先週の金曜日(22日)にインタヴューを兼ねて観てきました。自分の中では比較的早い時期にゲイリー・バートンの演奏は聴いています。それもあって、とにかく以前から親しみのあるミュージシャンのひとりでした。
最初に聴いたのはスタン・ゲッツの『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー』。ですから、1965年とか66年ごろです。
その後、バートンは『ダスター』というアルバムを出します。1967年の録音ですが、日本盤は翌年に出たんじゃなかったかしら。それを早々に聴いてショックを受けます。これがぼくのフュージョン(まだそんな言葉はなかったですが)初体験でした。
当時はロックもジャズも同じくらいに好きで(いまもそうですけど)、自分でもそういう演奏をギターで弾いていました。このアルバムで知ったラリー・コリエルのプレイにはどれほど魅了されたことか。
そして当のバートンといえば、ヒッピーかロック・ミュージシャンのような出で立ちでジャズ・ファンの前に現れたのです。コントラヴァーシャルな存在だったことはいうまでもありません。
そんな話がインタヴューでは中心になりました。当時を振り返って、面白い話もいくつか聞けましたので、それはいずれ「Jazz Conversation」で。
一方、「ブルーノート東京」のステージでは現在のバートンが相変わらずヴァイブの名手であることを存分に発揮していました。最近出たばかりのアルバム『コモン・グラウンド』からの曲が中心で、彼が見出したギタリストのジュリアン・レイジも達者なプレイを聴かせてくれます。
そのほかのメンバーは、ベースがホルヘ・ローデール、ドラムスがアントニオ・サンチェス。レコーディングではベースがスコット・コーリーでしたが、彼はこの時期ジョン・スコフィールドのグループでヨーロッパ・ツアーに出ているとかで、ジュリアン・レイジのグループでベースを弾いているホルヘ・ローデールが今回は付き合うことになったとか。
それでも、大半はレコーディングのメンバー、つまりレギュラー・カルテットのメンバーですから息もぴったり。アントニオ・サンチェスのドラミングが相変わらずお見事で、当然のことながらゲイリー・バートンの4本マレット奏法も素晴らしく、あっという間の1時間ちょっとでした。