昨日、観てきました。客席は超満員といえないものの、ほぼ埋まっていていい感じ。大きなホールでのコンサートが少なくなっている中、メルドー人気はたいしたものです。
新作『オード』と同じトリオによる演奏は繊細かつ内省的。ひところに比べると聴きやすくなったのは、演奏した曲目によるかもしれません。
なにせオープニングがポール・マッカートニーの「グレイト・デイ」。これは『フレイミング・パイ』に入っていた曲ですね。続いてはビーチ・ボーイズの「フレンズ」。中盤には「アンド・アイ・ラヴ・ハー」が入り、最後のほうでポールの新作「マイ・ヴァレンタイン」まで演奏してくれました。
ビル・エヴァンスほど耽溺的ではありませんが、ノリのいいスイング感とはちょっと違うグルーヴが心地よい。そんな感じのメルドー・トリオです。難解なフレーズや構成もあまりなく、10年くらい前までの肩肘張ったところが消え、気持ちのいい時間がすごせました。
休憩なしで80分ほど。そこで一度引っ込んでアンコールが3回。7時に始まったコンサートが終わったのは9時ちょっとすぎ。ぼくにはちょうどいい長さです。
同じ演奏時間でも、本編をもっと長くやってアンコールが1曲という構成より、メルドー方式のほうが好印象を与えるかもしれません。何事もほどほどがいいです。ちょっと物足りないところでやめるのが、ぼくには好ましいです。
物足りないといえば、さっきテレビで観ていたオリンピックの開会式。ブラッド・メルドーも取り上げていたポール・マッカートニーが最後に登場し、「ジ・エンド」と「ヘイ・ジュード」を披露しました。物足りなかったです。でもこれくらいがいいんです。
さて、今日からはオリンピック三昧になるかしら? 本業以外はテレビを楽しみたいと思っていますが、どうなることやら。
【メンバー】
ブラッド・メルドー(p)
ラリー・グラナディア(b)
ジェフ・バラード(ds)