
14日の土曜日に渡辺貞夫さん恒例のクリスマス・コンサートに行ってきました。
21回目になる今年のテーマは「ビバップ」。貞夫さんの原点です。
今回は、チラシやプレス・リリース用の原稿を書かせていただいたので、何度か貞夫さんからコンサートについてのお話をうかがうことができました。
それで、最初はビバップの曲ばかりをやるつもりだったみたいですが、それだと聴くほうもしんどいかもしれない。そんな考えにいたり、自分の原点はビバップだから何をやってもいいんじゃないか? みたいな考えになったようです。
そういう経過を経て、当日演奏されたのはこんな曲です。

ビバップ・チューンもあれば貞夫さんのオリジナルもある。バランスの取れたいい構成になりました。
このところ貞夫さんのライヴに再びよく行くようになりました。改めて驚かされるのは音楽の幅が広いこと。貞夫さんの場合はどんな曲を演奏しても貞夫さんの音楽になりますから、そこも素晴らしい。
おとといのコンサートでは、まさに筋金入りのビバップが堪能できました。いまやこんな演奏ができるひともあまりいません。はるかに若いミュージシャンにビバップの神髄を伝えている。そんな構図を頭の中で勝手に描き、そのことに感慨深いものを覚えました。しかも日本人がジャズを生んだ国、アメリカのミュージシャンに対してですから。
彼らもいい経験になったんじゃないでしょうか? アメリカでもこういう演奏をするチャンスはめったにないでしょう。その中で流石と思ったのがニコラス・ペイトンのプレイ。ビバップのフレーズやノリをちゃんとマスターしていて、貞夫さんのプレイに見事なまでにフィットしていました。もちろんリズム・セクションの3人も実力派ばかりですから、聴き応え十分です。
とても充実した2時間余り。「お世話になった方に捧げる」と話してから最後に演奏した最新オリジナルの「ソリチュード」にホロリときました。
師走のこの時期にこうしたハートウォームなコンサートに接することで、寒い外に出ても心は暖かでした。
そしていつもこのコンサートで感じるのは年配のお客さんが多いこと。これも貞夫さんだからでしょう。
あと、先日のTOKUさんとZeebraさんのホテルオークラ・コンサートも場所柄でしょうか、年配の方が多かった。こういう傾向は好ましいですね。ぼく以上の世代になると、コンサートに足を運ぶひとがどんどん減ってきますから、それもちょっと嬉しかった。
【出演メンバー】
渡辺貞夫(as)
Nicholas Payton(tp)
Aaron Goldberg(p)
Reuben Rogers(b)
Obed Calvaire(ds)
2013年12月14日 「渋谷Orchard Hall」