注目のギタリスト、井上銘さんのCD発売記念コンサートが先週の金曜日(1月24日)に富ヶ谷の「HAKUJU HALL」で開催されました。
わが「Jazz Conversation」にもアルバムが発売されるたびに出演してくださる銘さんのコンサート。となれば行かないわけにいきません。
レギュラーで組んでいるカルテットは息もぴったり。しかも今回はツアー最終日ということもあり、音楽的にも完成度が高くなっていたように見受けました。
みんな若いミュージシャンですけど、中でも最年少の銘さん(1991年生まれの22歳)の達者なプレイが圧巻。彼を含めて、若いミュージシャンがジャズと真剣に取り組み、クリエイティヴなものを追求している姿が観られるのは嬉しいことです。あわせて頼もしさも感じました。
先日も銘さんとジム・ホールの死去についてちょっとだけお話をしましたが、若いひとがきちんとジャズの伝統を受け継ぎ、それを自分たちの感性で発展させているのは何よりです。
コンサートが行われた「HAKUJU HALL」はクラシック向けなので、ギター+ピアノ・トリオの編成になると音質的に苦しいんですが、内容には満足。新作の『Waiting For Sunrise』からの曲を中心に、デビュー作からも数曲。曲順も含めてこの構成がよかったです。
それとCDやライヴを聴いて思ったのは、銘さんのスタイルがどことなく若いころのパット・メセニーとだぶったこと。いまのように大がかりなライヴではなく、彼にもリズム・セクションのみのバックを得てギター1本でライヴ・ハウスに出ていた時代があります。
本人は意識していないでしょうけど、ギターを弾く姿までそんな時代のメセニーを彷彿とさせてくれました。
銘さんは現在ボストンのバークリー音楽大学で2年目を迎えています。この先の成長が楽しみなギタリストです。彼のことですから大学生活もエンジョイしながら、音楽家としてもインターナショナルな場での活躍をしてくれることでしょう。
「井上銘2ndアルバム「Waiting For Sunrise」発売記念ライヴ」
【出演メンバー】
井上銘(g)
泉川貴広(p)
若井俊也(b)
柵木雄斗(ds)
2014年 1月 24日 「富ヶ谷HAKUJU HALL」