ラッキーなことに、「すみだトリフォニーホール」(10月2日)のコンサートと、「ブルーノート東京」(6日)のクラブ・ギグの両方を観ることができました。
「すみだトリフォニー・ホール」でのコンサートは「生誕80周年 ジャパン・ツアー2012~シンフォニック・スペシャル・ナイト」と銘打ったもの。内容は、前半がトリオで後半がトリオに新日本フィルハーモニック交響楽団(指揮:竹本泰蔵)が参加。
先月、ぼくが大感激したバート・バカラックと同じで、ルグランも枯淡の味わいです。ただしそれは彼の歌についてで、ピアノは速弾きもなんなくこなし、相変わらずのテクニシャンぶりを発揮していました。
とくに前半のラスト「The Jazz Pianists」と題した演奏は、「ウォッチ・ホワット・ハプンズ」を中心に、アート・テイタム、デューク・エリントン、エロール・ガーナー、ジョージ・シアリング、ファッツ・ドミノ、デイブ・ブルーベック、オスカー・ピーターソン、カウント・ベイシーの真似をするというもので、これが素晴らしかった。
そしていよいよ後半。最初の1曲目はルグランみずからが指揮をしての「シェルブールの雨傘組曲」。これぞまさしくシンフォニック・ジャズ。60名くらいのオーケストラが奏でる珠玉のメロディは超豪華。そのあとは竹本泰蔵に指揮の座を譲り、本人はピアノとヴォーカルに専念。
そして後半の2曲「思い出の夏」と「愛のイエンテル」では奥様でハープ奏者のキャサリン・ミシェルも登場。凛とした美しさと品のいい音色はルグランの華麗なメロディにぴったり。素敵なご夫妻でした。
鳴り止まぬスタンディング・オヴェーションを受け、ルグランはピアノの弾き語りをいくつか披露してくれました。
【出演メンバー】
Michel Legrand(p, vo)
Pierre Boussaguet(b)
Francois Laizeau(ds)
Catherine Michel(harp)
新日本フィルハーモニー交響楽団
竹本泰蔵(指揮)
2012年10月2日 「すみだトリフォニーホール」
そして4日後の昨日、10月6日は「ブルーノート東京」でのクラブ・ギグ。こちらはトリオのステージです。2日のコンサートでは、トリオ演奏が50分くらいだったので、ちょっと物足りない気分でした。それを補ってくれたのがこの日のライヴ。
手元まで見られるクラブでのライヴからは、80歳とは思えぬ溌剌としたタッチを堪能することができました。
ステージの前にインタヴューをさせてもらえたのも嬉しかったです。
サウンド・チェックを終えたルグランさん、お疲れかと思いきや元気いっぱい。
飲んでいるのは赤ワイン? 答えはコカコーラでした。
楽屋にはわが先輩、森山良子さんからの花束が。
ルグランさん、こういっては失礼かもしれませんが、マイルスが大好きなお茶目で元気なおじいちゃんでした。
【出演メンバー】
Michel Legrand(p, vo)
Pierre Boussaguet(b)
Francois Laizeau(ds)
2012年10月6日 「ブルーノート東京」 ファースト・セット