヴァをはじめとしたさまざまな音楽との出会い、マイルス・デイヴィス初来日、バンド結成、東京オリンピックなど、多感な中学生だった時代を現在の視点から振り返ってみたいと思います。
8月30日(土) 『小川隆夫×内山繁 クロス・トーク「Mt. Fuji Jazz Fes. 10年の軌跡」』
開場:17:30 開演:18:00 会費:3000円(1ドリンク付き)
ご予約・問い合わせ:お店までお電話、
音楽ジャーナリスト小川隆夫とフォトグラファー内山繁のクロストーク第3弾。
80年代~90年代にかけて開催された伝説のジャズ・フェス、「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル」。多くの大物ミュージシャンが一堂に会する、夏の風物詩とも言える音楽イヴェントでした。
そのイヴェントを、カメラのファインダーを通して観てきた内山繁と、舞台裏でミュージシャンの肉声を聞いてきた小川隆夫が語り尽くします。
まずは、開催のきっかけとなったNYでの「ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート」の話題から、内山繁撮影の写真とともにお楽しみください。