先週の水曜日(12日)に「ブルーノート東京」で観てきました。89歳とはとても思えない元気さ。先日のミシェル・ルグランもそうでしたし、次回の「Jazz Conversation」に登場する評論家の瀬川昌久先生も87歳。みなさん、とにかくお元気で、若々しい。
それでトゥーツですが、ひょうきんなおじさん(お爺さんではありません)といった雰囲気でステージを楽しげに進めていきました。お馴染みの曲を中心に、独特の哀愁を感じさせるプレイ。まさにワン・アンド・オンリーな存在感というんでしょうか。
一番楽しんでいたのは本人かもしれません。楽しむことが若さを保つ秘訣。それを地で行く感じです。テーマをしっとりと演奏したあとは、たいていピアニストのカレル・ボエリーにソロを任せて、本人はお寛ぎの様子。この風情もいいです。
このレギュラー・カルテット(ベースはヘイン・ヴァン・ダヘイン、ドラムスはハンス・ヴァン・オーシュタハウトゥ)は昨年リリースされたアルバム『ヨーロピアン・カルテット・ライヴ』でも共演していましたから、チーム・ワークは抜群。
そういえばカレル・ボエリーは、ヨーロッピアン・ジャズ・トリオ時代に何度かインタヴューをしたことがあります。いまやすっかり大人になっていました(当たり前か)。ちょっと懐かしかったですね。
ハート・ウォームなライヴ。それはトゥーツの人柄から醸し出された雰囲気によるものでしょう。次の来日があるかどうかはわかりませんが、ぼくはこれが最後かなと思いながら、彼が生み出す音のひとつひとつを噛み締めていました。いい時間をすごさせてもらいました。