
昨日はちょっと気になるブラジル人シンガーのライヴを観てきました。彼女は今年になって2枚のアルバムを同時に出しています。その最新作がチェット・ベイカー・トリビュートの『ブック・オブ・チェット』。そしてもう1枚がライフ・ワークともいえるデュオ・シリーズの3作目。
今回の来日は「LUCIANA SOUZA “BRAZILIAN DUOS”featuring ROMERO LUBAMBO」と題し、長年の音楽仲間でデュオ・シリーズにもフィーチャーされているギタリスト=ホメロ・ルバンボとの共演でした。
ヴァルテル・サントスの娘としてサンパウロで生まれたソウザですから、ステージではボサノヴァと新作からチェット・ベイカーのナンバーを中心に聴かせてくれました。

彼女のヴォーカルは「シルキー・ヴォイス」と呼ばれているだけあってなかなか魅力的。ボサノヴァにはぴったりの声質でした。落ち着いた雰囲気と哀愁を感じさせる表現に強い印象を覚えました。
それとかなりスキャットを多用します。その変幻自在ぶりからは、まったくタイプが違うものの、ぼくはなぜかベティ・カーターを連想してしまいました。

ボサノヴァは過去の音楽かもしれませんが、こうして後続する世代に受け継がれ、いまもさまざまなひとが世界中で歌ったり演奏したりしています。この音楽が誕生して55年ほど。これが伝統っていうものなんでしょうね。
【出演メンバー】
Luciana Souza(vo、perc)
Romero Lubambo(g)
2012年12月5日 「丸の内 コットン・クラブ」 セカンド・セット