初日の4月2日に丸の内の「コットン・クラブ」で聴いてきました。これまで何度かロバータ・ガンバリーニのライヴは観ていますが、観るたびによくなっています。2006年にメジャー・デビューしてから、それまで以上にさまざまな体験を積み、さらなる自信がついたんでしょう。
ただし彼女の場合はその前から、ベニー・カーター、ハンク・ジョーンズ、ジェームス・ムーディといった偉大なジャズマンに可愛がれていたことも大きいようです。実力に加え、周りのひとにも恵まれています。「恵まれている」というのは語弊があるかな。それも彼女の人柄のゆえでしょうから。
ガンバリーニの歌を聴いて思ったことがあります。「エスターテ」を歌ったときです。彼女はイタリア出身なので、イタリア生まれのこの曲をイタリア語で歌ってくれました。そこで、アメリカのスタンダードも曲によってはイタリア語で歌ってみたらどうだろう? なんて思ったんですね。
それで終演後にインタヴューをさせてもらった際、そう話してみました。彼女の考えはこうです。
歌詞とメロディがパーフェクトのバランスで成り立ってこそ名曲として存在する。だからイタリア語の歌詞をつけることは考えていない。けれど曲によってはいいかもね、というものでした。
イタリア語の響きにはどこかノスタルジックなものを感じます。ですから、そういう曲をイタリア語で歌ったら雰囲気が出るんじゃないかしら? そんなことを伝えておきました。
次回作はアメリカのスタンダードから離れ、ほかの国の曲を取り上げようと考えているみたいです。ミーナが好きだといっていましたから、彼女の曲も歌うかもしれません。
ガンバリーニはすでに完成されたシンガーだと思います。でもまだまだこれから素敵な存在になっていくでしょうね。ちょっと遅咲きではありましたが、いつかカーメン・マクレエみたいなシンガーになる予感がします。今後も楽しみな歌手のひとりであることに間違いはありません。
【おまけ】
「コットン・クラブ」の目と鼻の先にある復元中の東京駅です。古い建物は味わいがありますね。